「リネージュ」のすべてが新しくなるアップデートが今夏に実施予定。初心者エリア，通常フィールド，そして最上位コンテンツをまとめて紹介

　エヌ・シー・ジャパンは，同社がサービス中のMMORPG「リネージュ」で，今夏に大型アップデート「GATE OF RESURRECTION」を実施する予定だ。それに先駆け，本日（7月1日）よりアップデートのコンテンツを事前に体験できるテストサーバーが期間限定で公開される。今回4Gamerは，このアップデートで実装される内容を確認する機会を得たので，さっそくレポートしよう。

「リネージュ」公式サイト

初心者向けエリア「クラウディア」では，数時間でキャラクターをレベル55まで育成可能

　今回のアップデートは，3月に実施されたアップデート「永遠の命」で，プレイヤーキャラクターのステータスがリニューアルされたことを受けた内容となっている。具体的には，ステータスリニューアルで強化されたプレイヤーキャラクターに合わせ，遊び応えが出るようにモンスターの強さやマップ上の配置を変更するなど全体に難度の上昇を図るというものだ。また，同時に獲得経験値も増加している。

　しかし，単に全体の難度を上げただけでは，新規作成したプレイヤーキャラクターの序盤での育成が困難になってしまう。そこで新たに導入されるのが，新規にプレイヤーキャラクターを作成した際に最初に訪れることとなる，初心者向けエリア「クラウディア」だ。

今回のアップデートで，新たにプレイヤーキャラクターを作成するとオープニングムービーが流れるようになる。ナレーションは，声優の早見沙織さんが担当。このほかチュートリアルを終え，通常フィールドの冒険を開始するときにもムービーが流れるようになっており，こちらのナレーションは声優の松井恵理子さんが担当している

　クラウディアでは，従来の初心者エリアと異なり，クエストドリブン形式でチュートリアルが進行する。その内容は，変身スクロールなどのアイテムの使用法を学習するクエストや，モンスターの討伐クエスト，ダンジョン探索クエストなどが順次登場するというもので，ゲームの基本的な進行が学べるようになっている。
　また現在，自分がどんなクエストにチャレンジしているのか，その達成度はどうなっているのかをチェックできるガイドが表示できるようになったのも，大きなポイントだ。

チュートリアルでは，NPCグンターがゲームのシステムや進行を指導してくれる。左下のウィンドウには，各クエストの進行状況が表示されている

クエストの目的を達成したら，その場で経験値やアイテムなどの報酬が受け取れる

　チュートリアルでは，通常モンスターよりも手強いネームドモンスターの討伐や，血盟への加入なども体験できる。そして最終試練となるクエストは，本作のエンドコンテンツである攻城戦の一連の流れを体験するというものだ。この攻城戦は，そのとき周囲にいるプレイヤーと協力してNPCと戦うのだが，プレイヤーの人数に応じて難度が変わる仕様となっているので，一人でも十分クリアできる。

　こうしてチュートリアルのクエストを一通りクリアすると，プレイヤーキャラクターはレベル55に達し，晴れてクラウディアを卒業して通常のフィールドで冒険を始めることになる。ここまでの所要時間はクラスによって異なるのだが，短くて2時間半程度，長くとも5時間前後だろう。全般的にテンポ良く進むため，それほど苦にならないはずだ。

チュートリアル中は，クエストの討伐対象のモンスターがいるマップまで1クリックでテレポートできる。また討伐クエストの対象モンスターは縁取りが表示され，判別しやすくなっている

クラウディアを象徴するNPCララに話しかけると，HPを全回復してくれる。彼女とは，クラウディアを卒業したあとも出会うことになる

　ちなみにチュートリアルをクリアしていなくても，通常フィールドに出られるようになっており，また，レベル54以下であれば再びクラウディアに戻れる。なお，クラウディアに出入りできるレベル帯では，デスペナルティが課されることもない。もちろん，アップデート前に作成したレベル54以下のキャラクターも，クラウディアでチュートリアルを受けることが可能だ。

クラウディアでは，通常フィールドよりも消費アイテムが安価で販売されている。しかし，レベル54までのプレイヤーキャラクターしか使えないよう制限が掛けられている

通常フィールドはストーリーに沿ってリニューアル。モンスターの再配置も実施

　上記のとおり，通常フィールドのアデン本土および各ダンジョンは，強化されたプレイヤーキャラクターに合わせて全域にわたるリニューアルが施されている。
　各地域のモンスターの強さが調整され，チュートリアルを終えたプレイヤーキャラクターが訪れる「話せる島」が対象レベル50台後半となる。そこから遠方に行くほど対象レベルが高くなるように再配置されており，おおよその適正レベルは以下のとおりだ。

●適正レベル（参考）
レベル50台後半：話せる島，話せる島のダンジョン，シルバーナイトタウン周辺，沈黙の洞窟
レベル60台前半：グルーディン周辺，ケント周辺，砂漠
レベル60台後半：メインランドダンジョン1〜2F，ウィンダウッド周辺，火田村周辺
レベル70台前半：エルフの森ダンジョン1F，シルバーナイトダンジョン1F，ギラン監獄1F，メインランドダンジョン3〜5F，黄昏の山脈，アデン周辺，ハイネ周辺
レベル70台後半：ギラン〜アデン間，エルフの森ダンジョン2F，シルバーナイトダンジョン2F，ギラン監獄2F，メインランドダンジョン6〜7F，ハイネダンジョン1〜3F，オーレン，鏡の森，傲慢の塔下層
レベル80台前半：暗黒竜の傷跡，エルフの森ダンジョン3F，シルバーナイトダンジョン3〜4F，ギラン監獄3〜4F，ドラゴンバレーダンジョン1〜5F，ハイネダンジョン4F，ドラゴンバレー，傲慢の塔上層
レベル80台後半：風竜の棲処，火竜の棲処，ドラゴンバレーダンジョン6〜7F，忘れられた島

　また，このリニューアルに伴い，レベル55から70までのプレイヤーキャラクター育成をサポートするコンテンツ「アークパス」が常設される。調整されたモンスターが少々手強いと感じたら活用するといいだろう。

　ちなみに，今回のアップデートでは，フィールドマップも新たに作り直されている。例えば，これまでは陸地と川や海の境目がざっくりと分けられていたが，そこに浅瀬などの表現が加えられる。また，一部の地形にはアニメーション処理が入っているところもある。

ケントの橋もすべて作り直したとのこと

川の浅瀬もきちんと表現されており，一部にアニメーション処理が施されている

　さらに，フィールドの変化を介して，プレイヤーにストーリーを感じさせる試みも追加されている。
　今回作り直された新たなフィールドには，これまで森だったところに獣道があったり，あるいは開拓された跡があったりと，その一帯に発展の気配が垣間見られるのだ。

フィールド上には，開拓の途中に何かが起きたのではないかと連想させるオブジェクトが配置されている

　しかし，地下世界に封じ込められていた「暗黒竜ハルパス」が，自身の完全復活を待てず，アンデッドの状態でアデンに出現したことにより発展は止まってしまう。そこで活躍するのが，プレイヤー達というわけだ。

　一方，人類とダークエルフは和解が進んだため，今後のストーリーに登場しない一部の地域が削除されている。

ハルパスが出現したため，地下世界とつながってしまった地域。本来であれば地下にしか存在しない強力なモンスターが配置されている。また一部のモンスターは新たなグラフィックスとなっている

　もう一つ，コンテンツ「ドラゴンレイド」のうち，最高難度「恐怖」のドラゴン達が，従来のようなインスタンスゾーンではなく，一般フィールドや入場制限のないダンジョンの最深部に出現するようになった。そのため，これまでのように最大24人ではなく，100人単位でのチャレンジも可能となったわけだ。しかし，その分ドラゴン達も強化されていると考えられるため，安易に周辺に近づかないよう注意したいところである。

恐怖難度のドラゴン達が，こうした一般フィールドに配置されるようになった

　これらのリニューアルに合わせ，獲得経験値や報酬もモンスターの強さに見合った内容に調整される。韓国で同内容のアップデートを行った際には，一部のアイテムドロップ率が渋くなったということもあったようだが，日本ではそういった施策は一切取らないとのことなので，安心してほしい。

レベル80以上対象の最上位コンテンツとして再登場する「忘れられた島」

　最上位コンテンツとして，「忘れられた島」が完全にリニューアルされ，レベル80未満のキャラクターが進入不可のエリアとして再登場する。

　かつての忘れられた島には，完全な肉体を取り戻そうとする暗黒竜ハルパスから「生命の樹」を守るために，実体ではない幻影の魔物達が存在していた。これが防衛装置としての働きをしていたのだが，島を発見したアデンの勇士達が勇気と力を試す場として探索し，封印を少しずつ解放し始めたことで，生命の樹を守る最終防衛装置が起動。その結果，時の歪みが発生し，忘れられた島は別次元に移動してしまう。
　こうして姿を消した忘れられた島だが，ハルパスと契約を交わし生命の樹を探す「ケンラウヘル」と「ケレニス」が時の歪みに吸い込まれ，島を発見することになる。

リニューアルされた「忘れられた島」。通常フィールドではレアな存在の「コカトリス」などが普通に歩いている

　この地域では，マップだけでなく配置されたほぼすべてのモンスターが完全新規のグラフィックスとなっており，かなり新鮮な雰囲気だ。また，モンスターの配置数が多めで，中には移動速度の速いものも混じっているため，パーティを組んでいないと探索が難しい。また注意しておくべきポイントとしては，このエリアでは「帰還スクロール」が使用できない。ピンチに陥っても緊急脱出できないことを覚えておこう。

ネームドモンスターも新規グラフィックスで登場。このうち「ハーピークイーン」は，移動および攻撃不可，かつダメージを受けるというやっかいな麻痺攻撃を仕掛けてくる

　忘れられた島の中央部には，レイドボス「エンシェントガーディアン」が眠っている。このレイドボスは岩に擬態しており，一定以上のダメージを与えることで，起き上がってプレイヤーを襲ってくる。運営スタッフによると，討伐の難度に関しては，これまでに登場したレイドボス「ギルタス」よりは攻略しやすいのではないか，とのことだ。

背景と同化してしまって判別しづらいが，よく見ると目の部分が光っていたり，鎖で拘束されていたりすることが分かる

どう見てもただの岩としか思えない「エンシェントガーディアン」だが，集中攻撃して一定以上のダメージを与えると起き上がる

　忘れられた島で得られる報酬は，ゲーム内最高峰となっており，レジェンド級アイテムを入手できる。もっとも，そうしたレアアイテムそのものがドロップすることは稀で，それらを生産するための素材であれば比較的入手しやすくなっている。

　また忘れられた島の地下には「ゴーレム研究所」が広がっている。このエリアでは，PvPで有用なオプションが付与された防具や，その素材が入手できる。このゴーレム研究所への入り口は，忘れられた島上に3か所用意されている。

　なお韓国では，忘れられた島でワールドの垣根を越えたPvPが行えるようになっているが，日本ではこの仕様は導入されないとのことだ。

「ゴーレム研究所」の入り口は，マップでも確認できる

ゴーレム研究所には，地上の忘れられた島以上にやっかいなモンスターが登場する

　そのほか，このアップデートでは新たなシステムも登場する。その一つ「アイテム図鑑」は，昨今のMMORPGによくある機能で，一度倒したモンスターのステータスやドロップアイテムの情報が記録されるというものだ。また棲息地域も記録され，1クリックでそこまでテレポートできるようになっている。
　加えてモンスターのリストは，棲息地域やレベル帯など，5つの条件に応じてソートできる。とくに等級によるソートでは，開発チームによるモンスターの格付けが見られるので，プレイヤーとしては，なかなか興味深いのではないだろうか。

「アイテム図鑑」の表示例。一度モンスターを倒しただけで，すべてのドロップアイテム情報が開示されるのは珍しいかもしれない

各モンスターの討伐数が500体/1万体/10万体に達すると，それぞれに応じた報酬が提供される。これはウェアウルフ500体討伐を達成したときの報酬だ

モンスターは，棲息地域やレベル帯などでソートできる。等級の高いモンスターは，表示枠までおどろおどろしい雰囲気になっている

　また「アラーム」は，設定しておくと，ワールドレイドボスなどのイベント通知が受け取れるというシステムだ。通知に用意されたボタンを利用すると，ゲーム内通貨を消費してイベントエリアにテレポートできる。

　「コンボ」はモンスターなどを倒したときに一定確率で発動し，50秒程度の制限時間内に多くのモンスターを倒すほど，獲得経験値が上昇していくというシステムだ。経験値の増加率上限は200％となっている。


　以上が今夏予定のアップデート内容となる。冒頭で記したとおり，これらの内容はテストサーバーにて先行体験が可能となっており，7月1日から7月4日までの期間は初心者向けのクラウディアが，7月8日から7月11日まで，7月15日から7月19日までの期間は中・高レベル地域がそれぞれフォーカスされる。さらなる詳細は，公式サイトの情報をチェックしてほしい。

「リネージュ」公式サイト