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印刷2009/06/01 11:52

連載

海外ゲーム四天王 / 第2回:「Velvet Assassin」(後編)

海外ゲーム四天王 〜戦うおじさん〜
第2回:今週の美しき暗殺者:「Velbet Assassin」(後編)
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 さあ,ご一緒に。一,二,三,四天王! ……えーと,ご一緒にといっても無理かもしれないが,ともかく毎週月曜日は「4Gamerの海外ゲーム四天王」を自称する三人,すなわちライターの朝倉氏とUHAUHA氏,そして編集部の松本が新旧問わず硬軟問わず,面白そうな海外ゲームを次々に紹介していくという連載の日だ。そうなっちゃったのだから仕方がない。え,一人少ない? そんなちっぽけなことに関わっているヒマはないのだ。

 時まさにアメリカ時間6月2日から北米最大のゲームショウであるE3(Electronic Entertainment Expo)がロサンゼルスで開催されるというタイミングであり,海外ゲームファンにとってエキサイティングな一週間が始まろうとしているのだ。うーん,やはり海外ゲームはいいなあ,と強引にまとめつつ,今週も先週に引き続き,冷酷な女性暗殺者がドイツ兵をバタバタ倒して進むスニークアクションを松本が紹介しよう。

美しく無慈悲な暗殺者がドイツ軍相手に激しくミッションを繰り広げるVelvet Assassinは,ヨーロッパテイスト満載のスニークアクションだ

 

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 かつて「歩く47号」と呼ばれたこともある変装/スニークアクション好きの私が今週紹介するのは,ドイツのデベロッパ,Replay Studiosが制作した「Velvet Assassin」であり,早い話,先週の続きである。まず読者の人には,ドイツのメーカーが悪いドイツ兵をガンガン倒すというゲームを作ったことに軽く驚いてほしいが,無理にとはいわない。

 本作は第二次世界大戦たけなわのヨーロッパを舞台に,主人公のViolette Summerが,イギリス情報部のスパイとしてドイツ占領下のフランスやドイツ本国に潜入し,機密情報の収集や暗殺,破壊工作などを行うという三人称視点のアクションゲームである。
 前回も書いたような気がするが重要なので繰り返すと,「女スパイ」ではあるが,お色気作戦を発動して情報を聞き出すようなシーンはなく,タイトルどおり,鋭いナイフとサイレンサー装備の拳銃を携えた無慈悲な暗殺者として,闇を徘徊することになる。

 

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 最初のミッションは,フランス国内に作られた大規模な武器貯蔵基地に潜入して,爆弾を仕掛けるというものだ。マップは基本的にリニアな一本道だが,場所によっては割と込み入っており,それなりの行動の自由度がある。つまり,ミッションを達成するには「ガスマスク」と「爆発物」が必要だが,その二つは基地の別々の場所に保管してあり,どっちを先に奪取するかはプレイヤー次第というわけだ。ちなみに,こうした攻略ルートの選択がゲームにおける重要な要素になるのだが,私はほぼ勘でやっている。画面にミニマップなどは表示されないが,マップ画面を出すことは可能。ただし,やや分かりづらい気がする。

 

コラム:死体を隠せ! 効果の程は不明だが
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Violette Summerは,サム・フィッシャーばりに,敵の死体を担いで人目に付かないところにそっと隠せるのである。ただこの行為,どれほど重要性が高いかはよく分からない。ちなみに,敵AIの認識力は比較的高めの印象で,割と見つかりやすい

 

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 それぞれの局面でも,必ずしも「背後に回ってナイフでザックリ」が要求されるわけではない。携行弾数は少ないものの,面倒なときは銃を使ってもいいし,二度と戻ってこない場所なら敵をスルーしてもいいだろう。そういえば,「スプリンター・セル」でも敵全員スルーに挑戦して(中ボスと大ボスは倒さなくてはならないが)よく失敗したものだ。
 こういうデザインなので,マップがリニアとはいえ戦略を練る楽しみはある。ドアの前にがんばっているいかついドイツ兵,ハンス(命名,筆者)。口笛を吹いて注意を喚起し,のこのこやってきたところをグッサリいくか,銃を使うか,先週紹介したモルヒネモードを使うか,あるいは別のルートを探すか,それはあなた次第というわけ。
 もっとも,いつもいつもスニークしなくてはならないわけではなく,クライマックスでは防弾ベストに身を包み,ショットガンを抱え,当たるを幸い,ドイツ兵を次々になぎ倒していくようなシーンも出てくる。

 

コラム:ずっとスニークだけじゃツマランというわけで
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敵を気絶させるというチョイスはなく,情け容赦なく殺しまくり。これはどうもストーリーに関係しており,彼女は個人的にもドイツ軍に恨みを持っているようなのだ。ときどき,なんの脈絡もなく怪しげなカットシーンが挿入される

 

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 スニーク以外に変装も有効だ。敵の制服を手に入れた場合,トイレなどで着替えることができ,ナチスの女性将校などに扮してミッションを遂行可能。重要なのでここで強調しておくが,着替えるシーンは出てこない。えーと……残念。
 とはいえ,ドイツ兵にあまり接近すると,なんでか知らないがバレてしまうので,移動ルートには気をつかわなくてはならない。「バレてる度」は,画面に表示されるバーで分かるが,それにしてもなんでバレちゃうのだろう。どこから見てもナチス将校なのに。

 スニーク主体のゲームシステムと,美しいが,どこか現実離れしたグラフィックス。そして,先週も書いたように,「すべてが彼女の記憶の中の出来事」という設定など,アメリカ製ゲームとはどこかが違うヨーロピアンテイストが味わえるこのVelvet Assassin。
 ドイツの潜水艦基地に潜入するミッションでは,テカテカのボンデージ風ファッションに着替えて登場しているので,今後,いろんな衣装を着た彼女が出てくるのかもしれないと思うと,マウスを握る手にも力が入ってしまうのだ。すでに軽く300回ぐらいは死んでいると思うが,妖しい雰囲気の漂う彼女の運命をぜひ知りたいと思う。ときおり,なんの脈絡もなく挿入されるカットシーンも意味深だなあ……。
 というわけで,ちょっと変わった風味の海外ゲームをプレイしたいと思う人は,ぜひどうぞ。

 

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■■松本隆一(四天王)■■
最近買った本は,「図解 よく分かる半導体製造機械」だという松本。図が多くてよく分かると喜んでいるが,半導体製造機械がよく分かったところで現実にどういういいことがあるのかはよく分かっていないとのこと。まあ,いくつになっても知識を増やすのは大切だ。ちなみに,Activisionの「PROTOTYPE」(2009年6月9日発売予定)も発売と同時にプレイする予定だ。
  • 関連タイトル:

    Velvet Assassin

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