インタビュー
MMORPG「眠らない大陸クロノス」スタッフインタビューを掲載。開発と運営の連携強化により,アップデートや大型イベントが続々実施可能に
このような活発化の背景には,2010年から実施されている開発・運営体制の変更があるようだ。そこで今回,ゲームオン,および本作の開発元である韓国Game On STUDIOのスタッフにインタビューし,いろいろと聞いてきたのでお伝えしよう。
なお今回,インタビューに応じてくれたのは以下の4名だ。
・ゲームオン 第三事業部 部長 麥谷将人氏
・クロノス運営アシスタントプロデューサー 己越千清氏
・韓国Game On STUDIO CEO キム・ジョンチャン氏
・クロノス開発プロデューサー シム・ヒョンソ氏
「眠らない大陸クロノス」公式サイト
休眠プレイヤーの掘り起こしを目的としたイベント「神々の祝福」は狙いどおり盛況に
本日はよろしくお願いします。クロノスでは2010年秋に,開発がゲームオンの子会社であるGame On STUDIOに移管されましたが,その後,運営面での変更点はありましたか?
麥谷将人氏(以下,麥谷氏):
Game On STUDIOとの協力体制を強化するため,2011年4月,運営チームが掲げる方針を見直し,今後は運営面のスピード感を打ち出していくことになりました。
その第1弾となるのが,現在開催中のゲーム内イベント「神々の祝福」です。
4Gamer:
イベント内容をあらためて説明してください。
このイベントは,プレイヤーに短期間でキャラクターレベルを高めてもらうことを目的とするもので,通常のサーバーより獲得経験値が極めて高い「神サーバ」(関連記事)を使用して実施されています。神サーバで育成したキャラは,通常のサーバーへ移行できます。
4Gamer:
つまり,ベテランプレイヤーと,新規/休眠プレイヤーのキャラクターレベル格差の解消を意図したイベントですね。
麥谷氏:
最大の目的は,コミュニティの活性化です。韓国では,2010年8月に同様のイベントが先行して行われ,好評を博しましたが,従来の日本での運営方針だと,正直なところいつ実現できるか分かりませんでした。
とはいえ今回,運営のスピード感を高めることに決めたわけですから,可能な限り早く開催しようという話になったんです。
韓国では,現在日本で開催しているのと同様のイベントを,「第1期」として2010年8〜10月の3か月間実施しました。そして今韓国では,仕様の異なる「第2期」を開催中です。
4Gamer:
日本での開催は3週間となっていますが,なぜですか?
麥谷氏:
日本のプレイヤーは,非常に熱心にプレイする傾向があります。そのため,韓国と同じく3か月間開催すると,中だるみしてしまう恐れがあるんです。
4Gamer:
なるほど。ところで,このイベントを日本で開催することが決まったのはいつ頃ですか?
麥谷氏:
運営方針が変更になってからなので,4月中旬頃です。
4Gamer:
そこからローカライズを始めて,5月末から開催となると,結構タイトなスケジュールだったんじゃありませんか?
麥谷氏:
ええ,非常にハードでしたね。
シム氏:
一度韓国で開催しているイベントなので,開発する立場としては,システム的に大きな問題はありませんでした。とはいえ,日本向けの仕様をどうするか,運営チームと話を詰めるのに時間がかかり,実作業の時間は限られてしまいました。
4Gamer:
とくに,どのあたりに時間がかかったんですか?
麥谷氏:
神サーバで育成したキャラクターを通常サーバーに移行するとき,入手したアイテムを持っていけるようにするかどうかという点です。日本のプレイヤーには,キャラクターのレベルが高くなっても,それに見合ったアイテムがないとモチベーションが大きく下がってしまうという傾向が見られます。それでは,コミュニティの活性化という,そもそもの目的を達成できません。
その一方,神サーバのアイテムドロップ率は通常サーバーよりも高めに設定されています。神サーバで入手したアイテムすべてが通常サーバーに持ち込まれた場合,ゲームバランスは大きく崩れてしまうでしょう。
そこで,最強クラスのアイテム以外はほとんどすべて移行できるようにしましたが,その結論に落ち着くまでが大変でした。
実際,イベントに対するプレイヤーの評価はどうですか?
麥谷氏:
開始してからまだ1週間程度ですが,おおむね好評です。これまで時間をかけてキャラクターを育ててきた人から反発があるんじゃないかと予想していましたが,実際にはその点に関する不満などはほとんどありませんでした。
とくに,何らかの理由でクロノスをしばらく遊んでいなかったという休眠プレイヤーに好評で,今,神サーバは活気にあふれています。
4Gamer:
当初の狙いが当たったわけですね。
麥谷氏:
一方で,継続して遊んできた人からは,すべてのアイテムを通常サーバーに移行できないことへの不満が寄せられています。先ほど話したように,ゲームバランスに関係する部分なのでご了承ください。
4Gamer:
神サーバは,「1日でレベル100になれる」と謳われていますが,実際,達成したプレイヤーはいるんでしょうか。
麥谷氏:
今のところ38人です。運営チームが事前にテストしたときは,16時間でレベル100に到達しましたが,それより速い人もいました。
己越千清氏(以下,己越氏):
予想よりも速いペースで続々と達成者が出ていることに驚いています。プレイヤーの皆さんには,以前から熱心にイベントへ参加してもらっていますが,ここまでとは……。本当にありがたく思っています。
シム氏:
予想を上回る反響があり,開発チームとしてもうれしい限りです。実は,開発スタッフにも日本の神サーバでプレイしている者がいますが,まだ最高でレベル85くらいなんですよ(笑)。
2年ぶりに開催される人気PvPイベント「コロッセウム」。総額100万円相当の賞品も
神々の祝福に関連して,6月18〜19日にPvPイベント「コロッセウム」が開催されますよね。
己越氏:
コロッセウムはクロノス最大規模のPvPイベントで,スポーツ的な要素が人気です。参加プレイヤーは,まず専用サーバーで新キャラクターを作成し,1時間50分かけてキャラクターの育成とアイテムの収集を行います。そして,育てたキャラクターと集めたアイテムを使って,10分間対人戦を行うんです。
4Gamer:
コロッセウムはずいぶん久しぶりに開催されるそうですが,何か事情があったんでしょうか。
己越氏:
前回開催したのは2009年です。2010年は「地域占領戦」が追加されたこともあり,コロッセウムの開催を見合わせていました。
麥谷氏:
今回コロッセウムを開催することになったのも運営方針の変更と関係があるんですが,以前は,新たなコンテンツがある場合,そちらを優先することにしていました。
また,そもそも神々の祝福は,神サーバとコロッセウムで1セットのイベントなんです。コロッセウム自体は2009年まで人気のあったイベントなので,休眠プレイヤーに訴求するという意味も含めて開催を決めました。
4Gamer:
リリースには,「超BIGな賞品」を用意しているとありますが,具体的にはどんな賞品ですか?
麥谷氏:
詳細は別途発表しますが,お笑い芸人の大西ライオンさんを起用し,総額100万円相当のBitCashを争奪するといった内容になります(関連記事)。
4Gamer:
全体的に,大掛かりなイベントになりそうですね。
麥谷氏:
ええ,これまでクロノスでは,こういった試みはあまり行ってきませんでした。しかし,Game On STUDIOが開発を手がけるようになり,また運営方針を変更したこの機会に,強くアピールしようと考えたんです。
4Gamer:
それでは,初めて,あるいは久しぶりにコロッセウムに挑戦するという人に向けて,プレイ上のコツなどがあればぜひ教えてください。
己越氏:
やはり,1時間50分の育成/収集時間をどう使うかがポイントになります。マップが,経験値獲得用とアイテム収集用に分かれているので,皆が一斉にどちらかに集中してしまうと,それだけ効率が下がります。全体の状況を把握し,皆が経験値マップに集中しているときは収集マップに行くといった判断が重要となるでしょう。
またPvP本番では,レベルの高い相手を倒すと,それだけ高いポイントを獲得できます。つまり,より高レベルの相手を倒したほうが有利となるんです。
シム氏:
コミュニティ強化を意図して開発したコンテンツなので,パーティプレイを楽しんでほしいと思います。
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