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「HELLGATE」の今後の開発・運営方針が明らかに。正式サービス開始後初となるプレス向けカンファレンスを開催
正式サービス後初となるこのカンファレンスでは,HELLGATEの運営ならびに開発スタッフによって,現在の手応えや今後の大まかな開発・運営方針などが明らかにされた。
現時点における開発・運営サイドにとっての手応え
カンファレンスはHUEのPRチーム 村松直也氏による進行のもと,お馴染みの日本運営プロデューサー中尾圭吾氏に加え,開発を行っている韓国T3 Entertainmentから,開発責任者のムン・ヒヒョン氏を招いて行われた。
しかし,その一方で別の問題が発生しており,新規コンテンツの導入を急ぎすぎたことで,それに関するバグ取りやバランスの調整不足が露呈しているという。その結果,正式サービス開始時と比較して,プレイヤーの離脱率の高さが深刻な課題となってると認識しているようだ。
この問題に対し,中尾氏は,当面の間は新規コンテンツの導入ペースを若干落とし,その代わりに既存のコンテンツのデバッグとゲームバランスを万全にする方針を表明。オンラインRPGとしての足場を固めたうえで,大型アップデート「HELLGATE:Tokyo」の導入時に,改めて巻き返しを図るのが狙いのようだ。
また,キャラクター育成のバリエーションの広さに関しても,プレイヤー視点ではあまり周知されているとは言い難い。ガーディアンのクラス一つを見ても,メイン武器に“剣・盾・銃”の中からどれを選ぶかによって,スキル構築や装備アイテムなどといったキャラクタービルドがまるで違ってくる。プレイしているうちに新たなビルドや戦術が見つかることもあり,それはHELLGATEの優れたゲーム性の証ともいえるのだが,そういったビルドの広がりがあることすら知らないプレイヤーが多いのだという。せっかくの幅広い可能性がある装備要素も,プレイヤーまで届かなければ,その価値は半減してしまうだろう。
中尾氏は,「ニーズとシーズ」(NeedsとSeeds)という言葉を繰り返していた。これはマーケティングでよく使われる言葉で,需要=ニーズと売りたいもの=シーズといった意味を持っている。HELLGATE自体は日本のオンラインゲーム市場に元々ある“ニーズ”ではなく,HUEが新たな娯楽として提示したいもの,すなわち“シーズ”である。この新しい娯楽をどうやって定着させていくかは,今もって試行錯誤を繰り返しているようだ。キャラクタービルドに関しては,現在プレイムービーの公開を含めて検討中とのことなので,今後の展開に注目したい。
TOKYO導入前に行われる調整・アップデートスケジュール
・チャンネル仕様の改善
現在はエリアごとに,ロビーエリア用のチャンネル数が20前後用意されている。とはいえ,この数だと,時間帯やエリアによってはチャンネルが閑散としてしまいがち。数を少し減らし,プレイヤー同士が接する機会を増やすというのが狙いのようだ。
・アイテムドロップ率の上方修正
従来比でアイテムドロップ率を,全体的に2倍近くに上昇させる。今後新たにHELLGATEのプレイを始める人にとっても,トレハンの魅力をより手軽に味わえるようになるだろう,とのこと。
・サイクルコンテンツの再調整
ここで言うサイクルコンテンツとは,「追憶の神殿」や「拠点防衛戦」といった,繰り返し遊べるタイプのコンテンツを指す。前者に関しては,ある程度の回数をこなすとプレイメリットがなくなりやすく,ここを改善させる。後者に関しては,ナイトメア以降の高難度モードを実装し,それとパーティ編成時におけるレベル差の制限を緩やかにする方向のようだ。
・経験値取得量の上方修正
現状の経験値テーブルでは,レベル30以降で大ボス“シドナイ”を倒すあたりになると,壁を感じてしまいがちになる。HELLGATEはカンスト後のトレジャーハント,キャラクタービルドの追求が魅力のタイトルなので,そこまでの間はハードルをなるべく感じさせないようにしたい,とのことだった。
・スペックの最適化と負荷減少
ゲーム内オプションで各グラフィックス項目のON/OFFが行えるが,現状だとミドルスペック未満のPCでは,若干プレイしにくい面があるようだ。例えば,屋外での“雲”など,負荷が掛かりやすいエフェクトに関して,いくつかゲーム内オプションに追加する形で再調整を行う。
これら以外に,クラスバランスの調整や中レベル帯のクエスト追加なども行われる模様だ。
新規コンテンツの追加スケジュール
・新規ミッションの追加(2月末or3月頭)
韓国版では実装されているコンテンツだが,名前を直訳すると“ゾンビの夜”。地下墓地を舞台に,わらわらと押し寄せてくる数多のゾンビと戦っていく内容で,ムン氏によると“ゾンビ映画の雰囲気そのまま”のようだ。対象とするレベル帯は50Lv以上を想定しているという。
・PvPシステムの仮実装(3月中)
現在一部でテストを行っているPvPシステムに関して,ひとまず仮バージョンでの実装が行われる。クラス間バランスの調整にさらなる時間を要しそうなため,仮バージョンでの反響を見たうえで最終的な判断を行うようだ。仮とはいえ,PvPを通じてポイントを獲得し,それと引き換えにアイテムと交換する報酬システムが用意される。
・大型アップデート「HELLGATE:Tokyo」の実装(未定)
プレイヤーにとって最も気になる部分だが,今回のカンファレンスはでは大きな新情報の発表はなかった。中尾氏のコメントを抜粋すると,「そう遠くない未来」「春だとは思う」「春とは4〜6月」。すでに韓国では実装されており,コンテンツとしては用意されているのだが,そのまま日本に導入するわけではないので,現在さまざまな調整が行われており,加えて現在のHELLGATEのゲームとしての土台をしっかりと固める作業が行われている。万全の形でのTOKYO実装に期待したいところだ。
・ロングレンジVer.2の実装(未定)
詳細は未定だが,どうやらサイクル系コンテンツを示しているようだ。中尾氏は以前,「追憶の神殿」の第2弾を開発したいと述べていたので,そのことかもしれない。
開発責任者および運営への質疑応答
T3 Entertainmentで開発を行うムン氏の経歴を聞かせてください。
ムン氏:
元々は,旧HELLGATEをヘビーにやり込んでいた一人のプレイヤーでした。一度はサービスが中断してしまい,とても残念だったのですが,新たな運営権を自分が住んでいる韓国のT3が獲得と聞き,いてもたってもいられず入社しました。それが今から約3年前で,現在は開発責任者として多忙の日々を送っているのだから,巡り合わせとは不思議なものですね。
このような経歴なので,常にユーザー視点でも開発に携われるのが,自分の強みだと考えています。
質問:
T3 EntertainmentとHUEの関係についてはいかがですか?
中尾氏:
ムンさんとは毎日のようにメッセンジャーなどでやりとりしていて,定期的に直接お会いしています。こういう場だから言うわけではないのですが,T3とHUEの関係はとても良好だと思いますね。
ただ,HELLGATEの開発に妥協はしたくないので,ときにはムンさんには無理を言うこともあります。洋ゲーテイストが定着していない日本でHELLGATEを運営するわけですから,どこかで誰かが苦労しなければなりませんからね。
質問:
ムンさんは,日本のHELLGATE運営チームに対してどのような印象を持っていますか?
ムン氏:
韓国とはいろんな意味で文化が違う国なので,HUEさんからの意見はとても新鮮で,参考にさせていただいています。一番驚いたのは,「アバター用のコスチュームを導入してほしい」という要望で,T3側としては、最初は眉唾に思っていたのです。しかし,いざ実際に導入すると,反響の良さに皆びっくりしていました。韓国版での反響もとても良いですよ。
手前味噌ですが,日本運営チームから逆輸入する機能は,他国でも評判の良いものが多いですね。例えば,ロビーエリアで行き交うキャラクター達を見ていても,日本版で追加したフェイスタイプの割合が非常に高いです。
質問:
今後HELLGATEをどのように作り上げていきたいとお考えですか?
中尾氏:
ソロプレイはもちろんですが,パーティプレイの面白さ,もっといえばオンラインゲームとしてのコミュニティ面を強化していきたいです。たとえば,ロビーエリアのチャンネル数を減らすことに関しても,それによってほかのPCの装備を見て参考にしてくれたらいいな,という効果も期待しています。他人がどんな装備をしているか,気になっている人って多いと思いますし,そこで背中を後押しすることで,新たなキャラクタービルドを考えることもあるでしょう。コミュニティを強化するために,さまざまなシステムを複合的に考えていきたいですね。
質問:
最後にメッセージをお願いします。
ムン氏:
大型アップデート「HELLGATE:Tokyo」を実装する前に,現在あるシステムの不備などはすべて潰しておきます。HUEさんと一緒に頑張っていきますので,応援をよろしくお願いします。
中尾氏:
「HELLGATE:Tokyo」の実装に向け,今回発表させていただいた件を含め,さまざまな調整を行っていきます。システム調整など,一見関係がないように思われるかもしれませんが,Tokyoの実装時はゲーム全体が万全の状態になっているように,これから全力をつぎ込んでいきます。プレイヤーの皆さんは,ぜひ期待していてください。
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