CeBIT 2009で発表されたZ Drive
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OCZ Technology Group(以下,OCZ)の
「Z Drive」を憶えているだろうか? これは,PCI Expres x8接続の拡張カード型SSDで,2009年3月のCeBIT 2009において同社から発表された製品だ。読み出し速度最大600MB/s,書き込み速度最大500MB/s,そして容量は最大1TBを実現するとされながら,その後音沙汰がなく,気がついてみれば,同コンセプトの製品が他社から登場してしまっていた。
OCZのプライベートに展示されていた歴代SSD製品。Z Driveの姿はなかった
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COMPUTEX TAIPEI 2009会場近くのホテルでプライベートブースを展開していた同社に,Z Driveがどうなったのかを聞いてみたところ,返ってきたのは「キャンセルされた」との答え。同社でアジア太平洋地域のマーケティングマネージャーを務めるTomasz Swatowski氏いわく,「その大きさのため,ケーブルマネジメントが難しくなる問題,そして何より,SLIなどを構築したいゲーマーが,2枚めのカードを取り付けられないという問題を重視して,製品化を取りやめた」とのことだ。
※2009年6月8日追記:
OCZから「取材時,『Z Driveはキャンセルした』と述べたが,正しくは「『優先度の変更により,Z Driveの製品化はいったん棚上げすることになった』だった」と訂正の連絡がありました。本文は初出時のまま残してありますが,微妙にニュアンスが変わっているので,注意してください。
「その代わり」(Swatowski氏)に,SSDの容量を重視するユーザーに向けた新製品として展開されるのが,「Colossus」(コロッサス)である。
巨大な彫像の名を冠したColossus。ヘアライン加工されたアルミケースに収まっている。3.5インチHDDとほぼ同じサイズなので当たり前だが,2.5インチSSD(写真左側)と比べると相当大きい
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側面にはネジ穴が用意されており,3.5インチHDDと同じように,3.5インチベイへ取り付ける仕様だ
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Colossusは,INDILINX製のコントローラを採用した容量512GB(もしくは256GB)のMLC SSDを,JMicron製のRAIDコントローラを使ってRAID 0アレイとして構築し,3.5インチHDD風のアルミケースに詰め込んだという製品。接続インタフェースはSerial ATA 2.0(以下,SATA 2.0)で,公称の読み出し,書き込み速度はともに265MB/sとなっている。
「パフォーマンスは『Vertex』と同程度なので,帯域幅はSATA 2.0で十分だ。最速のパフォーマンスを得たい人向けではなく,SSDで大容量を訴求したい人向けに,十分に高速な転送速度の選択肢を用意した」結果が,今回のColossusであると,Swatowski氏は位置づけていた。
動作デモ中のColossus(左)と,それに対して「CrystalDiskInfo」(Version 2.5.2)を実行した結果(右)。JMicron製コントローラを利用したRAID 0アレイであると認識されている。いや,ここまで書いてきて,「これ,ゲーマー向けのネタか?」という疑問も湧いてきたのだが,Z Driveで“乗りかかった船”ということで
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登場時期は,今度こそ(?)2009年7月半ばが予定されているものの,価格は未定。価格が未定なのは,フラッシュメモリチップの価格や,コントローラの価格によって,製品価格が大きく左右されるため,事前に価格を想定できないためだそうだが,「おそらく,2000ドルは超えてくるだろう」(Swatowski氏)。
同じCeBIT組でも,ゲーマー向けのワイヤードキーボードで,コマンドと表面イラストの両方をカスタマイズ可能な9個のOLEDキーを持つ「Sabre」は,製品化に向けて順調だ。世界市場では2009年7月に200ドル前後で発売予定。Swatowski氏は,「コストの都合で日本語キーボードは作れないため,日本市場へ投入する予定はない」と言っていたが,「英語キーでもかまわない」と伝えたところ乗り気になっていたので,ひょっとするとひょっとするかも
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