プレイレポート
ゲーム開始直後から最上位レベルへ覚醒も? 「グラナド・エスパダ ルネッサンス」リニューアルアップデートをいち早く体験してきた
アップデート内容については,すでに7月14日のGE Rオフラインパーティなどで公開されているが(関連記事),今回,リニューアルの一部に関して,テストサーバーで事前に触れる機会を得た。体験プレイをナビゲートしてくれたのは,運営ディレクターの田山佳裕氏とゲーム内サポート責任者のGMグレア氏のお二人だ。今回試遊したのは,まだ実際に導入されるバージョンと同じものというわけではないのだが,プレイで確認できる部分はすべて体験することができた。
7月14日に発表された内容によると,今回のリニューアルの目的は,大きく分けて二つ。すなわち「新規プレイヤー向けのリニューアル」と「全プレイヤーに向けのリニューアル」だ。
では,それらが具体的にどのような内容になるのかを,さっそくチェックしてみよう。
いきなりカンスト? マスターレベルへジャンプアップキャンペーン
これはなんと,いきなり自分のキャラクターを最高レベルであるマスターレベルへとレベルアップさせてしまうという,とんでもないキャンペーンなのだ。「カンストキャラ配布? GE Rって末期だな」などと思う人もいるかもしれないが,そう思うのは早計だ。GE Rでは70キャラ以上のキャストを編入させて育てていくことができるので,数キャラがマスターレベルになったところで楽しみが尽きるということはない。むしろ,マスターキャラがいることで高レベルのプレイヤーに混じって遊ぶことができ,プレイの幅はさらに広がると言ってもいい。
とりあえず,実際に体験してみたのだが,作成したばかりの家門のキャラクターが,いきなり「割れた地(レベル101〜)」で安全に狩りができるようになった。
レベルの高い友人に連れられて高レベル狩場を見学に。ちょっと観光のつもりでも,弱いキャラばかりだと一瞬で全滅してしまうのだが…… |
イベント用マスターカードを使ったキャラがいれば,高レベル地域の見学や,どうしてもクリアできない低レベル向けクエストのお助け要員のほか,対人戦にいきなり参戦することも可能だ |
このジャンプアップキャンペーンは約1か月間の期間限定で,しかもリニューアル以後に作成された家門に限定される,新規向けの施策なのだ。もちろん,レベルアップができるイベント用マスターカード4枚のほかに(マスターレベルにできるのはキャスト4人まで),全クラス用の100レベル装備や各種スタンス教本,スタンス経験値が獲得できるトレーニングカードGなど,高レベルで遊ぶための一通りのアイテムもセットとなっている。つまり,最高レベルキャラ4名をそれなりの装備とスキルを持った状態で用意してくれるのだ。
※取材時には「新規限定の試験的なもの」として考えているとのことだったのですが,実装の際にレベル25以下,および休眠プレイヤーに対しても同様な施策が行われることになったようです。また,現状では(休眠プレイヤー以外は)期間を設けていないとのことでした。
ただし,田山氏は「これはあくまでもベテランオンラインゲーマー用です。本当の初心者がいきなりマスターレベルになってしまうと,途中で得られる楽しみを失ってしまうこともあります。使用するかどうかは慎重に決めてほしいですね」と語る。
マスターレベルへのジャンプアップは,条件に当てはまる家門であれば誰でも公式サイトから申し込みを行うことでができる。申請後,「有料アイテム受領」の項目からイベント用マスターカードなど,一連のアイテム(大量!)を受け取ることができる。ちなみに,使うかどうかはともかく,とりあえず受け取っておくということも可能。経験値アイテムなどを使わずに取っておき,「新規に編入したお気に入りのキャストを一気にマスターにしてみたい」ときに初めて使ってみる,なんてのもアリだと思う。なにはともあれ,まずはもらっておいて,使用方法は後々考えるほうが育成の選択の幅は広がるかもしれない。
リアルマネーを使わずに極限の高みへ! 覚醒秘伝書もゲーム内通貨で入手可能に
リニューアル後は「キャラを成長させる部分ではお金を取らないようにしたい」とのことで,キャラの成長に関わる課金アイテムをはじめ,多くの課金アイテムがゲーム内通貨で購入できるようになる。具体的には,レベル100になったあとでベテラン,エキスパート,マスターにアップする覚醒秘伝書は課金アイテムとしての販売は中止され,リニューアル後はFeso(ゲーム内の第3通貨)での購入アイテムとなる。
もちろん継続して課金アイテムとして販売されるものもあるが,同時にFeso商店のラインナップに並ぶものも多くなる。
Fesoはバウンティハンターという,時間内にボス討伐を目的とするミッションの報酬として入手できるなど,ゲームをアクティブに遊ぶことで獲得できる通貨だ。積極的にゲームで遊べば遊ぶほどFesoを稼いで(これまでの)課金アイテムを入手できるというわけだ。古代の地域という有料ダンジョンへの1日進入チケットなども入手できるようになり,経験値稼ぎなど,キャラの育成に関する要素については,一切リアルマネーを消費せずに楽しめるようになる。
また,これと同時にアイテムモールの商品価格も50〜80%もの恒久的な値引きを実施。プレイヤーにとってはリアルマネーの消費がよりいっそう抑えられることになる。
「そんなに値下げ・無料化をしてしまって収益は大丈夫ですか?」と思わず聞いてしまったのだが,「収益が落ちないのかと言われれば,たぶん多少落ちるとは思います。ですが,時間を短縮する目的だったり,武具強化や衣装など,こだわりの部分でお金を使ってくださるお客さんも多いですし,それ以上に多くのプレイヤーさんに楽しんでほしいという部分が大きいのです」と田山氏は課金面の大幅なリニューアルの目的を話してくれた。
ゲームの垣根を下げたり,遊びやすくすることで顧客満足度を高めるというのは,どこのオンラインゲーム運営会社でも聞かれる話だが,今回の施策は中身の伴った“本気度”が感じられる。顧客満足度が高まれば長期的に遊んでくれる人も多くなり,結果的に収益につながる。長期的視野に立った運営をなかなか実践できないオンラインゲーム運営会社が多い中,ハンビットユビキタスエンターテインメントは,遊んでくれるプレイヤーに楽しんでもらうという原点に立ち返りつつ,これを実践しようとしている。
さらに,この施策は,前述したジャンプアップキャンペーンとも相性がいい。先輩プレイヤーと一緒にバウンティハンターをプレイしようとしても,高レベルキャラがいないとなかなか参加しづらい。そんなときにはマスターランクへジャンプアップしたキャラがいると便利だ。報酬としてムーンストーンなどを獲得できれば,それをFesoに換金して,これまで課金アイテム扱いになっていたさまざまな便利アイテムを入手し,さらにプレイの幅を広げられるというわけだ。
100レベルまでの編入クエストなどがグンと楽になる! 序盤エリアが大幅変化
実際問題として,レベル1の状態でエンジをいきなり編入しようと思う初心者はいないはずだ。なぜなら,これまでエンジの編入クエストではレベル19のスケルトンやラジムラムからクエストアイテムを集めなければならず,レベル1で行うのは荷が重い。かつ,そのアイテム収集に結構な時間がかかるのだ。
ご存じの人も多いと思うが,キープモードなどのセミオートプレイが可能なGE Rでは,外出中や仕事中でも放置をすることで長時間の狩りにも対応できる。また放置中でもクエストアイテムは自動的に拾われるので,アイテム収集などのクエストでも放置狩りは非常に便利なシステムである。放置狩り自体は大変便利なのだが,70キャラ以上のキャストを編入可能なGE Rでは,編入クエストだけでも相当なコンテンツ量を抱えているため,それなりに時間がかかってしまう。そこで,今回のリニューアルでは,レベル100までに編入できるキャストの編入クエストを大幅に改善しているという。クエストアイテムの入手確率がかなり引き上げられたのだ。
今回体験したエンジの編入クエストでは,まず最初にスケルトンの骨を30個集める。リニューアル以降,レベル1の状態から初期にもらえるステロイドポーションやヒーリングポーションを駆使しつつ,王達の庭園でスケルトン狩りを実行。スケルトンはレベル19程度と,かなり格上だが,レベル1でもなんとか倒せることに加えて,格上だけに獲得経験値も多く,ガンガンレベルアップしていく。
肝心のクエストアイテムの“スケルトンの骨”だが,対象となっているスケルトン(エリートスケルトンは除く)を倒すことでほぼ確実に入手できるようになっていた。スケルトン自体がマップ内にまばらに配置されているので,敵を見つけるのに時間がかかった程度で,アイテム集め自体は十数分で終えることができた。ちなみにレベル1から始めて,集め終える頃にはレベル18になっていた。うーん,速い。
その後もクエストを続け,後半のラジムラムの赤い羽根50個も,一緒にテストプレイをしていた3名でスクワッドを組むことでほどなく収集完了。見事,エンジを編入することができた。確認してみると,編入クエストを受けてからわずか58分,1時間もかかっていない……。
レベル100までに編入できるキャストのクエストは,このようにドロップ率などに上方修正がかけられており,クエストにかかる時間が大幅に短縮されている。また,近々,さらなるアップデートにより必要アイテム数自体も減少させる予定とのことで,今回のドロップ率の上方修正に加え,ますます序盤の編入クエストが楽になるようだ。
多数のキャストを編入し,使えるキャラを増やしていくところがGE Rの楽しみでもあるので,このテンポアップはかなり嬉しいところだ。
すでに実施中のインゲームサポートをさらに強化。より“顔の見える”運営体制へ
前段で書いたように,「先輩プレイヤーと一緒に遊ぶ」とひと口に言っても,忙しく動き回っている先輩プレイヤーに声をかけるのは気がひける,という経験はオンラインゲーマーなら誰もが一度は通ることだと思う。しかしGE Rではインゲームサポートという,ゲーム内でのガイド・ヘルプ機能が非常に充実している。初心者プレイヤーはゲーム開始時に自動的にGE開拓党という党(いわゆるギルド)に加入する。この開拓党には初心者が集まることになるため,党チャットなどで気軽にコミュニケーションをとりやすい。
しかも新規推奨サーバーとなっているサーバーの開拓党にはゲームマスターが2名参加しており,党チャットはもちろん,1対1チャットでの質問にもフレンドリーに答えてくれる。ほかのプレイヤーに聞かれるのは抵抗があるという人は意外と多い。1対1でも質問できる環境があるのは初心者にとっては心強い。また,人の多い時間帯(21時前後)には開拓党員から参加者を募ってダンジョンへのツアーなども行い,ゲーム内コンテンツの手ほどきも行っているようだ。。
実際に本サーバーで行われているインゲームサポートの様子を見せてもらったのだが,ゲームマスターは党員達とゲーム以外の話題でチャットに興じることもあり,プレイヤーから気さくに質問しやすい空気があった。ゲーム内サポートの責任者であるGMグレア氏は「チャットの打ち間違いによる誤字があったとしても,逆にそれもフレンドリーでいいのかと思っています(笑)。晩御飯に食べたものや翌日の天候の話など,ゲームと関係ない雑談も多いですし,それはそれでいいと思うんです」と語る。
ゲームマスターと会話,なんて聞くと緊張してしまうかもしれないが,チャットを見ている限りはゲームの先輩に教えてもらうという気軽な感覚で,プレイヤー達もゲームマスターに冗談を言ったりして,楽しんでいる様子がうかがえた。
これまでゲームマスターによるインゲームサポートは17:00〜22:30となっていたが,リニューアル後は時間を大幅に拡大し,1日18時間にもおよぶサポート体制となるという。まさにいつでもゲームの手ほどきを受けられるオンラインゲームと言えるだろう。
また,ゲームの内容についての意見などは公式サイトのディスカッションボードで論議が可能になっている。ゲームマスターが意見を求め,プレイヤーがそれぞれの意見を書き込むための場として試験運用を開始したこの施策。運営側としては,当初は「荒れるかもしれない」という不安もあったそうだが,続けていくうちに非常に建設的な意見が出るようになり,今回,正式に稼動することとなったようだ。
荒れる公式掲示板というのは,運営側がただ単に開放しているだけというものが多い。しかし,GE Rのディスカッションボードはゲームマスター自らが意見を書き込んでいるため,質問の意図や意思,方向性が明確だ。プレイヤー側はそれに答える形で議論を展開していくことになるため,荒れる流れになることが少ない。GMグレア氏は「GE Rのプレイヤーさんは非常に理解のある冷静な方が多く,当初思っていたよりもスムーズに稼動していきました。そこで,今回本格稼動をさせようということになったんです」とプレイヤーにも信頼を寄せていた。
このディスカッションボードやニコニコ生放送を通じて,文字どおり生の運営の声を発信し,さまざまな意見を集約。毎月第1土曜日に「GE大会議(仮称)」を行い,プレイヤーの生の声も聴取してコンテンツの作成や仕様の変更・修正などの参考にしていくという。それぞれに「顔の見える運営を目指したい」という運営チームの想いが見てとれる。
GEMOCONもパワーアップ。スマホからキャラの移動も可能な新GEMOCONが夏登場予定
自宅のPCでセミオート状態で放置したまま外出し,出先のPCからその様子をチェックしたりチャットが可能なGEMOCON。この夏,GEMOCONがスマホに対応し,その機能が拡張される予定となっている。
今回は実際に韓国のテストサーバーで稼動しているものを見せてもらった。これまでのGEMOCONの機能に加えて,画面内に家門の狩りの様子が映し出され,地面部分をタップすると,家門のキャラをその地点へと移動させることができる。これで「またファイターが突出して倒れてるよ……」といったため息ともおさらばだ。それどころか,狩場を変更したりすることだってできてしまう。iOSとAndroidの両対応の予定で,夏のリリースに向けて開発中とのことだ。
日本語版は開発中。今回は韓国のテストサーバーで実際に動いているキャラを操作。もちろん3G回線でも利用できるので外出先から気軽にアクセス可能だ |
これまでのGEMOCONとは違い,PCのクライアントをリモート操作するわけではなく,直接操作が可能とのこと |
リニューアル後の新しい『グラナド・エスパダ』
重大発表というかたちで謎のまま投げかけられたメッセージは,明快な具体策をもって実装されることになる。GE大会議やサーバー移住など,今回体験できなかった施策に関しても,今後の展開に注目をしていきたいと思う。
今回のリニューアルにおいて,体験した事柄はアップデートのほんの一部にすぎない。リニューアルの全貌,GE Rの目指す場所については,オフラインパーティの記事をご覧いただきたい。6年目を迎えたGE Rは,コンテンツ面でも大きな転機を見せるのだが,まずは運営面での革新を前面に押し出したアピールを行っている。これはオンラインゲーム業界的にも注目されるべき流れなのかもしれない。
「グラナド・エスパダ ルネッサンス」公式サイト
- 関連タイトル:
グラナド・エスパダ
- この記事のURL:
(C)2003-2013 IMC Games Co.,Ltd./Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.