企画記事
懐かしのMMORPG体験ツアー第2弾。「メイプルストーリー」でカオスなアバター世界を体験する
第1弾では「リネージュ」を体験。ダンジョンの中ではモブに殺され,レイドでは難易度「易」なのに瞬殺され,剣を10本渡されれば10本とも蒸発させるというプレイを見せた筆者。第2弾も続投らしい。
第1弾が終わるや否や「次は弊社が担当します」と,颯爽と現れたのがオンラインゲームの老舗ネクソンさんだ。“オンラインゲームはネクソン”と謳うだけあって,現在も「マビノギ」や「テイルズウィーバー」,「アラド戦記」などなど,たくさんのタイトルをサービスしている。そんな有名タイトルが並ぶ中から,今回の体験に選ばれたMMORPGは「メイプルストーリー」だ!
「メイプルストーリー」ってご存知ですか? と言われればもちろん名前は知っているし,名前が挙がった時から脳内ではずっと「メイプルメイプルぷーるぷる」というTVCMのキャッチコピーが無限ループで流れている。ちなみに,このキャッチコピーはまだまだ現役らしく,最近作られたCMでも使われているのだとか。
話が逸れてしまったが,筆者にとっては“2D横スクロールでアバターがカオスなゲーム”という印象しかなく,「メイプルストーリー」がどういうゲーム内容なのかあまりよく知らない(ごめんなさい!)。それを聞いたプロモーション担当さんは,「全然大丈夫ですよ。その方が楽しめると思いますし」とにっこり笑ってくれたのだが,そこは(あっ。これはまたゲームの中で殺されるやつだ……と)悟りつつ,今回も初めてのゲーム体験が待つネクソンの撮影スタジオに単身向かうのだった……。
懐かしのMMORPG体験ツアー第1弾。初代「リネージュ」で,ままならぬクラシカルMMORPGを遊ぶ
日本オンラインゲーム協会が企画する,懐かしのMMORPG体験ツアーに,4Gamer編集部のスタッフが参加することとなった。第1弾は2002年に国内サービスが始まった,MMORPG「リネージュ」だ。MMORPGなどまるで知らないスタッフに,およそ20年前のMMORPGはどう映るのだろうか。
「メイプルストーリー」公式サイト
まずはサービス初期からある「冒険者」でプレイ
16年の年季を感じてみる
ネクソンスタッフ3,4人に囲まれてすごい圧を感じる中,まずは新規キャラクター作成からスタート。「メイプルストーリー」は今年で16周年と長く続いているタイトルなだけあって,選べる職業が非常に多い。現在は全部で45職もある。
今回はサービス開始時からある職業と,最近追加された新しい職業を遊び比べてほしいとのリクエストをもらった。なんでも「最近の職業は序盤から扱いやすいうえに,手厚くサポートされている」らしいので,最初は16年前からある職業で昔ながらの遊び方を体感してほしいと。なるほど。
ということで,まずはサービス開始当初からある「冒険者」で遊んでみる。第1弾の「リネージュ」でも聞いた気がするのだが,念のため「後から変更出来ますか?」と聞いてみると,「一部変更できるものもありますが,基本できないと思ってもらった方が良いです」との返答。「リネージュ」もそうだったし,そもそもMMORPGを1キャラクターで済まそうという筆者の考えの方がおかしいのだろうか。
キャラクターメイクは顔や髪形,衣装や武器など,ドット調2Dならではのシンプルさ。最初に選べるパーツは少ないので,どれを選んでもいい塩梅になる気がする。見た目は後からどんどん変更して行けるので,最初のキャラクターメイクにそこまで時間をかけなくてもいい。
あとはキャラクターネームを付ければゲームが始まるわけだが,これがまぁ,使用済みの名前と被りまくってなかなか決まらない。先ほど言ったように,職業が多いため複数キャラを育てるのが当たり前となっているので,よくありそうな名前はほとんどが使用済みとなっているのだ。筆者のペンネーム「鼬」も「いたち」も既に使われていたので,頭を悩ませていると「頭に卍とか,✝とか付けてみてください!」と,スタッフにやたらと「卍」を勧められる。なるほど,これが頭に記号を入れている人が大量にいた理由だったのか(?)。
いよいよゲームがスタート。まずはチュートリアルをこなしていく。操作は移動がキーボードの[←/↑/↓/→]で,ジャンプが[C],攻撃が[X]と何やら独特な配置だ。一般的な[W/A/S/D]移動と比べると,左右の手で移動とアクションの役割が逆になるようで,普段キーボードでPCゲームを遊んでいる人にとってはなかなかの違和感だということらしい。筆者はそれ以前の問題で,ただただキーボード操作が難しく感じた。
「冒険者」職のチュートリアルは昔ながら感バリバリである。とりあえずモンスターを狩って来いと言われてフィールドに放り出され,アイテムを拾ってこいと言われれば1つ手前のフィールドまでアイテムを探しに行く。さすが16年前からある職業だ。どのゲームの序盤にもある「お使い」が悪びれもせずどストレートで立て続けに発生する。
序盤はもちろん弱いモンスターが相手なので,そんな難しいことはないだろうと思っていたのだが,モンスターの多さにまず驚く。なんで君たちそんなみっちり生息しているのか……。あと,序盤のモンスターがメイプルキノコじゃなくてちょっとガッカリ。
メイプルストーリーの戦闘は,スキルを使って複数の敵を一気に倒していくのが基本となるようだ(まぁ,この数だし)。ジャンプや空中ダッシュのような移動スキルもあって,敵の攻撃を回避したり,ステージを大きく移動しながら戦うアクション性の高さが特徴的。
個人的にびっくりしたのは,敵を倒したら即座と言っていいほど速いスピードで敵がPOPすること。フィールドのモンスターがまったく減っている気がしないし,背後から現れて囲まれることもたびたびある。ジャンプだ空中ダッシュだなんて言っているが,初心者にそんなキビキビした動きができるわけもなく,結局はひぃひぃ言いながらスキルボタンを連打して,ポーションがぶ飲みの戦闘をすることになった。
1時間ほどチュートリアルを進めていくと,ようやくレベルが10になり,1次転職が可能になった。ここから戦士や魔法使い,弓使い,盗賊,海賊と職業の系統が分かれていくようだ。
最近実装した職業なら手厚いサポートを受けられる
新職「パスファインダー」を体験
次に,2019年7月10日に実装された最新職業「パスファインダー」を体験してみる。ゲームを開始すると,綺麗なアニメ風なカットシーンと共にオリジナルストーリーが展開される。これ,本当に同じゲームなのか? さっきまでのとUIまで全く違うものに変更されている。
ゲーム画面に進んでも,グラフィックスが断然綺麗だし,キャラクターが移動するのに合わせて背景も動いたり,いろいろと進化している。何よりチュートリアルがとても親切だ。「冒険者」の最初なんて,モンスターを倒せと言われてもフィールドに段差があって,ジャンプの仕方も分からずしばらくウロウロしてたと言うのに。
パスファインダーはオリジナルストーリーの中にチュートリアルが組み込まれている。冒険者の“THE チュートリアル”みたいな感じではなく,話を進めながら移動の仕方や,操作方法を学んでいくようだ。
少しチュートリアルを進めると,Lv10になり1次転職をさせてもらえる。いやいや,ちょっと待てよ? 冒険者はLv10にするのに1時間弱かかったんですけど。パスファインダーは10分かからずにLv10になるの?
先に体験した冒険者は近接アクションがメインのキャラクターだったが,パスファインダーは弓職なので,離れた場所から攻撃が可能だ。しかも,序盤から強力なスキルを取得できるので,数字がバババッと表示される画面が早い段階で見られた。実際に見てみると,数字が多すぎて何ダメージ入ってるのかさっぱりわからないが,なんだか爽快。
これから新規で始めたり,久々にプレイしてみようという人はパスファインダーのような新しい職業から手をつけるとサクサクとゲームが進められるはず(その後に違う職業を使い始めるのもなかなか辛そうではあるが)。
チュートリアルを終わらせるとゲーム本編へ合流し,他の職業と共通のクエストを受注できるようになる。ここでちょっと面白かったのが,チュートリアル(2019年)から,ゲーム本編(2003年)に進むことで時代の逆行を感じることになったこと。さっきまで中二っぽくしゃべっていたパスファインダーだが,途端に個性が消えてしまって……(笑)。2003年ってこんな感じなんですね。
チュートリアルはすぐ終了
待ち構えるはコンテンツの山
チュートリアルが終了すると,その後はフィールドにポイっと放り出される。お? やっぱりMMORPGってこんな感じか! 筆者はこの当時のMMORPGは不親切でマゾい物だと信じてやまないので,フィールドに放り出されるぐらいは普通だと思っている。
どうやらここからは自由に何をしても良いらしい。狩りをして一気にレベルアップを目指すも良し,目の前にあるクエストを攻略するも良し。ただ,自由すぎるとかえって何もできない人も中にはいるのだ。筆者がまさにそのタイプ。そんな人のために,「メイプルガイド」と呼ばれる,そのレベル帯で遊べるコンテンツ一覧を表示してくれる便利機能がある。ここには「テーマダンジョン」や「ボス」が表示されるので,ゲームの手順通りに進行したい人はこのガイドに従えば良い。
今回はせっかくなので,レベル200のキャラクターを用意してもらい,実際にボスに挑んでみることにした。ちなみに,現在「メイプルストーリー」のレベルキャップは275となっており,最近5人目のカンスト者が出たらしい。昔と比べると格段にレベル上げがしやすくなっており,レベル200までは到達しやすくなっているとのこと。
本来であればパーティを組んで挑むところだが,ほとんどのコンテンツがソロで攻略可能となっている。MMORPGでそれもどうなの? と思う人もいるかもしれないが,個人的にはマッチングに長時間待たされるぐらいなら,サクサク攻略できるに越したことはないと思う。もちろん,中盤以降のコンテンツでは難度が上がってくるのでパーティプレイが必要となってくるそうだ。
今回も「簡単だから行けるでしょ」なノリで,レベル200よりも低いレベルで挑戦できるボスに挑んでみたのだが,まるで「ジュッ」と溶けるように一瞬でボスに殺されるのだった。今回の体験は順調だったから,死なないと思っていたのに……。
ボスとの戦いはまさにアクションゲームだ。ボスが繰り出す攻撃に少しでも触れようものなら瞬殺される。使用しているキャラクターがパスファインダーなので,遠隔キャラ特有のペラペラな防御力のせいもあるだろうが,めっちゃ難しくない!?
(瞬殺されたのはボスのギミックのせいだったらしい)
とにかく死なないようチクチクと攻撃を続けてなんとかボスを倒すことに成功。こりゃもっと強いボスはさぞ大変なのだろう。ちなみに,いまだに倒されていない難攻不落のボスもいるのだとか。
情報量が多すぎる……!!
メイプルはアバターを着飾ってなんぼの世界
皆さんはご存知ですか? 「メイプルストーリー」はMMORPGで初めて“ガチャシステム”を導入したゲームであることを。
ガチャで入手できるものはアバターの見た目を彩るアイテムであったり,髪型や顔など,要するに見た目をデコるアイテムだ。髪型を変更する美容院はまだわかるが,顔を変える際には「整形外科」へ行くので,これにはちょっと笑ってしまった。
今回は運試しを兼ねて,アイテムがランダムで登場するボックスを15個開けてみることにした。別に当たりハズレという概念はないのだが,強いて言うなら使用期限が決められていない,永続アイテムが当たりらしい。
ボックスを開けてみると,うさ耳やアイマスク,キツネのお面,カジュアルなジャケットやズボンなどなど,いろんなアイテムが出てくる。さっきまで中二っぽかったパスファインダーが,一気にチャラいおふざけお兄さんになってしまった。ちなみに,「永続アイテムはそこそこ出ますよ」と言われていたが,15個とも全部期限付きアイテムだったよ……。この流れ,知ってた。
世界観など一切気にしないカオスっぷりの一端が見えたと思うが,「メイプルストーリー」はとにかくアバターの情報量が多すぎて,一般プレイヤーが通り過ぎるたびに「すげぇ」と言葉を漏らしてしまうほどカオス極まっている。
初めて見た時は,どこからどこまでがその人のキャラクターなのかわからなかった。名前や称号,複数匹のペットにアンドロイドまで引き連れ,腰かけている椅子にまで様々なデザインがある。おまけに「ポプテピピック」や「鋼の錬金術師」,「魔法陣グルグル」,「エヴァンゲリオン」などいろいろなアニメ作品ともコラボしているので,もうとにかく“カオス”としか言いようがない世界が広がっているのだ。
MMORPGって,人に自慢できるような強い武器とか防具を装備するものなのでは? と聞いてみたところ「強い装備を求めるプレイヤーもいますが,アバターをオシャレにすることに全力を注ぐ人もいますよ」とのことで,サービス16年目にもなると遊び方は千差万別のようだ。
プレイヤーが大勢集まっているエリアに行ってみると,情報量の多さに目がくらみそうになる。そしてやっぱり自分のキャラがどこにいるかわからない。
今回「メイプルストーリー」を5時間ほどプレイしてみて,他のMMORPGとは全く異なるアクション性の高さに驚いた。それもあってか,5時間プレイしても難しい内容はほとんど出て来なかったので,うまく操作すればゲームを進めて行けるカジュアルさも感じた。
筆者の知り合いには「小学生や,中学生の頃に遊んでたよ!」なんて言う人もいるぐらいだし,サービス当初の年齢層の低さにはこれまた驚くが,このゲーム内容ならたしかにそれぐらいの年齢の人でも取っつきやすく,十分に遊べたのだろう。ただ,年齢層の低さ故にSS詐欺事件※をはじめとするさまざまな事件が起こったりして大変だったようだ(笑)。
※SS詐欺事件……ブログ掲載などを目的に「スクリーンショットを撮りたいので,装備を地面に置いてくれませんか?」と話しかけられ,装備を置くとそのまま持ち逃げされてしまう事件。今聞くと話の流れすら意味不明だが,当時はこれが横行していたのだとか。
昔らしさが多く残っているのが良くも悪くも印象的だったが,それにしても16年経った今でも新たな職業を追加するなど,ここまでアップデートを頻繁に行っているMMORPGもなかなか無いように感じる。新しいコンテンツ見たさに新規で始めたり,久々にプレイしてみるのも面白いだろう。
さて,これでJOGAが企画したツアーも残すところ2タイトルとなった。果たして次のタイトルでは死なずに,そして運を発揮する機会は訪れるのだろうか。その前に,次のタイトルも筆者に降ってくるのだろうか。
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メイプルストーリー
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