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日本代表は5位で惜しくも決勝進出ならず。「SPECIAL FORCE」,インドネシア ジャカルタで開催された世界大会レポート
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印刷2011/11/07 20:15

イベント

日本代表は5位で惜しくも決勝進出ならず。「SPECIAL FORCE」,インドネシア ジャカルタで開催された世界大会レポート

 2011年11月2〜6日,インドネシアはジャカルタのショッピングモール「Mall Taman Anggrek」にて,国内ではNHN Japanが運営するオンラインFPS「SPECIAL FORCE」のイベント,「SPECIAL FORCE SPECIAL PARTY 2011」が開催された。

世界大会の会場となったショッピングモール「Mall Taman Anggrek」。商業施設とマンションが一体化したような施設で,とにかくデカイ。なかには洋服のセレクトショップ,カフェ,レストラン,美容院などがあり,ここで大抵のものは揃いそうだ
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 同イベントは,インドネシアで2011年8月よりサービスがスタートしたというSPECIAL FORCEをアピールするためのもので,開発元である韓国Dragonflyのインドネシア法人,Dragonfly Indonesiaによって行われたもの。
 本稿では,イベント期間中の11月5〜6日にかけて行われた「SPECIAL FORCE」の世界大会,「2011 SF World Championship in Indonesia」の模様についてレポートしていこう。

特設会場にはゲーム用PCが設置され,すべてに「SPECIAL FORCE」がインストール済み。来場者がプレイしていたほか,空き時間の選手がウォーミングアップに使用していた。見た感じでは小学生ぐらいの男の子が楽しそうにプレイしていたのが印象的だった
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会場内にはミリタリールックで決めたコンパニオンさんがズラリ勢揃い
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 今回の世界大会には,10月に開催された「SPECIAL FORCE 日本代表決定戦 2011」で優勝した「UHS Athlete」が日本代表として招待されている。ご存じの方もいるだろうが,このクランには「SPECIAL FORCE」公認のプロゲーマーであるYuti選手SpyGea選手ら2名が在籍しており,彼らの活躍にも大いに期待がかかる。

ウェルカムパーティでは,対戦カードが抽選によって決められた。今大会では台湾と韓国が優勝候補最有力として挙げられていたが,その2国が同じグループに入ることとなり,会場は大いにどよめいた
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 そのほか,アメリカ,台湾,韓国,中国,タイ,シンガポールの,全7クランが招待され,ホスト国のインドネシアからは,11月4日に行われた代表決定戦によって選出されたクランが出場。8つのクランが会場に集結し,世界最強の座を懸けて熱いバトルが繰り広げられた。

 大会前日となる11月4日にはウェルカムパーティが行われた。この場にて世界大会の抽選会が実施され,以下のような組み合わせに決定。

■グループA
台湾(Wayi Spider)
韓国(AnnuL)
インドネシア(PG TT)
タイ(AMOTEL)

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台湾(Wayi Spider
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韓国(AnnuL)
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インドネシア(PG TT)
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タイ(AMOTEL)


■グループB
日本(UHS Athlete)
アメリカ(OPTIMAL)
中国(CDC GAMES)
シンガポール(ZEAK)

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日本(UHS Athlete)
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アメリカ(OPTIMAL)
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中国(CDC GAMES)
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シンガポール(ZEAK)

(※カッコ内の名称はクラン名)


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 本大会では,まず上記のグループ内で総当たり戦が行われる。このグループリーグでは,勝敗数によってスコアを算出。勝敗数が同じ場合は,得失点差によって順位が決められる。そして各グループの上位2か国・合計4クランが決勝トーナメントに進出し,それ以外のクランは,5位〜8位を決める戦いに挑む。

 グループリーグは5対5のチームマッチとなり,チーム編成は4名のアサルターのほか,必ず1名スナイパーを入れなければならない。また,勝利条件は先に8ラウンド先取した側となる。攻守は抽選によって決められ,7ラウンド終了時点でこれが交代。仮に全14ラウンドを終えてスコアが同数の場合は,攻守交替なしでサドンデスマッチが行われる。

 決勝トーナメントのルールは,基本的にはグループリーグと同様だが,3つのマップを使用し,先に2つのマップで勝利を挙げたクランが勝ちとなる。
 使用されるマップは「Missile」「Desert Camp」「Satellite」「Nervegas」「Venezia」の5種類。それ以外に,使用できる武器やアイテムも細かく決められており,厳格なレギュレーションが定められている。

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今大会の対戦カードとスケジュール
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選手はステージ上に設けられたブースに入り,ここで試合に挑む。実況アナウンサーと解説者も用意され,観客はスクリーンやモニタから試合状況を確認できた

 なお,今回の大会で6位以内に入った国は,2011年12月8日から11日にかけて,韓国・釜山で行われる世界最大のe-Sportsイベント,「World Cyber Games 2011」で行われる「SPECIAL FORCE」部門への挑戦権が与えられる。
 そのほか,1位から4位のクランには2000〜1万USドルが副賞として贈られるほか,MVPに輝いた選手には1000USドルが贈られる。


日本代表は初陣を勝利で飾るも
中国,アメリカに惜敗し予選リーグ敗退


 大会のレポートの前に,日本のグループリーグでの組み合わせを紹介しておこう。

・グループリーグ第1試合
 UHS Athlete vs. ZEAK

・グループリーグ第2試合
 UHS Athlete vs. CDC GAMES

・グループリーグ第3試合
 UHS Athlete vs. OPTIMAL

 日本代表「UHS Athlete」の最初の対戦相手は,シンガポール代表の「ZEAK」。使用された「Nervegas」は,守備側が有利にゲームを進められるマップだ。先攻したUHS Athleteはなかなか突破口を見い出せず,前半はラウンドを取り合うシーソーゲームとなる。そして日本代表は,前半戦を4対3と1ラウンドリードした状態で折り返す。
 後半戦ではUHS Athleteがマップの特性を生かし,先ほどとは打って変わって見事な守りを見せる。連続してラウンドを制し,第9,10ラウンドでは1人も倒されることなく相手の攻めを完封するパーフェクトゲームを達成。第11ラウンドでZEAKの反撃を受けるものの,続くラウンドを危なげなく勝利し,勝ち星を上げた。

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ホスト国として今大会に参加したインドネシア代表であったが,まだサービスが始まって間もないということもあり,全敗というほろ苦いデビューとなった
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マップごとに特性があるため,当然ながら有利・不利という状況が発生する。いかに得意なマップを引き当てられるか,勝負には運も絡んでくる

 UHS Athleteの第2試合の相手は,中国代表の「CDC GAMES」。マップは第1試合と同じく「Nervegas」だ。過去に行われた大会でも,日本代表は中国代表と同じマップで戦った経験があり,そのときは負けてしまったという。
 試合は日本の先攻でスタート。しかし,守備側が有利というマップの特性が中国に味方し,第6ラウンドまで日本は完全に押さえ込まれてしまう。続く第7ラウンドで意地を見せ1ラウンド返すものの,スコアは1対6と圧倒的に不利な状況に。
 攻守を切り替えてもCDC GAMESの勢いは止まらない。第8ラウンドではスナイパー同士の撃ち合いも中国が制し,マッチポイントを取られる。第2試合は圧倒的な大差をつけられ,敗れてしまった。

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さすが各国代表の腕前は見事で,素早くエイミングして的確に攻撃を当て,相手のHPを削っていく。流れは非常にスピーディで,あっという間に勝負が終わることもある
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攻めこんできたアメリカ代表を迎撃。連携のとれた動きで敵を倒していく様は,見ていて爽快感がある

 グループリーグ最終戦は,アメリカ代表の「OPTIMAL」だ。UHS Athleteのメンバーに聞いてみたところ,アメリカには「過去の対戦で一度も負けたことがない」とのこと。しかし今回のアメリカ代表はメンバーチェンジを行ってきており,それが勝負にどう影響するかだったのだが……。
 マップは「Satellite」が使われた。ここは大半が屋内で,攻め側にとってはルートが少ないという守備側有利な特徴がある。アメリカの先攻で始まった試合は,日本が堅実な守りを見せ,第3〜5ラウンドまでを連続先取。しかし,第6,7ラウンドではアメリカ代表が盛り返し,スコアは4対3と日本が一歩リードした状態で前半を終える。
 後半戦に入ってOPTIMALには追い風が吹き,第8,9ラウンドを連取。第10ラウンドでUHS Athleteが反撃を見せるも,残念ながら勝負はここまで。以降のラウンドはすべてアメリカ代表の勝利で終わり,5対8という結果でゲームセット。残念ながら日本代表の決勝トーナメント進出はならず。

 グループBの最終成績は,アメリカ代表が3戦全勝で1位通過となった。次いで中国が2勝1敗で2位に入賞し,決勝トーナメント進出を決めた。3位の日本代表は1勝2敗という成績で5-6位決定戦にコマを進める。4位のシンガポール代表は全戦全敗で,インドネシア代表と7-8位決定戦に挑むという結果となった。

 なお,グループリーグでの最終順位は以下のとおりだ。

■グループA
1位:タイ(AMOTEL)
2位:台湾(Wayi Spider)
3位:韓国(AnnuL)
4位:インドネシア(PG TT)

■グループB
1位:アメリカ(OPTIMAL)
2位:中国(CDC GAMES)
3位:日本(UHS Athlete)
4位:シンガポール(ZEAK)


5-6位決定戦は日本 vs. 韓国
台湾と並ぶ優勝候補だった韓国との試合結果は


 決勝トーナメントのレポートに入る前に,日本代表が出場した「5-6位決定戦」の模様もお伝えしよう。今回の対戦相手は,グループAを3位で通過した韓国代表の「AnnuL」だ。日本代表は過去に行われた国際大会や,練習試合などでAnnuLと戦っているという間柄。今回はどちらに勝利の女神が微笑むのか。
 試合は「Venezia」で行われたが,ここは守備側へ有利に働くマップだ。ゲームはAnnuLの先攻となったが,UHS Athleteは第5ラウンドまでAnnuLを完全に抑えこみ,5対0と圧倒的な差をつけていた。しかし,韓国代表もただやられるわけではなく,続く第6,7ラウンドで勝利し,後半戦へ望みをつなぐ。

韓国戦は厳しい場面もあったものの,見事勝利。WCG 2011に出場するUHS Athleteには,今回以上の活躍を期待したいところだ
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 後半戦は先ほどのワンサイドゲームとは打って変わって,ラウンドを奪い合うシーソーゲームの展開となった。しかし途中でUHS Athleteは,ゲーム開始時に投擲物を投げて相手を撹乱するという作戦を実行。これがが見事に決まり,AnnuLを出し抜くことに成功。この勝利で流れは完全に日本のものになり,8対4というスコアで見事韓国代表を撃破。日本代表は5位入賞を果たし,WCG 2011への出場権を獲得した。


ファイナリストはタイと台湾
世界最強の座をかけての戦いが幕を開ける


 準決勝の詳細は省略させてもらうが,「2011 SF World Championship in Indonesia」のファイナリストには,グループA 1位通過のタイ代表「AMOTEL」と,同じく2位の台湾代表「Wayi Spider」が選ばれた。優勝候補に挙げられ下馬評通りに進出してきた台湾代表に対し,これまでに見事な活躍を見せてきたタイ代表が,どのような戦いを見せるのか,注目の一戦となった。

 最初のマップは「Nervegas」。さすが決勝戦だけあり,戦いはハイレベルだ。序盤はラウンドを取り合うシーソーゲームになっていたが,次第にタイが調子を上げてきてその均衡を破り,前半を5対2とリードして後半戦を迎える。
 ところが台湾も負けてはいない。第8,11,12ラウンドを制し,一時は6対5と1ラウンド差まで追い上げを見せる。しかし,この状況にあってもタイの動きには乱れがなく,2連続でラウンドを制し,価値ある1勝をあげて優勝に向けて弾みをつける。

制限時間ギリギリのところでタイの選手が爆弾を解除しようと試みるも,台湾の選手にそれを阻止されるという,手に汗握る場面も。熱い展開に会場からも大きな歓声が巻き起こっていた
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 続く第2試合は「Desert Camp」での戦いだ。このマップは狭めでゲームの展開がスピーディという特徴がある。マップの特性上,守備側は見晴らしの良い場所を押さえられれば,かなり有利になる。
 試合はタイ代表の先攻で始まり,幸先良く第1ラウンドをものにするが,台湾代表の動きはそれを上回っており,第2〜6ラウンドではタイ代表に何もさせずに押さえ込む。
 このままの勢いでWayi Spiderが勝つかと思われたが,後半戦は先ほどとは違ってタイ代表の動きが非常に良くなり,怒涛の追い上げでスコア差をひっくり返してしまう。ここからは両者一歩も引かず,第14ラウンドを終えた時点でスコアは7対7と同数。大会ルールに則り,今大会で初となるサドンデスに突入する。勝負の結果,台湾代表が激戦を制し,勝負はいよいよ最終ラウンドに委ねられることに。

今大会初となるサドンデスマッチに突入。決勝戦にふさわしく,どちらが勝つか予測できないハイレベルなゲームが繰り広げられた。勝利すると選手達もハイタッチで喜びを分かち合っていた
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 第3試合のマップは「Satellite」となった。台湾の先攻で始まった試合だったが,タイの守備は素晴らしく,前半は6対1で勝利し,非常に有利な状況に持ち込む。これだけの差をつけて精神面での余裕も出てきたのか,攻守交替後もその勢いはまったく衰えず,そのまま押し切る形で第8,9ラウンドを連取し,見事タイ代表「AMOTEL」が世界最強クランの栄誉に輝いた。

最終ラウンドを制し,見事優勝したタイ代表。試合後には台湾の選手と握手を交わし,健闘を讃えあっていた
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 今回の世界大会は2日間にわたって行われたが,会場内に設置された試遊台では終始多くの来場者が訪れており,コンパニオンに話を聞きながらゲームを楽しんでいた。もちろん,世界大会での各国の代表選手によるハイレベルなプレイも注目されており,見事なプレイをすれば拍手が巻き起こる盛り上がりようであった。
 インドネシアでの「SPECIAL FORCE」プレイヤー層の拡大はまだまだこれからだろうが,認知度を上げるためのイベントとしては大成功といえたのではないだろうか。

優勝したタイ代表の「AMOTEL」には,優勝トロフィー,ゴールドメダル,10000USドルが贈られた
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●最終順位
1位:タイ (AMOTEL)
2位:台湾 (Wayi Spider)
3位:アメリカ (OPTIMAL)
4位:中国 (CDC GAMES)
5位:日本 (UHS Athlete)
6位:韓国 (AnnuL)
7位:シンガポール (ZEAK)
8位:インドネシア (PG TT)


イベントの合間にはインドネシアのアイドルグループもステージに登場し,ミニライブを行っていた。こちらは熱狂的なファンによる歓声が凄まじく,非常に盛り上がっていた
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