インタビュー
ジャパンカップ開催直前!「パンヤ」トッププレイヤーに,大会への意気込みと上達のコツを聞く
また,ジャパンカップ終了直後には,同会場で「パンヤジャパンカップ 2007 グランプリ」も実施される。こちらは,第3回の優勝/準優勝者に,これまでに行われてきたパンヤ大会のチャンピオンらを加えた7名が激突するというもの。会場の規模なども含め,国内最大規模のオンラインゲーム大会となっている。
そこで4Gamerでは,パンヤジャパンカップ運営チームの谷口禎啓氏,第3回 パンヤジャパンカップにシード選手として出場するNatural_IX選手,そしてパンヤジャパンカップ 2007 グランプリに出場するがん太選手(「パンヤジャパンカップ 2005」優勝,「第2回 パンヤジャパンカップ」準優勝)から,両大会の見どころと意気込み,そしてパンヤ上達の秘訣などを語ってもらった。
今週末にパシフィコ横浜へ足を運ぶ人や,どうにもパンヤがうまくならない……と悩んでいる人は,必読だ。
「国際基準ルール」を導入。プレイヤーの真の実力が試される
今日はよろしくお願いします。
さて,12月16日に「スカッとゴルフ パンヤ」の大きな大会が,二つ開催されるわけですが,今回はこれまでとルールが異なるそうですね。
谷口氏:
ええ。今度の二つの大会は「国際基準ルール」で行います。詳しくは公式サイトの大会スケジュールのところで確認していただきたいのですが,強力なアイテムの使用に制限を設けるなどして,プレイヤー達が公平な状態で戦えるようになっています。
4Gamer:
例えば,「忘却の花」(失敗したショットをやり直す)や,「サイレントウィンド」(無風状態にする)が使えなくなるんですか?
谷口氏:
そうですね。あれは強力すぎますから。
出場選手には,ランクが「マスターA」に設定された専用アカウントとアイテム,それからPPをセットにして提供します。その範囲の中でのみ,自由なチューンが行えるという形です。
がん太選手:
これまでの大会では,キャラクターのランクによってコントロールなどのパラメータに差があったりして,不公平に感じていた部分があるんです。国際基準ルールは,出場者全員が同じ土俵で戦えるのが魅力だと思います。
4Gamer:
純粋にプレイヤースキルと戦略で勝負ができるというわけですね。
それでは,「第3回 パンヤジャパンカップ」決勝大会のコースを教えていただけますか?
谷口氏:
決勝大会では,「ブルーウォーター」(以下,BW)と「ディープインフェルノ」(以下,DI)の2コースを採用し,合計スコアを競い合う方式となります。BWは全体的にかなり癖のあるコースで,アプローチ時に木や山が邪魔になることが多いぶん,高い技術が要求されます。一方DIは,とにかく飛距離が必要で,しかも障害物が多いという高難度コースとなっています。
つまり競技性を重視するうえで,この二つを選んだということですね。
BWの見どころは,どこにあるのでしょうか。
谷口氏:
まず第10ホールですが,中央に大きな山があるため,これをどのように回避するかがポイントとなります。上級者の多くは,この山をトマホークショットで飛び越えるのですが,“超”上級者の場合は山にボールをぶつけて1オンやホールインワンを狙うこともありますので,そういった展開に期待したいですね。
話は前後しますが,第6ホールにもやたらと高い山がそびえ立っています。これももしかすると,スパイクショットで飛び越してのホールインワンを狙えるかもしれません。
がん太選手:
飛距離が長すぎるクラブで打つと,山に当たってしまうんですよ。DI向けに飛距離重視のチューンを行ったキャラクターだと,このホールでつまづいてしまうかもしれません。
谷口氏:
第12ホールも見応えがあると思います。ここはパー5のロングホールなのですが,通常では考えられないくらいのパワーがあれば,ホールインワンを狙えるかもしれません。
ロングホールでのホールインワンを決めると,成績はもちろん,ほかのプレイヤーにも相当なプレッシャーを与えられそうですね。
では続いて,第2試合のDIについても聞かせてください。
谷口氏:
DIで注目したいのは6ホールです。ここはショートホールなので,積極的にホールインワンを狙っていきたいところですが,途中に巨大な鎌の障害物があるため,真っすぐに狙うとこれにぶつかってしまいます。弾道の高いショットをフルパワーで打って,ぎりぎり届くかなといったところです。
がん太選手:
自分なら,3番ウッド+トマホークショットで攻めますね。1番ウッドの弾道だと鎌に当たってしまうので,かなりシビアなコースだと思います。
4Gamer:
がん太選手とNatural_IX選手は,DIについてどのような印象を持っていますか?
がん太選手:
これまで大会では選ばれていなかったコースなので,そろそろかな? と思って密かに練習していました。自分は飛距離よりも安定感を重視したチューンなので少々キツいんですが。
ただ,第3回ジャパンカップの決勝大会に自分は出ないので,少しホッとしています(笑)。
Natural_IX選手:
かなり厳しいコースなんですよね。苦手意識もあって,実はあんまりプレイしてこなかったんですよ。でも,当日に向けてこれから集中的に練習しようと思っています。自分が使っているキャラクターのカズは,コントロールを重視したチューンになっているので,DIに向けた調整が必要かも知れません。
谷口氏:
ちなみに私のキャラクターもDIでは,飛距離が足りなくて届かないホールが多いんです。なので,あまりプレイしたくはありません(笑)。
4Gamer:
DIが導入されたのは2006年の12月と,比較的新しいですよね。ホールごとの定石などは,プレイヤー間で確立しているものなのでしょうか?
がん太選手:
そうでもないですね,やっぱり難しくて敬遠している人も多いみたいで。そういった意味でも,決勝大会の出場選手がどんなテクニックを披露してくれるのか,楽しみにしています。今回の結果次第で,セオリーも出来上がるかもしれません。
谷口氏:
DIは,グリーンの芝目が凄く複雑で難しいんですよ。例えばパンヤショットをミスしてアプローチ時にカップから外れてしまうと,なかなかフォローしにくいんです。ですから,試合中の順位変動が頻繁に起きる可能性もありますね。
4Gamer:
これまでうかがった以外に,DIでポイントになりそうなホールはありますか?
Natural_IX選手:
あえて言うなら第9ホールでしょうか。ここはコブラショットで山にぶつけることで,うまくショートカットを狙えるんですよ。
がん太選手:
へぇ,あのホールでコブラ使うんだ? ちょっと凄いかも。
谷口氏:
……といった感じで,トッププレイヤーでも人によって個性が出るわけです(笑)。
DIは飛距離を出せるキャラクターには有利ですが,その場合はコントロールなどほかのパラメータが不足しがちになるので,決して油断はできません。また,決勝大会の第1試合と第2試合とで,キャラクターのチューンを変えてくる選手もいるかもしれないので,ここにも注目してもらいたいですね。
「ホワイトウィズ」+αの2コースでパンヤ王者が決定
第3回 パンヤジャパンカップ決勝大会の優勝者と準優勝者は,歴代のオフラインイベントで優秀な成績を収めたトッププレイヤー達が出場するグランプリに進出することになるんですよね。このグランプリでは,どのコースを使用されるのでしょうか。
谷口氏:
グランプリも決勝大会同様,2コースの合計スコアで勝者を決めます。第1試合は,ジャパンカップのブロック予選で使用した「ホワイトウィズ」(白W)で行います。決勝大会からグランプリに進む人は,一日で4コースをプレイすることになるのですが,グランプリにだけ出場する人は,事前に2コースだけ練習すればいいということになり,差が生まれてしまいます。これは致し方ない部分もあるのですが,この差を少しでも緩和するために,白Wを採用することにしたんです。
4Gamer:
なるほど。この白Wというコースについて,Natural_IXさんはどのような印象をお持ちですか?
Natural_IX選手:
実は,これもどちらかというと苦手なコースなんです。でも,練習をすれば何とかなるかな……。決勝大会を勝ち抜かないことには,このコースで試合をすることもないのですが。
4Gamer:
それでは,当日このホールで戦うことが確定しているがん太さんはいかがですか?
このホールでは,14,17,18ホールが勝敗の分かれ目になると思っています。とくに最後の2ホールは,ほかのプレイヤーの状況を見ながら,攻めるか守るかの選択を迫られるでしょうね。
4Gamer:
と,言いますと?
がん太選手:
各ホールの終了時にほかのプレイヤーのスコアをチェックできるので,その状況次第で攻め方を変えるんですよ。ライバルのスコアと各ホールの構成を見比べて,場合によっては手堅く攻めたり……といった判断をすると思います。自分の場合,普段はスピード重視で後続にプレッシャーを与える攻め方をするのですが,終盤に山場が控えている白Wだと,そのスタイルはあまり向いていないかもしれません。
谷口氏:
オフライン大会ではプレイヤースキルだけでなく,ほかのプレイヤーの状況を見ながら,どういった戦略を立てていくかも重要なんです。このあたりの心理的な駆け引きにも注目してほしいですね。
4Gamer:
各選手の気持ちを想像しながら観戦すると,一層楽しめそうですね。
ところで,グランプリの第2試合はどのコースを使うのですか?
谷口氏:
第2試合のコースは,開始直前に巨大なサイコロを振って決めようかなと(笑)。
4Gamer:
何が出るかは当日のお楽しみなんですね。となると出場者は全コースで練習しておく必要があるわけで,なかなか厳しいですねぇ。
しかも,大勢のギャラリーに囲まれての試合となると,プレッシャーもかなりのものではないですか?
がん太選手:
ええ実は毎回,かなりテンパってますよ(笑)。
4Gamer:
にも関わらず,これまで好成績を残してきていますよね。何か秘訣があるのでしょうか?
がん太選手:
あえて言うなら,ミスをするのは自分だけではないと,開き直ることでしょうか。
谷口氏:
こういう開き直りが大事なんですよ。ミスをすると,ギャラリーから失笑やため息が聞こえてくるんですが,これを気にしていては好成績は残せません。
4Gamer:
Natural_IXさんは,なんだかマイペースそうな印象を受けるのですが,緊張などしないタイプですか?
Natural_IX選手:
いや,そんなことはないですよ! 前回のパンヤジャパンカップ決勝の第1試合では,マウスショットを行う手が震えていたほどです。
4Gamer:
そんな状況で3位に入賞したとは……。
Natural_IX選手:
決勝戦の様子を映すステージカメラが(おんぷ)モカ選手とがん太選手ばかりを映していたので,途中から気楽になったんです(笑)。
トッププレイヤーに聞く,パンヤ上達のポイント
ところで,がん太さんとNatural_IXさんは,普段どれぐらいパンヤでプレイしているのですか?
がん太選手:
普段はそれほどでもないですが,大会前は集中的にプレイします。最近だと,1日に5〜6時間といったところですね。
Natural_IX選手:
私は多いときで1日に5時間前後でしょうか。
4Gamer:
やはりけっこうな時間をプレイしているんですね。
がん太さんはケン,Natural_IXさんはカズをメインに使っているようですが,その理由は?
がん太選手:
パンヤを始めたころからケンを使ってるんですが,オフライン大会に出場するようになってから,より愛着が増したんですよ。なんだか,ほかのキャラクターで良いスコアを出すと,ケンを裏切ってしまったような気分にすらなるんです。
Natural_IX選手:
私の場合,基本的に男キャラを使うことにしているだけなんです。現在メインで使っているカズの前は,マックスを使っていましたし。女性キャラを使っていると,照れくさくなってしまうんですよ。観賞用には最適なのですが(笑)。
4Gamer:
普通に使っていればいいのに,なぜか女性らしさを意識し始めてしまって,ふと我に返って恥ずかしくなることは,私もあります(笑)。
さて,お二人にお伺いしたいのですが,パンヤの腕前を上げるコツなどはありますか?
コツというわけではないですが,失敗したとき,その理由を常に追究することが重要だと思っています。失敗には必ず理由があるので,それを見つけて,同じミスを繰り返さないようにする……この積み重ねが,上達のポイントではないでしょうか。そしてもう一つ,ミスをしても動揺しないことですね。
Natural_IX選手:
うーん……,私の場合,そこまで深く考えたことはないですね。多分これが,私とがん太さんの差なのではないでしょうか(笑)。
4Gamer:
Natural_IXさんは,常に自然体でプレイしているうちにうまくなったというわけですね,きっと。
がん太選手:
僕は努力型なんですが,Natural_IXさんは天才型なんです。
4Gamer:
なるほど,そういう違いがありましたか。
とはいえ,心がけの部分などで,ほかのプレイヤーと違うものがあるのでは? と思うのですが。
Natural_IX選手:
そうですねぇ……。強いて言うなら,ボールが置かれた「傾斜」には注目してプレイしています。この角度がある程度,風力に換算できるんですよ。ただ,それが単純にはあてはまらないケースも多いので,やっぱりたくさんプレイしてきたことで,いろいろな状況に慣れているというのが大きいのかもしれません。
4Gamer:
なんだか凄く高度ですね……。
多くの人は,その域にたどり着く前に,成績が伸び悩んでしまいがちだと思うのですが,そこから脱却するポイントがあれば教えてください。
がん太選手:
チップインを取ることばかりを考えている人が多いとと思うんです。でも本当は,その1打前にどの場所に落とすかが重要なんですよ。毎回同じ場所に落とすことができれば,次のショットが楽になるわけですから,このあたりで自分なりの攻略法を作り上げていくのが大事ではないでしょうか。
4Gamer:
ああ,なるほど。私などは典型例だと思うのですが,とりあえずティーショットで遠くに飛ばすぞ! という感じの人が多いですよね。でもそれではダメなんですね。
谷口氏:
例えば3打めを打ちやすい場所にボールを落とすには,2打めが重要で,2打めを打ちやすくするためには,ティーショットが重要なんです。だからティーショットでもアイアンを使ったり,ウッドを使うにしても50%のパワーで打ったり……といった工夫が必要になるんです。
Natural_IX選手:
特殊ショットを使わない攻略法も,本当に沢山あるんです。これは,うまい人のプレイなどを見て盗んでいきながら,自分のスタイルに合ったものを身に着けていくのが近道かもしれません。
がん太選手:
それと,同じホールでもさまざまな状況が生まれるので,どんな場合でも想定の範囲内でプレイできるよう,常にていねいなプレイを心がける……というのが,上達の近道だと思いますね。
オフラインイベントで広がる,パンヤの輪
これまでお話を聞いてきて思ったのですが,お二人は普段から一緒に遊んだりしているのですか?
Natural_IX選手:
ええ,がん太さんとは共通の知人を通じて知り合ったんですけど,実はオフライン大会の常連って,けっこう仲がいいんですよ。
がん太選手:
一緒に戦った選手とは,その都度交流してますから,今では出場選手の半分ぐらいは顔なじみなんです。
4Gamer:
というと,ライバル同士の殺伐とした争い……という感じではないんですね。どちらかというと,オフ会っぽいというか。
がん太選手:
そうですね。もちろん試合で勝ちたいという気持ちもあるんですが,それよりも新しい人と話せるのを楽しみにしています。以前,僕自身がそうだったんですけど,大会に出場するために遠方から来る人もいるんです。そんなパンヤが好きで熱意がある人と接するのが,とても楽しいんですよ。だからたとえ試合で負けてしまっても,一緒に楽しい時を過ごせれば本望かな,と。
4Gamer:
オフラインで生まれた繋がりは,オンライン上にも影響するものですか?
谷口氏:
例えばオフラインイベントで優勝した人は,ゲーム内で「あの●●さんですか?」みたいな感じで,いろいろな人から声をかけられるようなんですが,私が見る限り,皆さんフレンドリーに接してくれているようですね。もちろん私達GMも,ユーザーとの距離感はすごく大切にしています。
がん太選手:
実は僕が初めてプレイしたオンラインゲームがパンヤで,最初のうちはチャットでも指一本でタイピングしていたんです。だから,今でも初心者の気持ちはよく分かりますし,誰が声をかけてきても明るく対応するように心がけています。大会がないときなら,3ホールぐらいはお付き合いしますので,ぜひ気軽に声をかけてほしいですね。
4Gamer:
こういった平和な交流ができるのも,パンヤというゲームの魅力かもしれませんね。
さて,ここでパンヤのプロデューサーである前田有希さんと,GMの(わいん)ぜりーさんからも,今回のイベントについて一言ずつコメントをお願いします。
前田氏:
来場される皆さんには,トッププレイヤー達の試合を直接見て,自分自身のプレイに役立ててほしいですね。それと,せっかくのオフライン大会ですから,周囲にいるのはかなりの確率でパンヤ仲間だと思うんです。そういう場面はなかなかないと思うので,これを機会に輪を広げていってもらいたいと思っています。
(わいん)ぜりー氏:
パンヤでは,これまでも頻繁にオフラインイベントを行ってきましたし,今後もどんどん増やしていく予定です。ですから,今度のイベントに参加して終わり……というのではなく,次のイベントにも参加しようとか,次の大会には出場しようとか,そういうモチベーションを高めてもらえると嬉しいです。
また今度の大会では,試合の実況/解説を私が担当する予定です。選手それぞれのテクニックや,意図していることなどをできるだけフォローするつもりです。ストリーミングでの放送も予定していますので,会場に来られない方も楽しみにしていてください。
4Gamer:
それでは最後に,選手のお二人から4Gamer読者へメッセージをお願いします。
がん太選手:
今回のイベントを,パンヤプレイヤーみんなのお祭りとして楽しみましょう。
Natural_IX選手:
当日は,ぜひ会場に来場して応援しにきて下さい。パシフィコ横浜でお会いしましょう。
4Gamer:
12月16日が楽しみになってきました。
今日はありがとうございました。
インタビューの終了後,ゲームポットの谷口氏,前田氏,(わいん)ぜりー氏の3名に,今回のグランプリを予想してもらった。詳しくは下記の写真を見ていただきたいが,予想している最中に谷口氏が,「自分が選手として出場していたら100%優勝するに決まっている!」と息巻いたのが印象的だった。やはり,トッププレイヤーの試合ぶりを見ていると,刺激を受けるものなのだろうか……。
ともあれ今回の大会が,これまでのパンヤにおけるオフラインイベントの集大成となることは間違いない。会場の都合上,日本全国の誰もが参加できるというわけではないが,都合の付く人はパンヤ仲間を誘って,パシフィコ横浜まで足を運んでみてはいかがだろうか。
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スカッとゴルフ パンヤ
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