インタビュー
プレイヤー海賊に絡む仕様変更も。「大航海時代 Online 〜Tierra Americana〜」の大規模アップデートChapter3“Thanksgiving”インタビュー
Chapter3では,新しい商会開拓街(以下,開拓街)として“フロリダ”“ルイジアナ”が登場するほか,大学で有名な英国の都市“オクスフォード”にちなんだ新システムが実装されるという。もちろん新チャプターとなる今回の大規模アップデートでは,これら以外にもいろいろな要素が追加されるはずだ。
Chapter3の詳細を聞き出すべく,4Gamerのインタビューではおなじみの,大航海時代 Onlineプロデューサー渥美貴史氏と,開発プロデューサー竹田智一氏にインタビューを行った。
「大航海時代 Online」公式サイト
新たな建造物で開拓街をさらに育て上げよう
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。すでに東京ゲームショウ2011(以下,TGS)で,大規模アップデートChapter3「Thanksgiving」が2011年11月8日に実装されることが明かされました(関連記事)。まずは,この名称についてお聞きしたいのですが,これはそのままの意味ですか?
ええ,このChapter3の名称“Thanksgiving”は,アメリカ合衆国における祝日の“感謝祭”を意味していますが,元々の感謝祭の起源は大航海時代の当時に遡れます。Tierra Americanaは,やはり北米が重要ですので,ストレートにこの名前にしました。
竹田智一氏(以下,竹田氏):
11月(の4週目)が感謝祭なので,時期的な意味でもちょうど良い名前になりました。
4Gamer:
なるほど。ちょっと早いですが,たしかに良いタイミングですね。では,さっそくその内容について教えてください。
渥美氏:
はい。今回の大規模アップデートChapter3“Thanksgiving”のポイントは3つあります。
1点めは「北米大陸の強化」で,新たな開拓街が2か所追加され,加えて内陸にもう一つ街が追加されます。2点めが「ヨーロッパ地域の強化」で,“オクスフォード”の街が追加され,そこに「大学」という新システムが登場します。3点めは,お客様の視点,つまりアンケートの結果から,より良くしていかなければならない点を,ボリュームを厚く実装します。
4Gamer:
では,まず最初の“北米大陸の強化”からお聞きしていきます。新たな開拓街ということですが,追加される地名はTGSで発表されていましたね。
渥美氏:
ええ。改めて紹介しておくと,新たに入る開拓街は“フロリダ”“ルイジアナ”の2つになります。
竹田氏:
新しい開拓街の上陸ポイントは,地名ごとに2地点あります。すでに街を作った商会は,わざわざ街を作り直さないと思いますが,ここは後発の――まだ街を持っていないような商会に向けた開拓街という位置付けになっています。ですので序盤に限りますが,開拓スピードが速くなるという特典もあります。
4Gamer:
これから街を作ろうと考えている商会には,新しい開拓街がちょうど良い機会になりそうですね。
渥美氏:
加えて,街をさらに1段階上に発展させられる,上位の建造物が登場します。具体的には,建造物のランクがMAXになる大きな住宅が登場し,人口の上限が5000人を超えるようになります。
竹田氏:
ただし,こうした上位の建造物を作るためには,手続きが必要になります。今回,新たに“広場”という建造物も追加されますが,これを街に建造することで人口の上限が開放される仕組みになっています。大きなMAXランクの住宅を建てることで上限に辿り着き,広場を作ることでさらに人口を増やすことができるようになります。
4Gamer:
“広場”を建造するためには何か条件があるんですか?
竹田氏:
単純に人口だけです。ですので,Chapter1から開拓していた商会であれば,すぐに広場を建造できると思います。また人口上限を突破すると,畑や鉱山でも一つ上のランクが作れるようになります。
渥美氏:
このほか建造物の新バリエーションとして,研究所や公会堂が追加されます。これらの建造物を利用することで,新たな交易品を出せるようになります
4Gamer:
交易品に影響を与える建物なんですね。研究所ということで,何か生産できる施設なのかと思いました。
竹田氏:
そうではありません(笑)。
渥美氏:
交易品に関しては,これまでそのまま店売りで並ぶようなことがなかったものが登場する可能性があります。具体的には,“野ウサギ”や“ウマ”,“ミツバチの巣”といったものです。馬などは,調達スキルを使わないと手に入りませんでした。
竹田氏:
もっとも北米に野生の馬はいませんので,開拓民が持ちこんで増やし,交易品として取り引きしているというイメージです。
4Gamer:
それら馬などの交易品は,新しい建造物を建てることで出現するんですか?
竹田氏:
いえ,今までの建物の組み合わせだけでも出ます。
渥美氏:
ただ,新しい建物を建てることで条件が満たしやすくなるというメリットはあります。このほかに広場を作ったあとに,街に象徴的な意味合いを持たせられる,これまでと違った大規模な建造物“専門施設”が作れるようになります。
竹田氏:
これまでの建造物は,ほとんどが交易品を出すための条件のような位置付けでしたが,今回登場する専門施設は,異なる独特の機能を持っていて,いくつかの選択肢のうち,どれか一つしか建てられません。
4Gamer:
その専門施設だけで何らかの機能を持っているんですね。どのような専門施設があるのでしょう。
渥美氏:
具体的には,“サロン”“庁舎”“工廠(こうしょう)”“大学”の4つになります。サロンは,冒険を報告する人が集まる社交場的なイメージになります。
竹田氏:
当時の文化人が集まって話をする場ですね。
渥美氏:
ですので,そこで発見物の報告ができます。
4Gamer:
発見物の報告は,相手によって興味あるジャンルが違いますが,サロンではどのような扱いに?
竹田氏:
そこにいる知識人に報告をすると,どんな内容でも好意的に受け止めてくれます。ですので,ここで発見物報告をすると有利になります。その効果は建てた商会だけではなく,その街に訪れる人にもありますので,人を呼び込むときのウリにもなるわけです。
4Gamer:
そうなると,「じゃあ開拓街でいっぺんに報告すればいいや」ということになりそうですが。
渥美氏:
そうですね。ですが庁舎だったり,工廠だったりもありますから,商会としてはどれを選んで建てるのかという迷いどころになると思います。
4Gamer:
なるほど。どれか一つしか建てられないから,開拓街に必ずサロンがあるというわけでもないですよね。では,ほかの3つにはどんな機能があるのでしょうか。
渥美氏:
庁舎はいわゆる役場といった感じで,(冒険/交易/戦闘)ギルドの機能を持っています。
このギルドでは転職とスキルの習得ができるのですが,ここでだけ北米の言語が習得できます。
4Gamer:
当然この時代だと英語ではなくて,先住民族の言葉ですよね。
渥美氏:
そうなります。またこれらの機能は,南米地域やカリブ海地域では,サントドミンゴやポルトベロまで行かないとありません。ですので,開拓街にギルドがあると便利というわけです。
4Gamer:
なるほど。では,開拓街のギルドではクエストの受諾や報告もできるんですか?
竹田氏:
いえ,クエストが受けられるわけではなく,転職とスキル関連の機能だけになります。開拓街のギルドでは,プレイヤーキャラクターが就いている職業の専門スキルを,自由に付けられます。
渥美氏:
3つめの工廠は,いわゆる兵器を制作する工場のようなもので,この機能は船を扱う人にとって便利なものです。
竹田氏:
具体的には,この建物で操船熟練度を1日1回上げることができます。例えば,操船熟練度があまり上がっていないメンバーが多い商会では,工廠のニーズがあるかもしれません。
4Gamer:
船の性能を早く引き出したい人であれば,欲しくなる施設です。
竹田氏:
大学に関しては,後ほどご紹介するオクスフォードと合わせて説明します。
4Gamer:
分かりました。しかし,商会としてはどれを選択するか,たしかに迷いそうです。
竹田氏:
とはいえ,ほかの商会の街にあるものも使えますので,「自分の商会はどれを選ぶか」ということになるでしょう。
4Gamer:
商会同士で知り合いがいれば,あえて別の施設を作るのも手ですね。
渥美氏:
続いて内陸の街を紹介します。Chapter3では,ネイティブアメリカンの生活の拠点となる“グレートプレーンズ”が追加されます。
竹田氏:
実際には,グレートプレーンズは広い地域の名前です。ゲーム中では,一つの街として登場しますが,とくに街の名前が存在しなかったので,総称と言うことで付けています。
4Gamer:
北米では,いわゆる“街”は初めてですね。内陸の街ということですが,北米には,開拓街以外に港を持った街がありませんし,つまり上陸地点の奥地のようなものになるんですか。
渥美氏:
ええ,そうです。
竹田氏:
ここには何をしに行くか。クエストで話を聞きにくることもあるとは思いますが,やはり服の入手になるでしょうね。かなりネイティブアメリカンな感じの装いができます。
4Gamer:
なるほど,これは可愛らしいですね。
渥美氏:
頭の装備品がウサ耳っぽく見えますね(笑)。この衣装は,女性プレイヤーに人気が出るのではと予想しています。
竹田氏:
ほかにも,今回は北米の装備品として何種類かが登場します。この街の道具屋だけに限らず,生産や宝の地図など,いろいろな手段で入手できます。
4Gamer:
どんな装備品があるのか楽しみですね。ちなみに,この街には交易所はないんですか?
竹田氏:
ありません。北米に関しては,プレイヤーの街が交易所になるという設定ですから。位置付け的には,テノチティトランなどと同じ内陸の街なので,交易品はありません。
渥美氏:
ほかに冒険の要素としては,新しいクエストが30弱ぐらい入っているので,遊びごたえのある量だと思います。
4Gamer:
それらのクエストは,やはり北米関連のものですか。
竹田氏:
そうです。今回のアップデートで,北米をかなり掘り下げられる環境ができました。
渥美氏:
グレートプレーンズなので,いわゆるアメリカ東部から中西部まで,広い範囲に足をかけています。例えば,現地の言葉で“歌うイヌ”という動物が出てきますので,楽しみに探してみてください。
- 関連タイトル:
大航海時代 Online
- 関連タイトル:
大航海時代 Online 〜Tierra Americana〜
- 関連タイトル:
大航海時代 Online 〜Tierra Americana〜
- この記事のURL:
キーワード
(C)2005-2020 コーエーテクモゲームス All rights reserved.
(C)2005-2012 コーエーテクモゲームス All rights reserved.
(C)2005-2012 コーエーテクモゲームス All rights reserved.