インタビュー
「大航海時代 Online 〜Tierra Americana〜」の新Chapterではヴァイキングの足跡を追うことに。陸戦にも改革が起こるChpater2インタビューを掲載
この期間は本作のプレイヤーにとっても,開発/運営にとっても,東日本大震災の影響によるサービスの停止や,PlayStation Networkへの不正アクセスに伴うPS3版のログイン障害など,あまりに多くの出来事があった4か月だ。
ともあれ,通常どおり遊べるようになった今,プレイヤーの多くは「こちら」の記事で紹介したロードマップにある,今夏に実装される予定の“Tierra Americana”Chapter2を楽しみに待っているはずだ。
そんなわけで,大航海時代 Onlineインタビューでおなじみの2人,大航海時代 Onlineプロデューサー渥美貴史氏と,開発プロデューサー竹田智一氏に,Chapter2についてインタビューを行ったので,ぜひ目を通してほしい。
「大航海時代 Online」公式サイト
“Tierra Americana”導入直後,大震災によりサービス停止。数多くのプレイヤーから励ましの言葉が
本日はよろしくお願いします。まずは,いつものように拡張パック「大航海時代 Online 〜Tierra Americana〜」の,プレイヤーからの反響を教えてほしいところなのですが,実装後,いろいろなことがありました。
渥美貴史氏(以下,渥美氏):
そうですね。“Tierra Americana”は,(2011年)2月22日という2並びの日にスタートしました。北米を開拓していくという要素は,狙いどおりの反響だったと思います。そうして,いろいろな仕様をプレイヤーのみなさんが体験し始め,時間をかけないと成果が見えにくい要素が浸透するかなというタイミングで,3月11日の東日本大震災が発生しました。
4Gamer:
時間をかけないと成果が見えにくい要素というのは?
渥美氏:
例えば,新都市の開拓やフィレンツェの特製レシピなどです。あと,大海戦に関するさまざまな仕様追加ですね。プレイヤーの手によって,大海戦が起こせるようになるという要素を追加しましたが,こちらについても発生する前の段階で,震災が起こりました。
竹田智一氏(以下,竹田氏):
この大海戦の発生条件については,なかなか発生しないという部分が確認できたので,4月のアップデートで手を入れています。
4Gamer:
震災でサービスが一時停止し,その後サーバーを移転して再開しましたよね。
渥美氏:
当社が計画停電の区域内に入ってしまったこともあり,安定したサービスを続けることが困難になりました。ですのでサーバーを移転しつつ,サービス再開を目指しました。
実際に止まっていた期間は約2週間ですが,その間,お客様から「早くサービスを再開してほしい」という声や,いろいろと激励の言葉もいただけて,開発チームも運営チームも大変勇気づけられました。しかしながら,サービスの停止によりお客様にご迷惑をおかけしたことも事実であり,既存のお客様が4月中については無料でプレイできるようにいたしました。
当初,我々が不安に思っていたのは,実際にサービスを再開したあとに,プレイヤーのみなさんが戻ってきてくださるかということです。結論から言えば,サービスを停止する前以上に接続している方が増えています。
本当にどうなるんだろうと思いましたが,結果を見て我々の仕事の意義を感じました。
4Gamer:
これまでにはない,長期間のサービス停止でしたから,その心配はもっともだと思います。しかし,その後にはPlayStation Networkの停止で,PS3版で遊べないという状況も。
渥美氏:
PSN障害に起因する停止がありましたが,こちらも市民IDでログイン(※)できるようにして再開した段階で,PS3版のお客様に無料のプレイ期間を付与しています。
またゲーム内のイベントで,PC版のプレイヤーしか楽しめなかったものがありましたので,イベントの期間を延長しました。また,アイテムの配布期間が終わったものは,もう一度配布する機会を設ける予定です(現在は終了している。インタビューは2011年5月23日に収録)。
(※編注:PS3版はPSNアカウントと市民IDが紐付けられており,PSNにサインインすればそのままログインできていた)
4Gamer:
それは,PS3版のプレイヤーには嬉しい措置ですね。
渥美氏:
大海戦に関しても,ちょうど発生時にプレイできないタイミングでしたので,運営側での特別開催という形で実施することになりました。
先ほど,大海戦の発生頻度が上がる調整を4月に加えたと話しましたが,特別開催という形で発生させる前に,発生条件の達成具合を内部調査してみました。その結果,想定しているくらいまで条件が達成できていたので,このあともう1回手動で発生(こちらも現在は終了)させたあとは,自然な流れで発生すると思います。
4Gamer:
こうしたサービスの停止もそうですが,ほかにもさまざまな影響があったと思います。
渥美氏:
そうですね。開発チームも運営チームも,サービスを再開するために,いろいろとやらないといけないことが多かったです。例えば,機材移転の作業もあれば,プレイ期間を付与するためのオペレーションもあります。さらにその告知だったりと,さまざまな作業が発生しました。そのため開発計画にも影響が出たのは確かです。
ただその一方で,いろいろな意味で考えなおす時間にはなりました。ちょうど,直近でユーザーアンケートを採っており,そこでいろいろな情報が入ってきています。それを分析し,今後どうしようかということを考える機会になりました。詳しくは,Chapter2の内容のあとに話したいと思います。
ヴァイキングの伝説を追え!
Chapter2の名称は“ヴィンランド”に
分かりました。では,さっそくですがChapter2について教えてください。
渥美氏:
はい。まず,アップデート名称は「ヴィンランド」(Vinland)になります。クリストバル・コロン(クリストファー・コロンブス)が,サンタマリア号で米国大陸に到達したことをもって,新大陸発見となっていますが,それ以前にヴァイキングが北米大陸あたりまで航海していて,開拓していたという伝説を踏まえた名称になります。
4Gamer:
ヴィンランドと聞くと,某マンガを思い出しますね(笑)。
竹田氏:
そうだろうと思いました(笑)。あの時代は,大航海時代よりもずっと昔で,まさにその伝説が関係します。
渥美氏:
今回のChapter2では,3つのポイントがあります。1つめは,ヴィンランドにちなんだ,発見物やクエストの追加。2つめは,内陸都市の追加とそれに伴うシステムの追加,および陸上戦闘の改革――というのは少し言い過ぎかな。
竹田氏:
いや,それくらいのインパクトはあるかもしれません。
4Gamer:
陸上戦闘には,これまでも何度か手を入れられていましたが,今回の“改革”でどうなるのか,とても気になります。
渥美氏:
そこはのちほどご紹介します。ポイントの3つめですが,経済面に関する見直しや,それに関連した新システムの追加になります。
では,最初の1つめとなる“ヴィンランド”についてご紹介しましょう。まずは,こちらの絵をご覧ください。
4Gamer:
これは,遺跡……ですね?
竹田氏:
はい,遺跡です。ここは先ほどお話しした,ヴァイキングが辿りついたという伝説の地で,ちょっと名前が覚えづらいです。
渥美氏:
この遺跡の名前は,“ランス・オ・メドー”です。グリーンランド以外では,唯一ヴァイキングが入植したところで,語源はフランス語で“クラゲの入り江”になります。
4Gamer:
この遺跡は,いわゆる上陸地点の奥地にある遺跡になるわけですか。
そうです。ここでは地理的な発見や,ヴァイキングの足跡を追う連続クエストを入れています。これは連作になっているストーリー性をもったクエストで,足跡を追っていく過程でいろいろな発見をしていきます。このクエストはChapter2に留まらず,そのあとのアップデートに続いていく長いクエストとして入れようと思っています。
4Gamer:
ということは,Chapter2の導入時点では,まだストーリーは完結しないということですね。
竹田氏:
はい。話の前半部分が登場するというイメージです。
渥美氏:
連作クエストなので,最終的にどんなものが手に入るのかに興味をお持ちかと思いますが,そこは楽しみにお待ちいただければと思います。
竹田氏:
そう遠くではなく,すぐに出せると思いますよ。
4Gamer:
分かりました。どんな発見があるのか楽しみです。
渥美氏:
発見物で面白いところでは,ニューファンドランドという犬が登場します。犬好きの人ならご存じかもしれませんが,大型犬で,イメージとしてはセントバーナードをむくむくにしたような感じです。
竹田氏:
今回はそうした自然系の発見物が多いかもしれません。
4Gamer:
ちなみに,どれくらいの数のクエストが追加されるんですか?
竹田氏:
だいたい30件くらいになりますね。
4Gamer:
それは世界各地に点在する形に?
竹田氏:
どちらかと言えば,今回(Tierra Americana)はヨーロッパを出てアメリカに行くという話なので,ヨーロッパが中心です。
4Gamer:
なるほど。当然,新しい装備品も登場しますよね。
渥美氏:
装備品の追加は,全般で30種類くらいありますよ。
4Gamer:
そんなに追加されるんですか。
渥美氏:
色のバリエーションを入れると,もっと多くなります。
竹田氏:
フィレンツェのレシピで作れるものも,かなり数が増えるので,いろいろと新しい装備がお目見えすると思います。
4Gamer:
なるほど,フィレンツェのレシピも,今後のアップデートでどんどん追加されていくわけですね。
渥美氏:
あとは恒例の船ですね。これを楽しみに待っている人も多いでしょう。
4Gamer:
今回は,ヴァイキングがクローズアップされていますし,そのあたりが登場するのでしょうか。
渥美氏:
ヴァイキングにちなんだものもあれば,そうでないものも……という感じですね。まずは,こちらの画像をご覧ください。
竹田氏:
こちらの船は,メイフラワー号と同じタイプの船で,「エミグラントバーク」です。
渥美氏:
ちなみに当時,甲板の面積によって掛かる税金が決まっていました。ですので,船体のふくらみから甲板にかけての形状がスマートというかスリム化された形状になっていました。
竹田氏:
要は甲板を狭くして容量を大きくするので,画像からは分かり辛いですが,こんな(だ円形のような)形になっています(笑)。
4Gamer:
なるほど,そんな理由もあるんですね。
渥美氏:
有名な船ですし,細かな部分にもこだわって制作しました。次にこちらの船は,「ロングスクーナー」です。
4Gamer:
これは,かなりマストの数が多いですね。
竹田氏:
西洋船としては,初の6本マストになります。非常に船体が長く,ほかの船と並べると一目瞭然です。特徴としては,すべて縦帆になるので切り上がり性能が高いです。クリッパーが追い風の王様だとすれば,こちらは向かい風の王様という感じですね。
ただ,この性能を得るために,もの凄く船体が長くなっているので,旋回性能は最悪です。ですので,あまり近距離航海では使えないですね。
4Gamer:
直線番長といった感じの船ですね(笑)。
竹田氏:
まさに,そんな感じです(笑)。
4Gamer:
船としては冒険者向けですね?
竹田氏:
そうなりますが,商人向けのタイプも用意しています。積載量が少なめで,とにかく早く移動するんだという,かなり特殊な船です。
4Gamer:
それにしても,6本マストと補助帆を足していくと,縦帆性能がいったいどこまで上がるのか楽しみな船ですね。
竹田氏:
ええ。積載量さえ気にしなければかなりの速度が得られるので,人によってはクリッパーより使いやすいかもしれません。
4Gamer:
ヨーロッパ〜北米間の長距離移動ではかなり活躍しそうです。
渥美氏:
さらにもう1隻,こちらはヴィンランドの名前に関連する,北欧の国で作られた船です。
渥美氏:
こちらに関しては,Chapter2実装後の登場となります。この船もそうですが,ロードマップを公開しているのはまだChapter2までなので,ちょっとしたポロリ情報になりますね。
4Gamer:
先ほどの連作クエストの話もそうですが,物語の流れで登場するわけですか。
竹田氏:
時代が違いますので直接の関係はありませんが,この頃はちょうど北欧の国が強くなる時代で,戦列艦やガレオン船が主力として活躍していました。この船は北欧で作られた,外観が戦列艦とガレオン船の中間のような船になります。
4Gamer:
つまり戦闘系の船ですか。砲門の数が多いですね。
竹田氏:
そうです,軍艦ですね。この船は,当時青銅製が普通だった大砲を初めてすべて鉄製にした船と言われています。
渥美氏:
これはフォルムも格好良いので,人気が出ると思います。
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