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[GDC 2024]「もはやWarcraftは我々だけのものではない」人気IPの30年を振り返る
「Warcraft II: Tides of Darkness」(1995年)と「Warcraft III: Reign of Chaos」(2002年)を加えた,RTSシリーズの三部作に加えて,今年で20周年となる「World of Warcraft」(2004年),同じく10周年を迎えた「ハースストーン」(2014年),そして昨年リリースされたばかりの「ウォークラフト ランブル」(2023年)があり,それぞれの拡張パックを含めると,相当な数の作品が30年の間にリリースされてきたことになる。
1993年にThe 3DO Companyに入社して以降,Electronic ArtsやSony Computer Entertainment America(現SIE)を渡り歩いてきたハイト氏は,「ウォークラフト」フランチャイズの歴史すべてを実体験しているわけではないものの,セクハラ問題や買収などで揺れた同社の中で,既に中核とも言える大ベテランであるのは間違いない。
そんなハイト氏は,古参メンバーの話として,2005年に開催された自社ゲームイベント「BlizzCon」のエピソードを語った。BlizzConは,「World of Warcraft」の第1拡張パックとなった「The Burning Crusade」のお披露目として開催されたもので,現在の10分の1ほどの規模にあたる4000人のファンを集めた。
ハイト氏は,このイベントに参加し,2023年9月に復帰したクリス・メツェン(Chris Metzen)氏に,「あの時はスターになった気分だった?」と質問してみると,メツェン氏は「いや,彼らは我々に会いに来てたんじゃないよ。お互いを称え合っている姿を見て,一緒にゲームをしている仲間たちに会いに来たんだってことが分かった。もはやWarcraftは我々だけのものではないってことに気付いたんだよね」と語ったという。
それから時は過ぎ,ハイト氏も大きく関与する形で2019年にローンチされたのが「World of Warcraft: Classic」だ。“ライブサービス”であるMMORPGの針を巻き戻し,グラフィックスを洗練させつつもシステム面では極限までオリジナルのローンチ時にまで近付けた「Classic」はファンから高い評価を獲得し,ハイト氏らも「2つのコミュニティを両立させることに成功した」と喜んでいたという。
これまで,「The Burning Crusade Classic」「Wrath of the Lich King Classic」と,拡張パックも順調にリリースされており,近日中には「Cataclysm Classic」もローンチ予定となっている。
「World of Warcraft」の本編については,2020年11月にローンチされた拡張パック第8弾「Shadowlands」が語られた。メディアの評価は総じて高かったものの,新たな悪役としてスポットライトをあてられたアルサス・メネシル王子のストーリーが作り込まれていなかったなど,設定面でファンの不評を買ってしまった。さらに,キャラクタークラスのアビリティ外の能力を借りる“ボロウドパワー”いったシステムが不人気となり,かつてないほどのプレイヤー数の落ち込みを経験することになった。
そこでハイト氏ら「World of Warcraft」開発チームは,それまでの謎めいた「事前情報小出し」の慣習を止めて,積極的にロードマップを公開し,プレイヤーに対してもより透明性のあるコミュニケーションを行うよう方針転換したという。
これにより,2022年11月にローンチした最新拡張パック「Dragonflight」が高い評価を得ただけでなく,2023年11月のBlizzCon 2023で発表された「The War Within」「Midnight」「The Last Titan」という3つの拡張パックからなる新しいストーリーアーク「Worldsoul Saga」(関連記事)の反応も上々で,プレイ人口も年内には「Shadowlands」以前に回復できる目途がたっているという。
今回のセッションのタイトルは「最初の30年」だが,これで「次の30年」に向けての希望も見えてきたBlizzard Entertainmentの「ウォークラフト」。今後,このフランチャイズがどのように発展していくのかをゲーマーとして楽しみにしておきたいところだ。
4Gamer「GDC 2024」掲載記事一覧
「GDC 2024」公式サイト
- 関連タイトル:
World of Warcraft
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ハースストーン
- 関連タイトル:
ウォークラフト III 日本語版
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