旧特集
コーエー&11upが語る「真・三國無双BB」のプレイスタイル
本作では課金方式として,月額基本料金+プレイ課金の“ハイブリッド課金”が採用されることが先日明らかになった。そこで今回,4Gamerでは本作のプロデューサーである松原健二氏とディレクターの藤重和博氏,さらにELEVEN-UPの栗原 哲氏から,ハイブリッド課金を採用した意図や,RMT対策,そして東京ゲームショウ2006にて配布される無料体験版の内容について話を聞いた。
■幅広い層がカジュアルに楽しめる課金方式を考えた
4Gamer:
ついに課金方式が発表となりました。月額課金+従量課金の“ハイブリッド課金”とのことですが,詳しく教えていただけますか?
栗原氏:
月額基本料金と戦闘参加料金という形です。
4Gamer:
それは珍しいですね。戦闘に参加すればするほど,お金がかかると?
栗原氏:
戦闘に参加するには,「無双軍檄」(むそうぐんげき)という出撃するための許可証のようなものが必要なんです。月額固定料金に対して,いくつかの無双軍檄を付与する形になっていますので,月額固定料金だけでもある程度は遊べます。この月額固定料金は,ある程度の幅を持たせる予定です。
4Gamer:
アーケードゲームみたいな感じですかね。人によってはとんでもない額になってしまったりとか……?
栗原氏:
そんなに高くはならないですよ(笑)。月額固定料金はお求め安い価格にする予定ですし,戦闘以外の……例えばロビーで仲間達とまったり喋ったりする分には,月額固定料金のみで楽しめます。
なるほど。では,具体的な金額は?
松原氏:
未定ですが,できるだけ健全な形にしていきたいというのがあるんですよ。「真・三國無双BB」に関しては,幅広い層の方々がカジュアルに遊んでくれるタイトルにしていきたいと考えていますので。
4Gamer:
いわゆるMMO廃人みたいなのを生み出さないように,ということですか?
松原氏:
たくさん遊んで楽しんでいただくのは嬉しいのですが,アクションゲームなのでずっと遊びっぱなしということにはならないんじゃないかな,と。日々の生活を保ったうえで,末永く遊んでいただきたいんです。
4Gamer:
アクションゲームを連続して遊んでいると,目や指が疲れますもんね。24時間ずっと……というのは,いくら根性があってもきついかもしれません。判断力が鈍ったりすれば,戦闘で苦戦するでしょうし。
松原氏:
ええ,そういうこともあって,どれぐらいの人達が,どれぐらい戦闘に参加するのかというのを,プレオープンサービスなどを通じて見極めていきつつ,金額を決定するつもりです。
4Gamer:
そのためのプレオープンサービスでもあるんですね。
松原氏:
ええ。コーエーにとって,オンラインゲームで従量課金というのは初めての試みですから,ここは慎重に。
4Gamer:
ところで,月額固定料金の支払いや無双軍檄の購入には,どんな決済手段が用意されているんでしょうか。
栗原氏:
クレジットカードとISP決済,それとWebMoneyです。
松原氏:
幅広い層に遊んでいただくために,決済手段も複数用意しています。
無双軍檄を一つ消費することで,何分ぐらい遊べるようなデザインなんですか?
藤重氏:
テクニカルテストでは,一回の戦闘は20分制限だったんですが,少し長いかなという部分もあったので,10〜15分ぐらいで調整しています。
松原氏:
20分でも勝負がつかないことが多かったんですよね。勝負がつかなくても15分ぐらいで終わるほうがいいかな,と。それよりも,勝負がつきやすいバランスを狙いたいと思っています。
藤重氏:
そういう意味でも,12分ぐらいが一番いいバランスかな,と考えています。
4Gamer:
無双軍檄が一つあれば,12分ぐらいは遊べるよ,と。
藤重氏:
ただ,「特務」(クエストのこと)の中には5分程度で終わるようなものもあります。もちろん,もっと長いものも用意しますが。
4Gamer:
さすがに全部5分で終わってしまったら,特務に挑戦しようという人がいなくなりかねないですよね(笑)。ところで,こういう課金方式だと,意図的なものだろうと事故だろうと,回線切断時にどうなってしまうのかが気がかりなのですが。
松原氏:
もちろん,そのあたりはいろいろと対応策を考えていますよ。まだ詳しくお話しすることはできませんが。
4Gamer:
お,回線切断に対応済みなんですね。せめて,ヒントだけでも教えてもらえませんか?
松原氏:
そうですねぇ……。無双軍檄を返すということではないんですが,無双ならではの雰囲気を感じてもらえるような形で,何かを。
4Gamer:
その何かが気になるのですが……。
松原氏:
それは,また後日,別の機会でお願いします(笑)。
そうですか……。では,あれこれ想像しておきます。
ところで,インターネットカフェでの展開などは?
松原氏:
もちろん,考えていますよ。Yahoo! BBを使っていない人にも,触れていただける機会は用意したいですし。
4Gamer:
となるとやはり,気になるのは課金方式なんですが……。
松原氏:
これも未定なんですが,ワンプレイあたりの課金を考えています。
4Gamer:
やっぱりアーケードゲーム的な感じですね。実際にアーケード展開はないんですか?
藤重氏:
やりたいですねぇ。基本的に,あの場にマッチするタイトルだと思いますし。ただ,料金をどうやって支払っていただくかというところが……。
4Gamer:
クリアすべき課題は山積みといったところでしょうか。
松原氏:
当面は,ご家庭やネットカフェで遊んでいただく形で,そちらのサービスに注力していきます。
4Gamer:
そういえば,ネットカフェでプレイしていた人が,Yahoo! BBに加入して家でも遊ぼうとなったとき,キャラクターデータは持って行けるんですか?
栗原氏:
そのためのシステムも,用意してあります。今回は,ネットカフェでも快適にプレイできる環境を作ることにも注力しました。
4Gamer:
お,それは安心ですね。
■プレイヤースキル重視のデザインで,RMTを抑止
4Gamer:
ところでこの作品,“強い武器=強いキャラクター”だとしたらゲームが成立しないでしょうし,一見するとあまりRMTに向いていない(?)作品のように思えます。ほかの対策などは,打ってありますか?
松原氏:
一応,いくつかの対策は考えていますが,おっしゃるように,RMTが活発になるタイプのゲームではないと思っています。
藤重氏:
強いアイテムを持っていることよりも,プレイヤースキルそのものを重視するバランスなんですよ。
4Gamer:
アクションゲームですしね。
松原氏:
ええ,あくまでアクションゲームであるというデザインになっています。
4Gamer:
でもアクションゲームなら,“強い武器”の効果は大きいようにも思えるのですが。
藤重氏:
もちろん,効果がないわけではないですよ。ただ,武器自体が最初から強かったりするのではなくて,武器によってレベルアップさせるときの上限が違うんです。
4Gamer:
最終的な強さで,差がつくわけですね。
藤重氏:
ある程度の期間プレイしていれば,新しい武器を手に入れたりすることも多くなると思うんですが,それまでの間にプレイヤースキル自体も伸びていきますよね。
松原氏:
むしろ,プレイヤースキルで競っていただけるようなバランスにしたいんですよ。います(笑)。
では,最初から強い武器を持っていたからといって……。
松原氏:
プレイヤースキルが低ければ,あんまり意味がないという。
4Gamer:
なるほど。でも,やっぱり楽をして強い武器を手に入れたいって人も出てくるんじゃないでしょうか。
藤重氏:
実は,装備している武器のレベルを参考にして,マッチングするような形を考えているんです。
4Gamer:
というと?
藤重氏:
持っている武器によって,初級,中級,上級みたいなクラスを分けようと検討しているんです。
松原氏:
最初は,初期の装備しかないわけですから,皆さんが初級です。そこでずっと戦っているうちに,新しい武器が手に入ったら,それを持って上のクラスに挑戦してもらうような。
4Gamer:
例えば,初心者がRMTでいきなり強い武器を手に入れても,強い武器を持っていてしかも長いこと遊んでいる人としか戦えないような状態になっちゃうわけですね。
松原氏:
そういうことになりますね。それ以外にも,ゲームを始めたばかりの人が,いきなり強い武器をそのまま使えないような仕組みも考えています。
4Gamer:
基本は,強くなりたかったら鍛錬を! っていうノリですよね。非常に無双っぽいと思います。
■「東京ゲームショウ2006」で体験版を配布
4Gamer:
「東京ゲームショウ2006」(以下,TGS 2006)では,体験版を配るんですよね。
松原氏:
この体験版はですね,Yahoo! BBやSoftBankブロードバンドサービス以外の回線からでも無料で遊べるんです。
4Gamer:
ですよね。どれくらいの期間,遊べるんですか?
藤重氏:
9月23日から3か月間程度,体験版専用サーバーを設置する予定です。
4Gamer:
……え? じゃあプレオープンサービスより前に,体験版では遊べてしまうんですか?
松原氏:
そうなんです。ただ,体験版はいくつか制限がありまして,例えば対戦では通常4対4のところが2対2……つまり4人までしか参加できません。
4Gamer:
通常の半分だけってことですか。
松原氏:
まあ,それでも雰囲気は分かってもらえるんじゃないかなと。
4Gamer:
確か,一定回数しか遊べないんですよね。
松原氏:
ええ。その回数を遊び終わったら……Yahoo! BBに入るか,ネットカフェに行ってください,ということですね。
4Gamer:
それ以外,体験版にかかる機能制限にはどんなものがあるのでしょうか。
藤重氏:
マップやサウンドに関しては,相当絞り込んで収録します。
松原氏:
それでも,「真・三國無双BB」というゲームの世界観を損なうことはないよう,入れるものは入れてますよ。
4Gamer:
体験版で作成したキャラクターを,プレオープンサービスなり正式サービスなりに引き継ぐことは……できませんよね?
藤重氏:
はい,それはさすがに……。あくまで“体験版”ですので。
4Gamer:
なるほど……。TGS 2006以外での配布や,ダウンロードサービスなどは行わないんですか?
松原氏:
何かのプレゼントみたいな形は考えていますが,体験版のダウンロードは予定していません。
4Gamer:
ではやはり,体験版を手に入れるために,TGS 2006に足を運ぼう! ということですね。
栗原氏:
ELEVEN-UPブースとコーエーブースで,それぞれ試遊機を用意しています。ここで遊んでいただいた人に,体験版をお渡しする予定ですので,とにかく幕張メッセに来ていただきたいな……という。
松原氏:
体験版には,気合いの入ったオープニングムービーも入っています。会場でもオープニングムービーは上映しますが,これを見て気に入った人は,ぜひ体験版を持って帰ってください。
4Gamer:
では,楽しみにしていますね。
本日はありがとうございました。
以上のように,今回は三つのポイントに絞って話を聞いてみたのだが,これまでのプレスリリースでは不明だった部分が,だいぶすっきりしたように思う。
とはいえ,一番気になる具体的なプレイ料金(金額)については,未定の様子。今回聞いた話によると,プレオープンサービスでのプレイヤーの動向を見つつ,設定したいというので,発表はまだしばらく先になりそうだ。
そんな中で,朗報ともいえるのがTGS 2006における無料体験版の配布だろう。すでにリリースされているとおり,どのISPからでも遊べるというのは,本作の出来次第ではYahoo! BBへの加入も検討しようと思っている人にとって,見逃せないチャンスだ。
本作を楽しみにしている人は,事前に公式サイトの情報をチェックしつつ,この週末,TGS 2006のコーエーブースやELEVEN-UPブースに足を運んでみよう。(Text by TeT / Photo by kiki)
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