プレイレポート
舞台は新大陸から遥かなる故郷へ?「グラナド・エスパダ」,Return to Orpesiaアップデートをいち早く体験。GE史上最大の街キエルチェや家門スキルを公開
プレイヤーのゲーム進行によって動いた歴史が,開拓民に新たな道を示す
これまでの冒険の舞台は,新大陸と呼ばれる未開の大地だった。プレイヤーキャラはこの未開の地を切り開くために奔走しつつ,ときにベスパニョーラをはじめとするオルペシアの国々の政治的な闘争を垣間見てきた。
いったん新大陸へと渡った開拓民は,本土(オルペシア)への帰還を許されておらず,新大陸に骨を埋める覚悟とともに,かの地での富と名誉,そして一攫千金を夢見て渡航してきていたという設定だった。しかし,今回のアップデートでは,プレイヤーキャラである開拓民によって強国ベスパニョーラの十人貴族の一人,モントロ子爵が倒されたことで,権力バランスが崩れ,混乱が発生。その隙をついて,先の戦争にてベスパニョーラに敗北・降伏を余儀なくされたかつての大国ブリスティアの港町「キエルチェ」の総督が開拓民の帰還を許可したのだ。これにより,開拓民はこぞってブリスティアへの上陸を果たすことになる。キエルチェではブリスティアにおけるベスパニョーラの支配をよしとせず,力を持った開拓民を呼び寄せることで,国内の武力増強を図るという考えがあるようだ。当然ながら,この政策はベスパニョーラとの間に軋轢を生み,開拓民たちはオルペシアにおいて,これまでとは違った激動の物語を体験していくことになる。
プレイヤーである開拓民が冒険を進め,“開拓”を行うことで新たな地域へと到達してきた「GE」。モントロ子爵という,これまでのさまざまな事件を裏で操っていた人物を倒したことで,今回は大きく物語が進んでいくことになる。
ブリスティアへの道のりは意外と厳しい!? 手強い海賊たちを相手に勝利することができるか?
このイベント,敵は単なる海賊だろう,と舐めてかかっていると大変な目にあう。今回はテストサーバーでのプレイということで,マスタークラスのキャラクターを用意してもらっていたにも関わらず,あっという間に全滅してしまった。武具が強化されておらず,各種バフも行っていなかったとはいえ,海賊達がかなりの強さであるのは間違いない。
体験プレイのサポートをしてくれていた運営ディレクター田山佳裕氏の話では,4回ほど下っ端海賊の群れが押し寄せたあと,さらにボスが登場するという。今回は1回めの下っ端戦で押し潰され,ブリスティア行きはのっけから行く手を阻まれた形だ。
海賊達の中にはエキスパートスタンスのスキルを使ってくる者もいて,今までのモンスターを相手取った戦闘とは一味違う。正直,これはかなり歯ごたえがある。このクエストはスクワッドを組んで挑戦することはできず,1家門でクリアしなければならない。しかも時間制限が設定されていて,良い感じに戦闘の緊張感を高めてくれる。くれぐれも準備は怠らず,万全の体勢で挑んでほしい。
なんとか海賊達を退けると,再びヴァイロンの港へと戻される。「あれ,ブリスティアじゃないの?」と思うのだが,再びデュラムに話しかけることでクエストクリアとなり,次に話しかけるとブリスティアの港町「キエルチェ」へと送ってくれる。キエルチェでは港にいるデュラムに話しかけることでヴァイロンへと戻ることができる。
キエルチェは「GE」史上最大の都市ということで,かなり広い。また,「躍動感」をテーマにした今回のアップデートにふさわしく,NPCもさまざまな行動を見せてくれる。兵士が周囲を巡回していたり,子供がスキップしながらキエルチェを一周(オフラインイベントでも話題になっていたとおり,結構なスピードだった)していたりと,マップもこれまでとは段違いの作り込みだ。
また,建造物や街並みを見ても,新大陸のコンセプトだった中世テイストではなく,文明の進んだ近代ヨーロッパの香りが醸し出されている。なお,キエルチェの総督は街と同じキエルチェという名前。前総督の父親がベスパニョーラに降伏し,その後任を任されているのは息子ということになる。公開されたムービーを見る限り,彼には妹もいるようだ。
さて,すでにご存じの方も多いと思うが,キエルチェの街には,「GE」史上で初となる時間の変化が用意されている。とはいえ,「GE」をプレイしている時間によって昼夜が変化するわけではない。一般のキエルチェエリアはずっと昼間のままだ。特定のクエストを受けて宿屋に宿泊することで夜のキエルチェへと踏み出すことができるのだ。
夜のキエルチェは盗賊が徘徊する危険なマップとなっている。街にはNPCの姿はない。盗賊達は,いわゆるモンスター扱いで,レベル116前後。キエルチェに渡る際のクエストに登場する海賊ほどではないが,やはりかなりの強敵ぞろいだ。海賊同様にエキスパートスタンスのスキルを使ってくる敵もいる。硬い巨漢の盗賊が前面に立ち,後方から銃を構えた敵が射撃スキルを使うなどといった,連携も見られた。自分の強さに見合った敵が現れたと考えるか,立ちはだかる高い壁と捉えるかは人によるかもしれないが,とにかく一筋縄ではいかない強敵ばかりという印象だ。
今回,韓国から届きたてほやほやのバージョンでテストプレイしたこともあって,バランスは韓国版のままとなっていた。日本版の難度に関しては調整予定とのことだが,アップデート当初には間に合わないかもしれないとのこと。アップデート直後にブリスティアに乗り込む予定の人は,心して挑んでほしい。
このマネーポケットはキエルチェにいるNPCに持っていくことでVisを受け取れるようになっているとのこと。また,1-1,000マネーポケットを集めて持っていくと1-10,000マネーポケットなど,より上位のアイテムと交換してもらえるようになっている。なお,新大陸ではマネーポケットの換金ができないそうなので,キエルチェ滞在中に換金しておきたい。
派手で特徴的なモーションを持つ新キャスト「バレル」と「マルチェティ」
今回のアップデートの二つめのコンセプトとして,無限のバリエーションの創造,という点が挙げられる。
「GE」ではこれまでも70以上のキャスト(キャラクター)が登場し,それらを自由に組み合わせて3キャラクターを同時に操ることができた。もちろん,今回のアップデートでも多くのキャストが編入可能になる予定だが,今後はその追加加速を上げ,より多くのキャストを登場させていくとのことだ。
10月31日の第1弾アップデートでは,巨体ながら軽快に銃を操る酔っ払いのガンマン「バレル」,謎のキューブを操り,線の細い研究者風の外見からは想像できない強力なスキルを使う「マルチェティ」が実装される。
NPCだけでなく編入キャストに関しても「躍動感」が感じられるモーションが多数用意されており,とくにバレルが使用するエキスパートスタンスの「コブラ」は,曲芸撃ちかと思うほどユニークなスキルアクションを見せてくれる。巨体に似合わず軽快なステップでの射撃や,大きく動き回っての連続射撃など,とにかく見た目が楽しい。ハンドガン装備のわりに範囲攻撃になっているスキルも多く,これまでの銃関連スタンスとはまた違った印象となっている。
マルチェティは,彼の開発した装備“キューブ”を使うエキスパートスタンス「ディストーションキューブ」を習得していて,魔法に似た攻撃スキルはもちろん,敵を水晶の中に閉じ込めたり,ダメージやデバフ効果を継続的に与える磁場を展開させるといった,今までにない変わった働きをする。また,自身のスキル詠唱速度をアップさせる高速思考というスキルなどもある。もちろんモーションも凝っていて,空中に飛び上がるなど,バレルとは違った意味で目が離せない動きをする。
このほか,続くReturn to Orpesiaアップデートでは続々と新規キャストが実装予定となっている。なかにはこれまで登場しているキャラの過去の姿や,とあるキャラの妹なども予定されているとか。想像を膨らませて待っていてほしい。
家門全体が大幅パワーアップ!? 新たなパッシブ系バフ「家門スキル」とは
無限のバリエーションの創造というコンセプトのもう一つのポイントとして,新たに実装される「家門スキル」が挙げられる。実は今回紹介するなかで,この家門スキルこそが最もゲームプレイへ与える影響が大きいかもしれない。
10月31日のアップデート以降,新たに家門レベルに応じた家門スキルポイントが付与される。与えられる家門スキルポイントは家門レベル1につき1ポイント。この家門スキルポイントを使って家門スキルを習得可能になる。
家門スキルウィンドウはCtrl+Tでオープンできる。家門スキルは「攻撃」「防御」「補助」の3カテゴリーに分かれており,各スキルは条件を満たし,スキルポイントを消費することで習得可能だ。ウィンドウ最上段のスキルの習得条件はナシ。一段下になるごとに家門レベル10,20,30,40と必要家門レベルが増加,またスキルによっては特定の下位スキルを習得していることが条件に加えられていたり,必要スキルポイントが多くなっていたりする。
家門スキルは,いわゆるスキルツリー形式になっているのだが,現時点では上位スキルを示す矢印などが表示されておらず,習得条件がやや分かりにくいという難点もある。ただ,ウィンドウ右下にある「特性保存」ボタンをクリックしない限り最終決定はされないので,左クリックでレベルアップ,右クリックでレベルダウンを繰り返して,ポイントを振り分けていこう。もちろん,振り分ける際には,攻撃タブ,防御タブ,補助タブを自由に切り替えることも可能になっている。
これまで十分に「GE」をプレイしているプレイヤーならば,家門レベルが50以上になっている人も多いと思うが,そのポイントをどのスキルに振り分けるかによって,家門全体の能力が大きく変化する。例えば,HP向上スキル「フィットネス」につぎ込むと,47ポイント消費することでHPが100%増加,つまり現状の2倍となる。同様に,攻撃力を最大50%も増加させたり,敵の攻撃のダメージを最大30%カットしたりと,これまで考えられなかったようなパワーアップが望めるのだ。
この家門スキルは,一度ポイントを振り分けてしまうと変更できない……というわけではない。まず,NPCにfesoを支払うことで,家門スキルのバリエーションをあらかじめ3ページぶん保持することができる(初期状態では1ページのみ)。それぞれのページごとに全ポイントを振り分けることができ,状況に応じて自由に切り替えを行えるのだ。対人戦用,レイドボス用など,用途に応じて設定するもよし,自分の使うキャストに合わせて細かく調整するもよし,だ。
ただし,切り替えを行えるのは非戦闘中に限られ,さらに切り替えには10秒の時間が必要となっている。なお,スキルポイントの初期化自体は無料で行うことができるので,存分にシュミレーションできるだろう。
また,これまでに導入されているMCCバフ(コンビネーションバフ)の調整も予定されているとのこと。田山氏曰く「MCCバフはいろいろな組み合わせのキャラで追加効果を得られるという目的で導入されましたが,現状ではその組み合わせが逆に枷になってしまっていることが多く,“縛りプレイ”をして楽しむような感覚になっています。今後はMCCバフを改善し,これを解消していきたいと考えています」とのことだ。
キャストの編入やストーリークエストはソロでもOK! 社会人が短時間でも楽しめるMMORPGを目指す
アップデートの三つめのコンセプトは,短時間でも遊べるMMORPGへの挑戦。「GE」は比較的プレイヤーの年齢層が高く,社会人プレイヤーも多い。となると,どうしても長時間拘束されるようなゲームプレイは敬遠されがちだ。運営チームではこの状況を踏まえて,大幅なバランス調整や仕様変更を行っていくとのこと。
まずは,これまでクリアに時間がかかった一部キャストの編入クエストの難度緩和が予定されている。クエスト自体の難度緩和に加えて,特定の編入クエストでは,入手困難なクエストアイテムがFesoで購入可能になるとのこと。もちろん,これまでどおり自力でドロップを狙える道筋も残されているので,時間とFesoのどちらを選択するかはプレイヤーの自由だ。
また,現状,レイドボスはサーバーメンテ明けにログイン可能な一部のプレイヤーが討伐してしまい,夜間のログインがメインになるプレイヤーでは挑戦することすら難しい状態になっていた。このレイドボス出現時間もプレイヤーの多いボリュームゾーンへとずらす予定になっている。
さらに,これまで行われてきた各種イベントでは,毎日ログインしないと最高ランクの報酬アイテムを入手することが難しいなど,社会人プレイヤーにとっては少々キツい条件のものも多かった。今後実施される運営チーム企画のイベントは条件を緩和し,多くのプレイヤーが最高ランクの報酬を目指しやすいものにしていくとのことだ。必然的に,コアプレイヤーにとってはイベントが軽いものとなってしまう感覚もあるかもしれない。しかし,当面はReturn to Orpesiaアップデートの新規コンテンツを楽しんでいけるはずだ。
これとは別に,新たな企画として「GE新聞」の発行も予定されている。すでに公式サイトで募集受付が開始されているが,これは「GE」の攻略情報,プレイのポイントなどのネタをプレイヤーから募集し,記事化するというもの。公式サイトで新聞として毎月公開していく予定になっている。採用された人には情報提供のお礼にハンビットコインをプレゼントするというから太っ腹な企画だ。GE新聞の第1号は11月中には公開予定となっているそうだ。
充実のインゲームサポート再び! アップデートと同時にさまざまなキャンペーンも始動
4か月にわたる大型アップデートの第1弾実装記念として,アップデートと同時にさまざまなキャンペーンも開始される。具体的には,特定ミッションの一部の報酬アイテムが2倍になったり,カムバックキャンペーンや,イベント用マスターカード(好きなキャラをいきなりマスターランクにレベルアップ可能)や便利な消耗品がもらえるジャンピング化やキャンペーンの改修などが行われる。
また,新規アカウント推奨サーバーにおいて,以前好評だったインゲームリアルタイムサポートの強化も再び実施予定とのこと。具体的な内容は後日発表されるらしいので,GEを始めて間もないユーザーは心待ちにしてほしい。
2012年7月18日のアップデート以後,多くの革新的施策を行い,新規プレイヤーや復帰プレイヤーの増加,そしてプレイアビリティの向上を図ってきた「GE」。物語が大きく動き出す新たなアップデートの実施ということで期待を寄せている人も多いことだろう。今回の体験プレイですべてを網羅したわけではないが,メインストリームとなるシナリオ,クエストはもちろんのこと,今回実装される新規マップは,十分なやりごたえを感じられた。新たなコンテンツを求めていた熟練者達も,そう簡単には遊び尽くせないのではないだろうか。
初心者〜中級者の開拓民にとっては,オルペシアはまだまだ雲の上の話に思えなくもないが,大きな目標ができたと考えれば,将来的な楽しみが増えたといえる。また,最近頻繁に行われている日本向けの調整が,このブリスティアでは,いつ行われるのかが気になるところだ。
当面は初心者プレイヤーと熟練プレイヤーの活動地域が分かれてしまうというのはMMORPGの宿命といえなくもないが,これまでさまざまな方策によってその差を埋めてきた「GE」が,今後続くであろうハイレベル帯アップデートに対して,どのような施策をとっていくのか,気になるところでもある。
「グラナド・エスパダ」公式サイト
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