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「メイプルストーリー」運営開発チームへの合同インタビューを掲載。「RED」アップデートで新職業「神の子 ゼロ」や新システム「交易」などが実装
- ネクソン 運用チーム 中西啓太氏
- ネクソン メイプル本部 ライブ2室 室長 ベク・ドゥサン氏
- ネクソン メイプル本部 本部長 オ・ハンビョル氏
- ネクソン メイプル本部 ライブ2室 日本メイプルチーム チーム長 ミン・ヨンミ氏
- ネクソン メイプル本部 ライブ2室 メイプルブーストチーム チーム長 キム・ヒョンソン氏
サービス10年を迎えて,今「冒険者」をリニューアルする理由とは?
──まずは本日行われた,オフライン感謝祭の感想をお願いします。
実は,(初のオフラインイベントということで)もし来場者が少なかったらどうしようと心配していたんです。しかし受け付けが始まると大変多くの方がいらっしゃったので,メイプルストーリーが支持されているのだとあらためて感じました。今後は,こうやってプレイヤーの皆さんと接する機会を増やしていきたいです。
──これまでの10年を振り返って,思うところを教えてください。
オ・ハンビョル氏:
アップデートごとにコンセプトを変えてきましたし,プレイヤーのニーズも年々変わりますから,この10年間,毎年,新作に取り組むつもりで開発を続けてきました。そうやって3年,5年,7年とノウハウを蓄積しながらやってきて,もう10年になるのかと思うと,感無量ですね。まだまだお見せしたいものはたくさんありますから,今後の10年をどう展開すべきか考え始めているところです。
サービスイン当時と今とでは,プレイヤーさんの動向が大きく変わったと感じています。
アイテム課金を導入したときや,ゲームバランスが大きく変わった「BIGBANG」アップデートのときなど,プレイに影響を与えるタイミングでは,離脱する方も見受けられました。今後の取り組みとしては,新規獲得と並行して,離脱した方をいかに呼び戻すかということが大きな課題だと思っています。
──「RED」アップデートで,冒険者を改変するのも,そうした取り組みの一環ですか?
中西啓太氏:
そのとおりです。また,4次転職の先,5次転職も早く実装してほしいというご意見もいただいており,職業の改変は,古くから遊んでいらっしゃる方にインパクトを与える要素と捉えています。
キム・ヒョンソン氏:
冒険者は,「メイプルストーリー」のサービスイン当初から存在していた職業です。メイプルストーリーでは,そのときどきのトレンドに合わせて職業が追加されてきましたが,その中で,冒険者は少々古臭い印象になってしまいました。そこでスキル改変に合わせて,外見にも新しい要素を入れようと考えたのです。
──冒険者の新しい髪形と顔は,新規にキャラクターを作るときに選べるんですよね。
中西啓太氏:
はい。今回のアップデート時点では,既存のキャラクターでは利用できません。もし,新しい髪形や顔に人気が出るようでしたら,あとから変更可能アイテムなどで対応する予定です。
──冒険者はスキルも改変されますが,そのコンセプトを教えてください。
あとから実装された職業より,スキルが弱いという評価がありましたので,全体的に強化を図りつつ,各職業の特徴を生かすような方向付けをしています。たとえば槍を使う職業は,最終的に「ダークナイト」を目指すことになるので,それに合わせてエフェクトを暗めにしたり,あるいは魔法使いであれば直感的に火と氷を扱うことが分かるようにしたりしています。
──「自由転職システム」についても教えてください。
キム・ヒョンソン氏:
冒険者は,戦士,魔法使い,弓使いのいずれかを選んで育成していきますが,ほかの職業よりレベルアップが難しくなっています。もし,ほかの職業を体験してみたいと考えたときに,その過程を最初からやり直すのはなかなか大変ですから,4次転職まで終えている方であれば,もっと簡単にほかの職業を体験できてもいいんじゃないかと考えました。
ストーリーを重視した「RED」アップデートのコンテンツ
──新職業「神の子 ゼロ」について教えてください。
ミン・ヨンミ氏:
ゼロは,暗黒の魔法使いが封印した,時間の女神の後継者として誕生しました。もともとはゼロは1人だったのですが,暗黒の魔法使い達の計略により,鏡の世界に閉じ込められ,ゼロが持つ力を「アルファ」と「ベータ」に分離させられてしまったのです。
オ・ハンビョル氏:
ストーリーでは,暗黒の魔法使いの仕打ちを知ったゼロが,鏡の世界を抜け出して,本当の力を取り戻す過程を描いています。
──ゼロは,アルファとベータを使い分けて戦うことになるんですよね。
はい,それを「タッグシステム」と呼んでいます。太刀を使うアルファは,フィールドでの戦闘に向いています。一方,大剣を使うベータは,ボス戦に向いているので,ゲームの局面に合わせて双方を使い分けられるのが特徴です。また二人同時に戦う「アシスト」や,スキルを連携する「コンビネーション」といった要素もあります。
──ゼロについて,先行実装されている韓国での反響などを教えてください。
オ・ハンビョル氏:
これまでの職業とは違った,ストーリーを重視した展開などが好評です。「日本のRPGのようだ」という感想もありました。
──新大陸の「ドーンヴェール」もまた,ストーリー性を強めていくとのことですが。
ベク・ドゥサン氏:
はい。開発チームとしては,これまで描いてきた「英雄vs暗黒の魔法使い」という善悪の対決だけでなく,もっと多様な世界観や冒険譚を描いていきたいと考えています。
──ドーンヴェールには,昼夜の概念が導入されるそうですね。
キム・ヒョンソン氏:
昼は30分程度,夜は10分程度のサイクルになります。夜にしか出現しないモンスターを討伐するクエストも登場します。
──それでは新コンテンツの「交易」システムについて教えてください。これは韓国でもまだ実装されていないとのことですが。
中西啓太氏:
はい。日本などで先行実装された後,韓国での実装が予定されています。
これまでのコンテンツは,韓国で先行実装して,そのあと各国で展開するというパターンがほとんどでした。そのため,期待感が下がってしまっていたことは否めません。そこで今回は,韓国以外の国から新コンテンツを実装していくという形式にしたんです。これは新職業「ビーストテイマー」も同様です。
オ・ハンビョル氏:
この10年で,メイプルストーリーがサービスされている各国に合わせた展開が行えるようになりました。リクエストを寄せていただけば,またこうした取り組みができると思います。
──交易の途中には,敵の襲撃があるとのことですが。
キム・ヒョンソン氏:
フィールドと同じような戦闘が発生します。また,船自体もスキルを持っており,デバフを掛けたり砲弾を撃ったりできます。この船のスキルは,プレイヤーのスキル同様,スロットに登録可能です。比率でいうと,プレイヤーの強さが7,船が3といったところでしょうか。
──もし,襲撃でプレイヤーが負けてしまったらどうなるのでしょう?
キム・ヒョンソン氏:
負けても,その回の交易は続きます。交易の報酬は,目的地と交易品が合致しているかなど,いくつかの要素で変動します。戦闘をいかに早く終わらせるかも1つの要素になっているのですが,戦闘不能状態に陥った場合は戦闘時間がMAXになってしまいますから,そのぶん報酬のグレードが下がります。
──1回の交易には,どのくらいの時間が掛かるんですか?
キム・ヒョンソン氏:
目的地との距離に左右されますが,早ければ3分程度,遠ければ30分掛かることもあります。あとはキャラクターと船の強さも関係します。
──交易の報酬の内容を教えてもらえますか?
ミン・ヨンミ氏:
交易の報酬は,「交易コイン」です。このコインを消費して,レベル160アクセサリ類アイテムを購入することができます。
キム・ヒョンソン氏:
また襲撃では,ボスモンスターが登場することもあります。このボスを討伐すると,稀にレベル160武器と防具をドロップします。今のところ,レベル160武具は交易を通じてしか入手できません。
──交易の目的地は,これまでメイプルストーリーに登場した場所ですか?
キム・ヒョンソン氏:
既存の地域に加えて,新たにドーンヴェール内の地域が登場します。既存地域は,「この貿易品を持っていくといいんじゃないか?」と予想できるような設定にしています。
──交易は1人でプレイするコンテンツになるのでしょうか。
キム・ヒョンソン氏:
当初はそうです。現在,パーティ向けの交易も開発していますので,期待してください。
メイプルストーリー本来の魅力を表現するビーストテイマー
ベク・ドゥサン氏:
ここ数年の新職業というと,シリアスな設定がほとんどでしたよね。しかしメイプルストーリーは,可愛らしさやコミカルな部分が特徴のタイトルです。そこで,久しぶりに可愛らしくハツラツとしたキャラクターにしてみました。感謝祭では「可愛い!」という歓声も上がっていたので,非常にうれしかったです。プレイフィールや,転職などの育成面で,ほかの職業と異なる部分がありますので,新鮮な気持ちで楽しんでいただけるのではないでしょうか。
オ・ハンビョル氏:
ビーストテイマーは,別途チームを組んで開発に注力しています。「シリアスなキャラクターはもう十分」と思っている方には,いい刺激になると思います。
──日本の「メイプルストーリー」プレイヤーに向けて,メッセージをお願いします。
オ・ハンビョル氏:
長い間,プレイを続けてくださっている皆さんのおかげで,私達も責任感を持って開発できています。10周年を迎えられてうれしく思う反面,今後も引き続きプレイしていただくためにどうすればいいのか,真剣に考えています。常に新しく,かつ求められるコンテンツを企画開発していきますので,今後もご期待ください。
ミン・ヨンミ氏:
今回のアップデートでは,「革命的な改変」「発展的なサービス」「楽しいコンテンツの提供」をテーマに掲げています。そうした新コンテンツ開発と並行して,皆さんが望まれる不具合の修正にも努めていきますので,今後もよろしくお願いします。
中西啓太氏:
プレイヤーの皆さんが遊んでくださったからこそ,ここまで続けてこられたと思っています。今後は最初にお話したとおり,離脱される方をいかにして少なくするかが大きな課題です。これからまた10年続けられるよう,アンケートなどで,皆さんのご意見をこれまで以上に取り入れる場を設けますので,ぜひご協力をお願いします。
──ありがとうございました。
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