プレイレポート
2本の武器で多彩なコンボと駆け引きを! 「真・三國無双 Online Z」先行プレイレポート
「真・三國無双」といえば,コーエーテクモゲームスが展開するアクションゲームシリーズで,プレイヤーは「三国志」の武将の一人となり,並み居る敵をなぎ倒す一騎当千の活躍が楽しめる。そして,「真・三國無双 Online」は,一騎当千の爽快感はそのままに,プレイヤー自身が新たに一人のオリジナル武将を作成し,ほかのプレイヤー達と,ときには協力し,ときには激しく戦うことで三国志の戦いを動かしていくのだ。その真・三國無双 Onlineがここにきて大きく変わろうとしている。
まず,見た目から変わってくる。これまでの「真・三國無双 Online」では,「真・三國無双4」相当のモデリングデータを使ったグラフィックスが提供されてきたが,「真・三國無双 Online Z(以下「無双Z」)」では「真・三國無双6」をベースとした,より美しいグラフィックスとなっているのだ。
「真・三國無双 Online」公式サイト
「晋」の台頭,諸葛亮の遺志を継ぐ姜維の登場など,三国の戦いに大きな変化が
グラフィックスとともに,プレイヤーが戦う世界も大きく変化している。
三国志といえば,魏・呉・蜀という三つの国が互いに争う物語という認識が強いと思うが,「無双Z」の最初のシナリオ「司馬氏台頭」では魏に替わって「晋」(しん)が覇権を握っている。晋とは魏の後に興った国。曹操没後,配下であった司馬懿がクーデターを起こして魏の実権を掌握したことから生まれた国だ。
一方,蜀では劉備が死亡して息子の劉禅が新たな国王となり,諸葛亮の意志を継ぐ俊英・姜維が漢王朝復興を目指す。呉は孫権が力を蓄え,三国統一を狙う……と,三国志の物語の中でもかなり後半の情勢が描かれることになる。
曹操,劉備という巨星が墜ちたのちの「無双Z」世界がどのような歴史を刻むのか,それを決めていくのはプレイヤー全員なのだ。
「武器2本持ち」と「ブレイクチャージ」が戦場を大きく変える!
「無双Z」ではプレイヤー武将が2本の武器を持って戦場へ出られるようになる。
武器2本持ち自体は家庭用機版の「真・三國無双6」から導入されたシステムだが,「無双Z」は,ここからさらに進化した内容となっているのだ。
本作の武器にはさまざまな特徴があるのは読者諸兄もご存じのとおり。移動は遅いが攻撃力の高い「戦斧」や,その逆となる「多節鞭」など,どの武器を選ぶかが戦闘のポイントだったが,「無双Z」からは2本の武器を所持し,切り替えていけるようになるのだ。
例えば,移動時は「多節鞭」で足の速さを活かし,拠点に着いたら「戦斧」に切り替え,高い攻撃力で攻略を有利に進める……といった二つの武器の長所を活かした戦いができるわけだ。
二つの武器を切り替えれば別々のアクションが楽しめる。前述したような戦術的な使い方でなくても,単純に戦いに変化を付けたいといった動機でもOKだ。「鉄剣」と「鉄剣」のように同種の武器を二つ持つこともでき,チャージ攻撃を変化させる「刻印」と組み合わせれば,同種の武器どうしでも戦いのバリエーションが広がる。初心者から上級者まで,幅広い層にメリットがあるシステムなのだ。
武器の切り替えには「無双ゲージ」が少量消費され,切り替え先の武器による特殊攻撃「ブレイクチャージ」が発動する。懐から抜いたもう1本の武器を振り回すというイメージで,家庭用機版の「ヴァリアブル攻撃」に近いが,大きく違う部分もある。とくに面白いと感じられたのが,「ブレイクチャージ」と「無双ゲージ」にまつわる駆け引きと,さまざまな状況下で「ブレイクチャージ」が発動できるという点だ。
通常攻撃やチャージ攻撃を「ブレイクチャージ」でキャンセルすれば,多彩なコンボを決めることが可能だ。それだけではなく,「ブレイクチャージ」は「無双ゲージ」が続く限り「ブレイクチャージ」でキャンセルすることが可能。これを「ブレイクラッシュ」といい,これを行うことで最大5回分まで威力がアップしていく。
通常攻撃の締めに「ブレイクチャージ」をかけ,さらに「ブレイクラッシュ」をどんどん仕掛けていけば,ヒット数も威力も上昇していく。「ブレイクチャージ」は,基本的に発動が速いうえに広い範囲をカバーできる攻撃が揃っているようだ。実際,テストプレイでも通常攻撃からの「ブレイクチャージ」「ブレイクラッシュ」で,ヒット数が多く高威力のコンボを決めることができた。極端な話,「無双ゲージ」さえあれば,「ブレイクチャージ」を連打するだけで達人気分に浸ることができるのだ。
武器の組み合わせによっては,通常攻撃→チャージ2→ジャンプ→空中「ブレイクチャージ」といった連続技も可能となるようだ。空中で連続して「ブレイクチャージ」を出せば,「ブレイクラッシュ」の段階がどんどん上がっていくので,急降下する「ブレイクチャージ」を持つ武器と組み合わせることで,最高段階の「ブレイクチャージ」で地上を急襲するような使い方も(一応は)可能な模様。後者の実用性は低いようだが,もしかするとチームプレイや魅せプレイで役に立つかもしれない。このようにコンボの自由度も大きく広がっており,今後,達人達によるコンボの開発が楽しみに思えた。
前述したような「ブレイクチャージ」からの逆襲がヒットしたことを確認してから「ブレイクチャージ」でキャンセル,「ブレイクラッシュ」の威力増加で大ダメージを与える……というテクニカルな戦いも夢ではないが,ここで注意したいポイントが2点ある。
- 「ブレイクチャージ」には「無双ゲージ」が必要であること
- 「ブレイクチャージ」には無敵時間がないこと
「無双ゲージ」が足りないと武器の交換ができなくなり,「ブレイクチャージ」を出すと,再び「無双ゲージ」が溜まるまで「無双乱舞」が出せなくなってしまう。つまり,「ブレイクチャージ」を使うことは「無双乱舞」による緊急回避を捨てることと同義なのだ。
CPU武将ならともかく,プレイヤー武将との戦いの場合,「無双ゲージ」にまつわる駆け引きはかなり奥深くなりそうな印象を受けた。例えば,相手にわざと「ブレイクチャージ」を出させ「無双乱舞」を不可能にさせてから畳み込むなど,近代の格闘ゲームに近いゲージ管理や駆け引きが必要となるようで,今後の対戦シーンを大きく盛り上げてくれる要素になりそうだ。
武器強化がさらに奥深く! 「究極強化」と武器の夢の組み合わせが可能に
武器2本持ちシステムが実装されることで,「仙箪強化システム」もさらに奥深くなる。
「仙箪強化システム」は「真・三國無双 Online」シリーズの独自要素で,敵兵を倒すと出現する「仙箪」を使い,「体力」や「防御力」「無双ゲージ」のアップなど,さまざまな強化を行っていく。
“「仙箪」を何個取ると,どの項目を強化できるか”は基本的に武器の種類ごとに固定されている。例えば,同じ「体力」でも「偃月刀」であれば「仙箪」一つで強化できるが,「大斧」なら6個が必要になる。つまり,武器の種類ごとに計画的なパワーアップが求められたわけだ。
「無双Z」では武器を2本持てるわけだが,片方の武器でパワーアップした内容が,武器を持ち替えても引き継がれる。例えば,「偃月刀」を装備しているときに「仙箪」一つで「体力」を強化すれば,「大斧」に持ち替えたときでも強化状態が続く。つまり,本来「仙箪」が6個必要な強化が1個で行えるわけで,武器の組み合わせによってはかなり柔軟な強化が可能となる。
少ない「仙箪」で,好みのパラメータを効率よく強化できる武器を持ち,対決時には得意武器に持ち替えるような戦術も可能となるなど,武器選択の幅が大きく広がった印象を受けた。
しかも,さまざまな効果を発揮する「究極強化」状態まで,武器を持ち替えても引き継がれる。武器の弱点を補ったり,長所を伸ばしたりと,いろいろな武器の組み合わせが考案されそうだ。
7月25日には,小型の刀を投げつける「鏢(ヒョウ)」が実装されるが,その究極強化となる「毒牙」は,相手にしばらくダメージを与え,攻撃・移動・防御力を低下させるという新たな能力である。「鏢」は攻撃範囲が広いものの,攻撃力自体は低い。しかし,「毒牙」強化後,攻撃力の高い武器に持ち替えることで,敵に大ダメージと毒状態を同時に与えることも夢ではなくなるのだ。
自分の使いやすい武器どうしを組み合わせるもよし。「仙箪強化」によるパラメータ強化の使い勝手を優先するもよし。「究極強化」のロマンを追求するもよし。戦場に出る前に考えることがかなり増えたように感じられた。
「争奪」システムでは,勢力内でのコミュニケーションが重要に
勢力が互いに戦い,都市を奪い合うのが「争奪」システムだ。これまでは,一騎当千アクションらしく,個人の成績が勝敗に大きな影響を与えていたが,「無双Z」では味方同士での連携が重要になる。
具体的には「元老」が提案した「緊急指令」を,戦闘中に達成していくことで味方がどんどん有利になっていく。「緊急指令」とはさまざまな条件を満たすことで,味方が有利になるバフ,もしくは敵を不利にするデバフがかかるというものだ。「元老」は,前述した「争奪」のランキングに名前の載っているプレイヤーと,官位を持っているプレイヤーが任命される特別な存在だ。状況に応じた「緊急指令」を提案する権限を持っている。
また,戦闘に参加しないプレイヤーも「応援」することで「緊急指令」の達成速度をアップさせていけるのだ。「応援」は「争奪」システム上でボタンを一つクリックするだけでOK。多くのプレイヤーが「応援」するほど「緊急指令」の達成速度が上がっていくため,直接戦わないプレイヤーでも「争奪」に参加できる仕組みだ。
もちろん「元老」もいつもどおりに戦いに参加でき,そうでないプレイヤーが「応援」したあとで戦場へ出ることも可能。これまでの争奪戦と同じようにプレイできるが,ちょっとした目的を与えることで,勢力内での一体感を味わえる仕掛けとなっているのだ。
スマホから「真・三國無双 Online Z」の世界へ
新しくスマートフォンなどとの連動も始まる。これからは,Webページを通じて,家の外からスマートフォンやPCで「無双Z」の世界へアクセスすることが可能となるのだ。ゲーム本編が遊べるわけではないが,「My庭園」に水やりをしたり,「仲買」でアイテムを取引したりすることができる。また,スマートフォンやPCから「無双盤」に印を押してもらえるのは,プレイヤーとしては嬉しいサービスだろう。
このほか,「三択無双」というミニゲームでアイテムをもらえたり,将来的にはWebページでの限定販売なども予定されているとのことだ。
このWebページは利用料無料。インストール型のアプリではなく,あくまでWebブラウザベースのものなので,Android,iPhoneなど機種を問わず動作が可能だ。Webページなのでスマートフォンでなくてもアクセスでき,家に帰れない場合,職場のPCからブラウザを使って「無双盤」に印だけ押してもらうようなこともできるが,こちらは自己責任でお願いしたい。
「無双Z」世界の激変をざっと見てきたが,いかがだっただろうか。グラフィックスの一新とあいまって,ほとんど新作といってもよいような大規模なリニューアルとなっている。
とくに武器の2本化でゲームシステムは劇的に変わり,「ブレイクチャージ」「仙箪強化システム」で武器の組み合わせが重要になり,対戦時の駆け引きもさらに奥深くなる。「争奪」システムの変更により,勢力の一体感がアップするなど,プレイがさらに楽しくなりそうな印象を受けた。
これまで「真・三國無双 Online」を遊んできたプレイヤーには,やり応え十分な内容といえるだろう。また,これまで本作を遊んでいなかった人にも参入するよい機会となりそうだ。
「真・三國無双 Online」公式サイト
- 関連タイトル:
真・三國無双 Online Z
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(c)2006-2013 コーエーテクモゲームス / Published by CJ Internet Japan Corp.
(c)2006-2013 コーエーテクモゲームス / Published by コーエーテクモゲームス
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