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「スカッとゴルフ パンヤ」,歴代GMによる座談会の模様とミニインタビューをお届け
8月9日に掲載した記事でお伝えしたように,11月10日のサービス終了が発表されているパンヤ。2004年11月11日の正式サービス以来,13年の歴史に幕を下ろすことになる。
Web番組には,パンヤのGMを務めたアフロ氏,(くち)なすびぃ氏,(かさ)サラミ氏,そしてokome氏が集結し,当時の思い出を語り合った。
「スカッとゴルフ パンヤ」公式サイト
それを象徴するのが,正式サービス直前に料金形態が変更されたときのエピソードだ。当初,パンヤは月額500円+アイテム課金が予定されていた。しかし,月額課金にはユーザーの反対の声が多く,βテスト中にこの情報が公開されたとたん,クレームが殺到したうえ,同時接続数が減少した。
これを重視したGMOゲームポットは,急遽月額制を撤回し,基本プレイ料金無料+アイテム課金に変更した。期待をかけているタイトルの料金形態を正式サービス開始直前に変えるというのは,かなり重い判断になるが,変更を決めるまでに要した時間はわずか3日ほどだったそうで,フットワークは非常に軽かった。
そんなパンヤのアイテム課金で特徴的なのが,ガチャのハシリとも言える「ガチャッとポンタ」だ。(くち)なすびぃ氏がパンヤでGMをやっていた当時,レアアイテムの出現率は7%。4キャラクターを合わせれば28%だったという。これは,かなり高い確率だと思われるが,当時は「プレイヤーの課金額を上げないようにしよう」((くち)なすびぃ氏)というコンセプトで運営が行われていたという。
GMもプライベートアカウントで自腹の課金をしていたが,(かさ)サラミ氏は「1万円が上限という感覚だった」と話す。
そんな状況だったので,スタッフ同士がパンツについて熱く語り合うことも珍しくなく,ゲームポット(当時)に入社したばかりだった(かさ)サラミ氏は,そんな光景を見て,「2時間もパンツの話をしているのは,サボっているに違いない。どう注意すればいいのだろうか」と上司に相談したそうだ。
(かさ)サラミ氏の悩みが感じられる逸話だが,この誤解はすぐに氷解し,やがて「あれは重要な仕事だ」と理解するようになった。ちなみに,「運営からの告知を行う際には,必ずパンチラのスクリーンショットを入れるように」という社長からの指示もあったという。
キャラクター制作に関する秘話も明かされた。可愛い顔して毒舌なピピンだが,これはミスによるものだという。ローカライズ作業の中でピピンとドルフのセリフが入れ替わり,本来ドルフが言うはずの毒舌がピピンのものとして実装されてしまったのだ。しかし,「面白いからこのままでいこう」という判断が下り,ピピン=毒舌キャラとなったのだと(くち)なすびぃ氏は言った。
番組では,サービス終了直前のイベントの告知も行われた。それによると,11月9日21:00から歴代GMが参加するGM大会が行われるとのこと。誰が出演するかは現在交渉中で,続報を待ってほしいとのこと。
今後のイベント情報!過去GM大集結!?GM大会開催っ! |
パンヤのサービスは,戦友達と共に過ごす青春時代だった。歴代GMインタビュー
4Gamer:
生放送お疲れ様でした。まずは,ゲームポットでの思い出を教えてください。
okome氏:
楽しかったのは,仲間が沢山できたこと,そして生放送に携われたことです。僕の人生を作ってくれたコンテンツがパンヤですね。
ゲーム業界に携わるのも初めてでしたし,役員の人達は我々アルバイトとは別の仕事をしていたので,ノウハウがない中で進めなければならなかった。仕事はやりながら覚える,気合で乗り切るという感じでした。
(くち)なすびぃ氏:
入社半年でパンヤを任せてもらえたのが,いい経験になりました。プレイヤーの反応がダイレクトに分かることが,一番楽しかった。自分達の仕事でほかの人が喜んでくれるという,運営の楽しさを実感しました。スタッフみんなが戦友という感じでしたし,好きで働いていました。今はみんな,バラバラの会社に勤めていますが,月に1度はOB会をするほど仲がいいです。
(かさ)サラミ氏:
社会人としての青春時代でしたね。当時のゲームポットは,スタッフをディズニーランドのキャストのように考えていました。GMというと裏方的なイメージがありますが,パンヤのGMはプレイヤーと交流していましたし。
私は,ゲーム運営とは国を治めていくようなものじゃないかと思っていました。初心者からベテランまでいろいろな人がいて,みんなが満足する制度を作っていかなければならない。それもまたゲームのようで,そこが楽しかったですね。
アフロ氏:
プレイヤーを楽しませることを考えていたからこそ,オフラインイベントや生放送という取り組みを早くから行えましたし,役員との距離感も近かったですね。喫煙所で盛り上がった冗談が,そのままゲームの施策になるような速度感がありました。
4Gamer:
オンラインゲーム黎明期の熱気が感じられますね。
okome氏:
イベントや生放送でプレイヤーの皆さんと会えるのが楽しかったですね。差し入れを持ってきてくれたり。
(くち)なすびぃ氏:
遊びと仕事の境界が曖昧でした。自分達が楽しいことを仕事でもやろう,という考え方がベースにあったと思います。
(かさ)サラミ氏:
「とりあえずやってみて,失敗して怒られたら,そこでまた考えよう」という感じでした。
アフロ氏:
動物園に氷を差し入れしたこともありましたね。
(かさ)サラミ氏:
上野動物園のニホンザルとホッキョクグマに,ポンタを描いた氷をプレゼントしたんです。ただ,外気に触れた瞬間に氷が真っ白になってポンタが見えなくなり,しかもホッキョクグマが一撃で氷を倒してしまいました。
okome氏:
冷静に考えれば,氷に描いたポンタが割られる時点でダメじゃないかと(笑)。
(かさ)サラミ氏:
本当は全国紙掲載を狙っていたんですけど,時期も良くなかったですね。
4Gamer:
反響が大きかった企画は,なんですか。
(かさ)サラミ氏:
声優さんの声で喋る,「ボイスクラブセット」ですね。ゲームのボイスを課金ビジネスに関連づける試みのハシリだと思います。初音ミクと初めてコラボしたオンラインゲームはパンヤですし,芸能人とのコラボや,e-Sports的な取り組みも早かったと思います。
(くち)なすびぃ氏:
当時のゲームポットは。運営に特化していましたからね。だからこそ,Webコンテンツを充実させたり,凝ったエイプリルフール企画をやったり,いろいろなことができました。
4Gamer:
放送でも話がありましたが,基本無料+アイテム課金のモデルや,ガチャなども早い段階から取り組んでいましたよね。では,11月9日の終了直前イベントについてコメントをもらえますか。
アフロ氏:
いろいろなオンラインゲームがある中,パンヤは多くの人に楽しんでもらえました。最後の瞬間まで新規登録を受け付けていますので,ぜひプレイしてください。
okome氏:
イベントでは,感謝の気持ちを一打一打に込めたいと思います。
(くち)なすびぃ氏:
GMOゲームポットを出て,今は一番運営に近いファンとしてイベントの発起人となりました。最後はみんなで笑って終われるようにと考えています。この記事を読んだ人は,友達を3人連れてきてください
(かさ)サラミ氏:
PCがない人はネカフェから参加してください。思い出を残しに来てください。
4Gamer:
本日はどうもありがとうございました。
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