エヌ・シー・ジャパンは11月8日,MMORPG「リネージュ2」の大型アップデート
「Goddess of Destruction」を実施する。
本アップデートにより,これまで慣れ親しんできたゲーム内世界が大きく変化するほか,キャラクターのレベルキャップが開放され,新たな上位クラスが実装される。なお,このアップデートを機に,リネージュ2のサブタイトルも「The Chaotic Throne」から「Goddess of Destruction」へとリニューアルされることになる。サービス開始から7年が経過した老舗MMORPGにとって,最大の転機となるアップデートといえそうだ。
今回はアップデートの実施に先駆け,エヌ・シー・ジャパン本社にて,その内容を確かめてきたので,プレイレポートをお届けしよう。
“破滅の女神”女神シーレンにより世界が半ば崩壊
初心者エリアを含む大陸全土がリニューアル
リネージュ2のストーリーに詳しいプレイヤーならご存じかもしれないが,アップデート名の“Goddess of Destruction”とは,女神シーレンのことを指している。シーレンは,かつて神々の戦いを引き起こした張本人の1人で,長いあいだ封印されていた。
ところが,とある経緯でこの封印が解かれてしまう。そしてシーレン復活のための儀式により,アデン大陸そのものが生贄として捧げられ,壊滅的な被害をこうむってしまうのだ。復活したシーレンは“破壊の女神”として君臨し,世界を恐怖のどん底に陥れることになる……。
近年のリネージュ2では,エリア単位でのリニューアルがたびたび行われてきた。しかし今回は,エリアというよりも,アデン大陸そのものが劇的に変わってしまう。モンスターの配置や対象レベル帯も大きく変わり,場合によってはエリアの入口が閉ざされ,二度と行けなくなってしまうケースも。ベテランプレイヤーなら,アップデート後に世界各地を巡り,シーレン復活の影響を確かめるだけでも楽しめるだろう。
そんなリニューアルの最も分かりやすい例が,これまで種族毎に分かれていた初心者用のエリアである。リニューアル後も訪れることはできるが,シーレンによって破壊され尽くしており,もはや拠点としての機能はほとんど残されていない。命からがら生き延びた人々の一部は,
“話せる島”のエリアに集まっている。つまり,今後新たなキャラクターを作る際は,(種族に関係なく)当面は“話せる島”を拠点に冒険することになるわけだ。
4次職へのクラスチェンジ“覚醒”の実装
レベルキャップも99まで開放
神々が手出しをしないのをいいことに,やりたい放題のシーレンだが,他の勢力も黙って見ているわけではない。今回のストーリーでは,かつて神々と対等に戦っていた“巨人族”が脚光を浴びることになる。
巨人族は,かつての戦いにおいて大罪を犯し,シーレンと同様に封印されていた。そんな中,最後の巨人族の1人“ヘルムンクス”が,この状況を打破するために勇者――つまりプレイヤーキャラクター――の魂に呼びかける。ヘルムンクスの封印を解いてくれれば,神々に対抗しうる力を与える,というのだ。そして呼びかけに応じたプレイヤーキャラクターは,“覚醒”の権利を得る。
“覚醒”とは,3次職のキャラクターが,次に行うクラスチェンジである。クラスチェンジの条件は,キャラクターレベルが85に達していること。また,覚醒後はマイキャラのレベルキャップが99に拡張される。覚醒後のハイエンド向け冒険エリアとして,異世界“マグメルド”も追加されている。
いったいなぜ,普通に“4次職”ではなく,“覚醒”という大仰な名前が付けられているのか。その理由が気になる人もいるだろう。実は今回のアップデートを機に,リネージュのクラス構成が再構築されているのだ。具体的には,
3次職の段階では36種類に分けられていたクラスが,覚醒後は8つに統合される。キャラクター性能がシンプルになるわけでなく,統合後の8クラスは,従来クラスの特徴を引き継ぎつつ,さらに新たな能力を得ているというイメージだ。これぞまさしく,巨人族の力というわけである。
覚醒後のクラスは,シーゲルナイト,ユールアーチャー,ティールウォーリア,オーセルローグ,フェオウィザード,イースエンチャンター,ウィンサマナー,エアロヒーラーの8種類で,だいたい名前から受けるイメージ通りの能力である。従来クラスの主要スキルは一通り網羅しており,プレイスタイルが大きく制限されることはないそうだ。
それでも,覚醒後のキャラクター性能がいまいちしっくりこない,という人も中にはいるだろう。そんな,本来とは違ったクラスへ覚醒したいという人に対する措置として,今回のアップデート時に,
任意のクラスへの覚醒が可能となる“運命の石”が提供される予定だ。11月8日の時点で,メインクラスがLv76以上になっていれば条件を満たしていることになるので,現役プレイヤーは
「こちら」を忘れずにチェックしておこう。
GoDはコアプレイヤーだけのものではない
新規プレイヤーにとっても大きな意味を持つアップデート
覚醒やマグメルドといった主要コンテンツは,主にハイエンドプレイヤー向けの要素と言えるが,アップデート内容を総合してみてみると,リネージュ2の未経験者に向けてもアピールする内容となっている。
たとえば新規プレイヤーの視点で見てみると,キャラ作成やUIのデザインがリニューアルされている。クエスト遂行時は,目的地の方向を“光の線”が示してくれたり,“話せる島”のエリアで簡単なクエストを行っているだけで,あっという間にレベルが上がっていったりする。
初心者でも,1時間くらいプレイすればレベル20まで到達できるバランシングらしい。
また,かつては種族毎の拠点からバラバラに冒険を開始していた新規キャラクターが,一つの初心者エリアへ集められることで,コミュニティの活性化も見込めるだろう。「シーレンの復活により世界が激変!」という体のアップデートではあるが,その本質は,サービス開始から7年が経過したMMORPGを,現状に即した形に再構築する内容になっているのだ。この仕様変更と合わせて,エヌ・シー・ジャパンが,新規プレイヤーの獲得に向けてどのようなイベントを展開するのか。その点にも要注目である。
リネージュ2のリニューアル「Goddess of Destruction」は,
11月8日に実施予定となっている。
ティザーサイトの情報をチェックしつつ,破壊の女神が完全復活するその日を待とう。