イベント
FEZ初のPvP大会「バンクェット 〜Decisive Battle 2007」を開催。320ギルドの頂点に立ったのはDaathサーバー所属の「StarShipです。」
予選リーグ開始前に紹介された5名のチームリーダー。両脇を固める甲冑姿の不思議な2人は,GMチームのメンバーである。お面をつけたまま試合に臨んだGMもおり,さぞや画面が見えにくかったことだろう |
バンクェットとは,7対7で行われる少人数の公式試合のこと。特殊なルールのもと「闘技場」と呼ばれる施設を利用するため,FEZ本来の醍醐味である「最大50対50の戦争」とはまったく異なる雰囲気の遊び方だ。
FEZでは,11月9日より1ワールド64チームによるオンライン予選トーナメントが実施されていた。各サーバ代表の座をかけた決勝トーナメントを経て,この日,FEZ最高のチームとプレイヤーが決まったというわけである。
バンクェットの詳細なルールや出場条件などは特設サイトに記されているが,ここで簡単に説明をしておこう。1チームは補欠を含む10人まで登録可能だが,試合に出場できるのは7人のみ。試合専用の特別なキャラクターではなく,ユーザー自身のアカウントとキャラクターを用いるが,装備品および回復アイテムがゲームポット側から支給されることもない。何をどれだけ準備するかはプレイヤー次第というわけだ。
勝利条件は,試合制限時間10分以内に,先に10キルを取ること。FEZでは,戦争中に戦闘不能になっても,15秒経てばHP/PW満タンの状態で復帰できるので,合計キル数が先に10に達したチームが,勝利という意味だ。
試合終了時に両チームのキル数が同点の場合は,デッド数が少ない側,あるいはメンバーが,与ダメージランキング上位に多く入っているチームが勝利となる。
オンライン予選はトーナメント方式で進められたが,この日は3チームずつ,A/B二つのリーグに分けられたうえで,総当り戦方式が採用されていた。それぞれ上位2チームが,午後3時半からの決勝トーナメントへの出場権を得られたのだ。なお,現在FEZにはアルファベット順に「Atziluth」「Briah」「Chokmah」「Daath」「Ether」の5つのサーバーが存在しており,それぞれのサーバーの代表チームにGMだけで編成される特別チームを入れた,以下の6チームによって予選は行われた。
・Atziluth代表:残業組
・Briah代表:GLADIA†OR
・Chokmah代表:1Ring
・Daath代表:StarShipです。
・Ether代表:ぷねひちるかも
・特別チーム:GMチーム
残業組 VS. GLADIA†ORの試合で始まった,予選Aリーグ。残業組が所属するAtziluthサーバーは,ゲームポットへの運営移管以前から存在するサーバーなので,プレイヤーもベテランが多く,優勝候補と目されていたチームだ。しかしこの第1試合は,いきなりのマシントラブルからスタート。少人数戦のバンクェットでは必須ともいえる,ボイスチャットが使用できないというアクシデントに見舞われてしまったのだ。
7名のメンバーは横一列に並ぶ配置だ。そして周囲を観客が取り囲んでいるうえ,隣のステージから串田アキラ氏による熱唱が響き渡る環境下で,ボイスチャットが利用できないというトラブルはかなりの問題だ。オフラインのPvP大会というものは,入念なリハーサルを行っても何かとトラブルに見舞われやすいものだが,これは厳しすぎるハンデである。
オフライン大会という場の空気に呑まれたのか,トラブルに動揺してしまったのか,期待の残業組は第1試合,第2試合を続けて落とし,早々に敗退という番狂わせが発生。これにより,優勝チームの予想が立てづらい,なかなか興味深い展開となった。
これは,狭い闘技場で行われる少人数/短期戦のバンクェットに要求されるスキルが,最大100名で行われる戦争とは異なるためだろう。共通して見られたのは,ウォーリアは防御力の高い片手剣+盾装備のスタイルを選択し,ソーサラーはほぼ全員が氷系スキル「フリージングウェイブ」「ブリザードカレス」,そして雷系スキル「ライトニング」「ライトニングスピア」「サンダーボルト」を習得していたこと。もちろん状況に応じて武器を持ち替えたり,炎系スキルを選ぶプレイヤーもいたが,最も多かった組み合わせは上記の通りだ。
試合運びの基本は,戦闘開始の合図と同時に建築物「スカフォード」を闘技場の中心に建て,これを壁にしつつソーサラーは氷系スキルで凍結を,ウォーリアはシールドバッシュによるスタン効果を狙っていくというもの。
技が決まると,うしろに控えていたメンバーが追撃による大ダメージを狙い,逆にスタンや凍結をくらった側は,吹き飛ばし効果のあるスキルなどで,身動きできない仲間をフォローするという展開だ。
スカウトを採用するチームは,相手の防御力を大幅に下げる「ガードブレイク」や,視界を一時的に奪う「ヴォイドダークネス」などを使っていたが,ハイド状態で敵チームの懐に入り込んで使う技のため,ハイドを見破られてしまうと逆に孤立無援に追い込まれるリスクの高い戦術といえる。なかには見事なテクニックで,これらのスキルを効果的に繰り出すプレイヤーも見られたが,戦いの中心となるのは凍結およびスタンからの追撃/フォローという流れである。
最終的にAリーグは,GLADIA†ORが2勝0敗,ぷねひちるかもが1勝1敗で決勝戦へ。Bリーグは大方の予想通り(?)GMチームが敗退し,1Ring,StarShipです。の2チームが決勝進出となった。
さて,バンクェット予選と決勝戦の間に会場を歩いてみると,Gamepot Festa 2007のチケットと引き換えに渡されるカードを交換する参加者の姿がよく見られた。
これは,カード背面に記されているシリアルナンバーをゲーム内で入力すると,ペットや武器など限定アイテムがもらえたためだ。事前に何がもらえるのか分かるため,自分のキャラクターに必要のないアイテムカードを手に入れてしまった参加者が,「FEZのアイテム必要ですか?」「パンヤとFEZのカード交換しませんか」と声を掛け合い,物々交換を求めているのだ。
また,これは余談になるが,友人同士で遊びに来たと思われる集団に声をかけてみたところ,これが偶然にも「ラグナロクオンライン」のPvPトーナメント,RJC本選に出場したギルド「Ruf Prism」のメンバーだった(関連記事は「こちら」や「こちら」)。RJCおよびRWC予選で何度かインタビューしている彼らだが,今ではすっかりFEZにハマッているという。
彼らは,今回のバンクェットにもエントリーしていたそうなのだが,残念ながらオンライン予選の決勝戦で敗退してしまったとのこと(決勝戦まで残れたのが凄い)。ラグナロクオンラインでも対人戦に秀でていた彼らだが,一つのタイトルに優れたプレイヤーというのは,ゲームシステムが少々変わったところで,そのテクニックをいかんなく発揮できるものなのかもしれない。
また,この休憩時間を利用して,控え室に残っていたチームメンバーにほんの少しだけ話を聞いてみた。プレイ環境については,やはり普段から利用しているボイスチャットが使えないことへの不満が最も大きく,自宅と異なるマシンスペックや使い慣れないマウスでの操作には,とまどいが大きかったとのこと。ちなみに最年少の参加選手は16歳! 本番では緊張のあまり全力が出せなかったそうだ。ちょっと初々しいエピソードである。
試合直前,チームリーダーからの「下馬評をくつがえす試合結果を出したい」「まぁ,なんだかんだいっても勝つんで」といった一言コメントに,客席からは応援の歓声やら,ブーイングやらが発せられ,一気に盛り上がりを見せていた。
なお,決勝ではボイスチャットツール「チームスピーク」を,運営スタッフが急遽用意。とくにトラブルも起きずに,万全の準備態勢で決勝トーナメントが開始された。
今回のバンクェット,エントリーの時点でなんと320チーム/3000名以上の応募があったという。その中から勝ち抜いた4チームだけあって,連携プレイのうまさはハンパではない。闘技場のシステムは,従来の戦争と異なり,ミ二マップに敵のおおよその位置が表示されない。つまり敵味方すべての位置や動きを目視で判断しなければならず,純粋なプレイヤースキル/チームワークが問われる仕様となっている。
HPの8割近くを削っても,とどめのキルが取れなければ試合には勝てない。HPが二桁を切った状態で敵の追撃をサイドステップでかわし,タイミングよく回復アイテムを使う様子には,会場から拍手と歓声が自然に上がっていた。
第1試合のぷねひちるかも vs. StarShipです。は,StarShipです。が危なげなく勝利。第2試合1Ring vs. GLADIA†ORは,残り時間1分少々というところで,キル数8:8という同点に。1Ringが9キル目をゲットしこのまま決勝戦へコマを進めるか,と思いきや,GLADIA†ORは一気に2キルを獲得し,この試合の勝者となった。
そのあと,第3試合として3位決定戦が行われ,1Ringが3位,ぷねひちるかもが4位という結果となった。
FEZ最強チームを決める決勝戦,GLADIA†OR vs. StarShipです。の試合が行われたのは,バンクェット決勝トーナメント以外のイベントがすべて終了した,夕方6時近く。決勝戦のみは3本勝負の2本先取という勝利条件になっていた。
これまでの試合は,中距離を保ったまま魔法の撃ち合いで勝負するパターンが多かったのだが,優勝を意識してなのか,防御力の低いソーサラーも強気で相手の懐に入り込み,激しいブリザードカレスの打ち合いが目立った。凍結した相手にいつでもスタンの追い討ちがかけられるよう,ソーサラーの周囲にはウォーリアが必ず控え,連携のチャンスを決して見逃さない戦術だ。
決勝戦第1試合はStarShipです。が1本先取。 第2試合はこのまま優勝を決めたいStarShipです。と,そうはさせまいと反撃に転じるGLADIA†ORの,見ごたえある試合が展開され,結果的にGLADIA†ORが勝利を収め,決勝戦は第3試合までもつれこんだ。
第3試合も,まったく息の乱れぬ連携プレー,そしてほとんどスキルの無駄うちがない技術の高さを見せる両チーム。そんな中,StarShipです。がわずかの差で勝利。ついに優勝を決め,320チームの頂点に立ったのである。
「StarShipです。」優勝インタビュー
4Gamer:
優勝おめでとうございます。強豪チームばかりの中,勝ち抜いて優勝を手にした,その秘訣を教えてください。
StarShipです。:
闘技場での少数戦が元々好きなメンバーばかりで,バンクェットが始まるよりも1年以上前から,チュートリアルマップなどを利用してPvPを楽しんでいました。そこでほかの部隊(ギルド)にもだんだんと勝てるようになり,もしかしたらDaathサーバーで出場したら勝てるかもと,考えていました。
4Gamer:
今回のクラス構成と,それを選んだ理由をお願いします。公式サイトのメンバー紹介写真を見る限りは,スカウトが含まれていませんね。
StarShipです。:
オンラインの予選はずっとスカウトなしの構成で通してきましたが,今日の決勝には短剣タイプのスカウトを一人使っています。戦術およびクラス構成はチームメンバーの一人が全部考えてくれています。
メンバー個々のプレイヤースキルと,一番強くなる構成を考えた結果,普段は両手/片手スキルを使うウォーリアをサブジョブにチェンジさせ,スカウトを使うことで,味のある戦いができるかなと思いました。
4Gamer:
決勝戦では普段出会うことのない,ほかのサーバーのプレイヤーと戦ったわけですが,自分達と比べて強かったですか。それとも,「まだまだうちには追いつけない」と思いました?
StarShipです。:
予選3回戦ではキル/デッド数がまったくの同点で,与ダメージランク上位の人数という僅差で勝ちましたが,あの試合は危なかったですね。それ以外の試合はわりと余裕で勝ちましたけど。
4Gamer:
Daathサーバーは5サーバーつのうち,わりと後発サーバになりますが,皆さん元からあるサーバでのプレイ経験があったんでしょうか? それとも最初からDaathサーバで始めたメンバーなのでしょうか。
StarShipです。:
ほぼ全員,Daathサーバで初めてFEZを始めました。それ以前はプレイしたことがなかったです。
4Gamer:
そうなるとレベル上げや,サブジョブでの補正など,キャラクター育成が大変だったと思います。とくに頑張ったところがあったら教えてください。
StarShipです。:
そもそも,FEZの戦争に求められる強さと,バンクェットのような少人数戦に求められるものはまったく別物です。厳選したメンバー間の連携を,しっかり練習しました。
しかし来場者のほとんどは,ここでしか購入できないグッズに列を作ったり,普段はなかなか会えないゲーム仲間とのオフ会代わりに利用したりと,大いに楽しんでいたようである。
ほかのゲームのステージイベントを見にきた参加者が,「FEZ面白そうだね」「ヤン魂,復活したんだ」などと話し合う姿も見られ,今まで手を出さなかったタイトルに触れる良い機会にもなったのではないだろうか?
FEZでは,これから新クラスや新マップの実装が控えており,プレイヤーもそれを楽しみに待っている。対人戦闘が魅力の核となるタイトルだけに,今後もオフライン/オンラインを問わず,こういった大会を催してほしいものだ。そういう活動が,FEZの魅力をさらに高めていくことだろう。
「Gamepot Festa 2007」記事一覧
・「Gamepot Festa 2007」,5000人もの来場者を集めて無事終了・「Gamepot Festa 2007」トップバッターは榊原ゆいさん。ラテールのイメージソングに加えてダンスも初公開
・元ZONEの長瀬実夕さん,元モーニング娘。の矢口真里さんも登場。ゲーム概要やコラボ企画が紹介された「モンスターファーム オンライン」のステージ
・「スカッとゴルフ パンヤ」の日本一は,がん太選手に決定
・FEZ初のPvP大会「バンクェット 〜Decisive Battle 2007」を開催。320ギルドの頂点に立ったのはDaathサーバー所属の「StarShipです。」
・「疾走、ヤンキー魂。」,Gamepot Festa 2007で六つ+αのサプライズを発表。CBTは4月,正式サービスは5月23日に開始
・Gamepot Festa 2007で「Level-R Series 2007 Professional League Final」開催。初代チャンピオンは††yume††選手に決定
・「君主online」のアップデート計画の一部が公開に。「CABAL ONLINE」では“ミッション戦争バトル”のデモが
・「Gamepot Festa 2007」会場内の様子をまとめてお届け
- 関連タイトル:
ファンタジーアース ゼロ
- この記事のURL:
キーワード
(C) 2005-2018 SQUARE ENIX CO., Ltd. All Rights Reserved.