連載
新生を果たした「グラナド・エスパダ ルネッサンス」その真価を探るため新大陸へ乗り込む! 新連載も準備中
最近「理想のMMORPG」「完全新作ワールド」などといった刺激的なキャッチフレーズで告知されていた「グラナド・エスパダ プラス(以下 GE+)」のタイトルリニューアルが,つい先日(8月12日)完了した。新生MMORPG「グラナド・エスパダ ルネッサンス(以下 GE R)」へと生まれ変わったのだ。さっそく,新規・新作ワールドである「セレスタイト」などで冒険を始めたという人もいるのではないだろうか? リニューアル初日にはアクセスが集中してログイン争いになるなど,週末に向けて盛況なスタートとなったようだ。
「で,実際のところはどうなの?」と,ゲームファンなら当然気になる疑問に答えるべく,今回の記事では私なりの視点で「GE R」を紹介しようと思う。「GE+」からどのような点が変わったのかはもちろんだが,新作タイトルとしての「GE R」,そして新規サーバー・新作ワールド「セレスタイト」でのプレイフィールはどうなのか,といった点をまとめてお知らせしたい。これから「GE R」をはじめる初心者はもちろん,GE+以来のプレイとなる人も,ぜひ一読してみてほしい。
関連して,以下の記事にも参考になる部分が多いと思われるので,併せてご一読を。
運営・開発が全力を投入した"改革"がついにお目見え! 「グラナド・エスパダ ルネッサンス」先行体験レポート
4年の歳月を経て“真の姿”に生まれ変わる? オンラインRPGの常識を覆すかもしれない「グラナド・エスパダ ルネッサンス」運営スタッフインタビュー
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業界初の「完全新作ワールド」とはなんだ?
さて,あるゲームを長く遊んでいる人と,新しくそのゲームを始める人では,当然ながらゲームの理解度やプレイ習熟度などに差がある。すでにサービスされているゲームに新規ワールドを追加したからといって,(最初だけは同じレベルなものの)その差が埋まるわけではない。必然的にゲーム内のコミュニティも,経験者と初心者で分離しがちである。
今回,HUEは,新ワールドの「セレスタイト」で,そんなオンラインゲーム業界長年の課題に挑んでいる。つまり,新ワールドにレベルキャップをつけたのだ。
「それのどこが画期的なのか?」と思う人も少なくないだろうが,通常,MMORPGで新規ワールドを増やす場合,新しいほうに経験値ボーナスを与えるなどして,早くワールド間の差をなくそうとすることが多い。まあ,新規コンテンツの追加タイミングをわざわざ変えたりする手間を考えると,揃えたほうが管理も楽そうで,プレイヤーが不公平感を感じることも少ないだろう。ただし,前述のようにコミュニティ形成では問題があると言わざるをえなかった。どちらを取るかの問題だが,あえてレベルキャップを付けるというのは,ありそうでなかった施策なのだ。
おそらく「レベル制限をすると,上級者がすぐに飽きてしまうのではないか?」と心配する人もいるだろう。しかし,GE Rは(詳しくは後述),キャラクターの1人や2人や3人をレベルキャップまで育てたとしても,まったく終わりではないゲームであり,レベルを制限する一方で,遊び方の幅に関しては「PvE」(対モンスター戦)だったり「PvP」(対人戦)だったり「PvE&PvP」だったりと,ほぼすべて開放されており,まさに「レベルだけ」制限された最新仕様のワールドとなっている。
大型ボスとの迫力の戦闘も楽しめる |
3人のキャラクターを操る独自のシステムが魅力 |
これによって,初心者はゲームのいろいろな遊び方をゆっくりと楽しみながら覚えていける。序盤は,やはり経験者のほうが有利かもしれないが,大きく差を付けられる心配はないだろう。近いレベル帯に経験者がいるということは,逆にいろんなことを教えてもらえ,交流が生まれるチャンスでもある。これはまったくの新規ゲームでは望めないメリットといえるだろう。
今後のコンテンツの開放は,運営インタビューでも完全に初心者のペースに合わせると宣言しているので,初心者を基準にしっかりと調整してくるのであろう。これによって,初期段階からしっかりとしたコミュニティが形成されることに期待したい。
ゲーム性は間違いなく「オンリーワン」
注意も必要だが,メリットも大きい
これからグラナド・エスパダの紹介を行わせてもらうが,まずストレートに事実を告げておきたい。
「モンスターをクリックし,何個かのスキルで敵を倒す」
「W/A/S/Dキーで移動しながらクリックで敵を倒す」
結構な数のオンラインゲームが上記のような流れで進むのだが,このゲームは,そんな暗黙のルールに従ったゲームではない。本作のシステムは非常に特徴的で似通ったゲームは存在しないといってよいだろう。身構えさせるわけではないが,実際のところ,今までやってきたMMORPGタイトルのプレイ感覚やセオリーは通用しないと思っておいたほうがよい。
自身のパーティを編成し開拓と冒険の旅へ |
仲間にしたNPCだけのパーティももちろん可能 |
一方,操作方法からして,ほかのタイトルとはかなり違う分,独自の楽しさも大いにある。本作独自のゲーム性は慣れてくると本当にハマる。それも男女問わず,誰もが楽しめるゲームに化けてくる。本音をいうとゲームシステムは,ちゃんと使いこなすとなるとちょっとややこしい。しかし,独特の仕組みさえ覚えてしまえばバリエーション豊かな戦闘システム,キャラクターを意のままに操り,立派な上級者へと成長できるのだ。初日で理解できず,肌に合わないと思った人も,数日はプレイしてみてほしい。
遠距離攻撃に特化したこんな編成・戦術もあり |
各キャラクター個別のスキルなどを細かに操作 |
クエストをガラッと調整,キャラ編入がスピーディに
仲間を増やし戦闘にバリエーションを
ゾーンマップを見て,「手紙マーク(クエスト)」をチェック。適正レベルが下方修正されているので,いきなりいろんなクエストを受けられる |
序盤のクエストでお世話になるリヴォルドウェのリンドン。彼の導きでプレイヤーは新大陸での開拓・冒険生活を始める |
ちなみに、リニューアル前のGE+と比較すると、クエスト周りの調整はかなり大胆で、ほとんどすべてのクエストで、必要レベル・適正レベルが下方修正されており、序盤からさまざまな展開を楽しめるようになった。
ここで本作におけるクエストとはなにか説明しよう。このゲームのクエストは大別して3種類,すなわち「メインクエスト」「仲間の編入クエスト」そして「サブクエスト」だ。
まず,ストーリーを進める役割となるメインクエスト(開始直後のリボルドウェであれば,リンドンから始まる)は,分かりやすく,かつ,かなり美味しい報酬がもらえるものとなっている。ドラマティックな展開と,随所に待ち受ける難関が刺激的で,クリアしていくのが素直に楽しい。ある種,王道RPG的な進行とゲームバランスといえるだろう。
ほかにも通常のNPCからの依頼をこなして報酬を得るタイプのサブクエストがあるのだが,これは,ある程度オンラインゲームに慣れた人には,とくに説明するまでもないものだろう。序盤ではほかのクエストも多いので,箸休め程度と考えておけばいいだろう。
さて,ここまで説明した3種類のクエストは,すべて適正レベル・内容・報酬が調整されている。新規プレイヤーにはあまり関係ないのだが,過去にプレイしたことのある人はちょっと期待してほしい。適正レベルは引き下げられ,早くから受けられるようになり,そしマゾさがカットされ,クリア報酬は豪華になっているという感じだ。
序盤からレアドロップも? バリエーション豊かな装備品
手応えのある戦闘と絶妙なバランス感覚
とはいえ,決して越えられない難度ではなく,苦戦する分,戦闘で得られるものも非常に美味しく設定されている。その最たるものが,さまざまなドロップアイテムだ。各種装備や,のちほど紹介するキーアイテムの存在である。
また,キャラクターのスキルや装備品を整え,特定の状況をいかに効率よく乗り切るか,3人のキャラクターの同時操作や,シチュエーションに応じて,どうパーティを組み替えるかといった,独特な攻略要素が楽しめる。これが分かる頃になるとGE Rにかなりハマってきているといえるだろう。
一方,リニューアル前のGE+では,序盤を(ある意味)「軽視」していたため,このような楽しみ方ができるのはかなり後半になってしまっていたのだが,ここへきてやっとゲームに合った楽しみ方ができるようなった気がしている。「常になにかしらのパラメータを気にしながら遊ぶ」というのは,GEに非常にマッチした遊び方ではないだろうか?
序盤からさまざまなシステムに利用される最重要アイテム
「輝く水晶」とは?
「輝く水晶」は頻繁にドロップするため,ひょっとしたら軽視されかねないアイテムかもしれないが,その実,GE Rの序盤から中盤,そしてそれ以降にも活用されるキーアイテムである。実際のところ「輝く水晶」には実に多くの役割があり,GE Rのゲーム進行と,本作をより楽しむために,大きな意味を持っている。さっそくだが「輝く水晶」の主な用途を示すと,
- 商店での装備品との交換
- ソケットあり装備(改良可能な装備)に"はめ込む"ことによるオプション(追加効果)の付加
- NPC(キャスト)の加入条件アイテムとしての利用
- 「昇級」の条件アイテムとしての利用
となる。つまり,序盤から冒険の準備・装備強化に欠かすことができないばかりか,中盤以降も本作の醍醐味である「仲間集め」や,よりいっそうのキャラクターの強化にも利用されることになるのだ。
レベル100以上への「昇級」も「輝く水晶」によって無料化 |
有料アイテムが必要だった一部NPCのほとんども「輝く水晶」などで仲間にできるようになった。有料アイテムでも実質半額だ |
「昇級」は,レベル100のキャラクターに対して,クラス専用の「装備品」「スタンス(スキル)」「レベルボーナス」といった恩恵を授けるものだ。これまでは昇級専用の有料アイテムを用いて「ベテラン」「エキスパート」「マスター」という具合に成長・覚醒をすることできたのだが,これが「輝く水晶」によって行えるようになる。
※ただし,GE Rでも有料アイテムによる覚醒では「ステータス」と「キャラ等級」に対するボーナスが付随する。
もう一つの「キャスト編入」では,NPCを仲間に加える際に,これまでは有料アイテム「神秘のパウダー」などを必要としていたNPCが何人かいたのだが,これも「輝く水晶」で編入できるようになった。もちろん用意すべき「輝く水晶」はそれなりの量が必要になるが,有料か無料かを,プレイヤーが選べるようになったのは大きい。
編入NPC「カリュケ」の場合
GE+ :神秘のパウダー×50個
GE R:神秘のパウダー×25個 または「輝く水晶」×150個
一方,この開拓民装備には少し問題があった。あまりにも簡単に手に入り,かつ強すぎたため,ほとんどの初心者プレイヤーが「装備品はずっと開拓民装備一択」という状況を作り出してしまっていたのだ。RPGの楽しみでもある「店の装備品をウィンドウショッピング」することもなく,モンスターからのあらゆるドロップ武器にも「どうせ開拓民装備のほうが強いわけだし」と,見向きもしない。正直,RPGとしてかなりもったいない状況が続いていたわけだ。
前述のように,モンスターからのドロップ品はグレードアップされており,なかには強化済み,ソケット加工済みのものまでが用意されている。たまに驚くようなアイテムも手に入るのだ。これと全体的なバランス調整によって,ある種,ハック&スラッシュに近いプレイフィールを持つようになっている。その手のゲームでは,キャラクターの能力や装備品を整えることで特定のシチュエーションをいかに効率よく乗り切るかという"マネジメント"部分が,遊び方のコアとなるわけだが,GE Rでは序盤からそのようなテイストになってきているのだ。
「輝く水晶」が登場したことも加えて,GE RではRPGに欠かせない楽しみであるショッピングや,モンスターからのドロップ品にワクワクする期待感と高揚感を十二分に味わえるようになった。ちなみに,「輝く水晶」がモンスターから落ちるときには非常に綺麗な音(キーン!)がする。音を聞いたら「とにかく必死に拾う」のだ。
コンシューマゲームライクなクエストに加え
数年間の実績が作り上げたボリュームのコンテンツ
GE Rのプレイ展開を簡単に紹介すると,レベル1〜50までは,コンシューマRPGのような感覚でゲームが進んでいく。GE R独自の要素をゆっくりと紹介しつつ,「メインクエスト」を中心としたストーリーが展開していくのだ。
そして,レベル50ぐらいから「脱初級者」向けのコンテンツが次々に登場してくる。新たな拠点となる街へ進むにつれ,仲間に加えることができるNPCの数も増えてくる。レベル50前後ともなると,ゲームスタート時に作成したキャラクターを主力に,数名のNPCを仲間に加えていることだろう。そして,現在のキャラクターだけではもの足りない部分や,具体的な課題,新たな遊び方が徐々に見えてくるはずだ。
大量のモンスターには範囲攻撃を使えるキャラがいないと厳しい |
攻撃力が高いユニークモンスターにはファイター系の体力が高いキャラがほしい |
こうしてプレイヤーが本作独自のシステムを覚え,「自分のプレイスタイル」を確立した頃合を見計らって,さらに幅広い遊び方が提示される。
例えばPvEを見てみよう。インスタンスミッション系だけでもかなり多彩である。モンスターから鍵を拾ってボスモンスターの討伐を目指すコンテンツ,1日1回だけできる大量のモンスター討伐,限られた時間にのみ開くシチュエーション別のイベントミッションと種類も豊富で,1つ1つを細かく紹介していたらキリがないくらいだ。
大量のモンスターが襲いくる防衛系ミッション。NPCと共に拠点を守りきろう |
ダンジョン最深部へのカギを利用して,隠されたボスモンスターに挑戦することも |
PvE&PvPも面白い。これはほかのプレイヤーとボス討伐を競争するコンテンツだ。ゲーム内ではスーパーファイトやチームアリーナと呼ばれているのだが,前者はオープンフィールドで行われるもので,後者はチームvs.チームで競争するインスタンスミッション形式のものだ。
チームアリーナの様子。多彩かつ,完成度の高いコンテンツが多い |
こちらはスーパーファイト。敵チームを妨害しつつモンスターを倒そう |
これらは往時の大型アップデートのメインコンテンツとして実装されてきたものなので,1つ1つしっかりと作られているのも特徴といえるだろう。
このように,レベル50〜100では,クエストやフィールド&ダンジョンマップでの戦いだけではなく,遊びの幅を広げるさまざまなコンテンツが用意されている。
そして,いつも使っているチームがレベル100になったとしよう。これで上級者になったのか? 残念ながらそんなことはまったくない。ここでやっと中級者くらいだろう。このゲームでは,3キャラだけレベル100にしても戦いの幅はまだまだ狭い。さらにいろいろなキャラを育てて,自分のチームを作り上げるのが,このゲームの醍醐味である。
そうしてこそ,レベル100からの中級者を対象としたコンテンツが味わえる。
そこに用意されているのは,大型ボスモンスター討伐でのレアアイテム集めや,毎週土曜日の21:00〜23:00に開催されるGvG的なコロニー戦などだ。
大型ボスモンスターも,MMORPG本来の競争を愛するプレイヤーや,日頃あまり競争に加わりたくない人などさまざまなプレイヤーの趣向に合うように,ミッション形式のものとフィールド形式のものの両方のパターンが作られている。
多くのキャラクターの組み合わせ,それに適した装備を集める喜び,その自分が追求した組み合わせをさまざまなパターンで試せる膨大なコンテンツ量,これらが巨大な「ハマるスパイラル」を形成している。これは,オンラインゲーム広しといえどもグラナド・エスパダだけが生み出せるオリジナリティといえるだろう。
あらためて遊んでみたくなるGE R
ということで,新連載を準備中
さて,そんなこんなで,なんだかちょうどいいタイミングなので,新生グラナドを紹介する意味でも(あと筆者的にフラフラと遊んでみたいという点も考慮して),来週からGE Rの新連載記事をお届けしようと思う。
内容的には,メインクエストを進めて――というよりは,序盤から中盤にかけて,GE Rをハック&スラッシュタイトルとして位置づけて,MCCの組み合わせを試したり,より効率のよい放置狩り(?)を試したりという具合に大陸を流浪したいと思っている。まぁ基本的にはヨタ話まみれでお届けする予定だが,GE Rに興味がある人はに一読していただければ幸いだ。
というわけで,全面リニューアルを完了した「グラナド・エスパダ ルネッサンス」を,ぜひ試してみてほしい。
「グラナド・エスパダ ルネッサンス」公式サイト
- 関連タイトル:
グラナド・エスパダ
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