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“ゲーム機”としての存在感を増すスマートフォン――1万8000人のデータから読み解くゲーマーの最新動向。「2013年 冬の大アンケート」集計速報版
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印刷2014/01/25 10:28

業界動向

“ゲーム機”としての存在感を増すスマートフォン――1万8000人のデータから読み解くゲーマーの最新動向。「2013年 冬の大アンケート」集計速報版

 毎年恒例となっている「冬の特大プレゼント企画」。今回も,ゲーム機所持率の推移やゲームを購入する場所,ダウンロード販売が伸びているプラットフォームはどれかなど,多岐にわたったアンケートを実施した。その結果を取り急ぎ集計した“まとめ”を,今年もまたお届けしたい。
 なんだか,もう恒例過ぎて,だんだん書くことも似通ってきたような気がするのだが,こういうのは定期的にやるところに意義がある……はずですよね? というわけで,4Gamer読者(≒ゲーマー)の動向興味がある人は,ぜひ本稿を読んでみてほしい。

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「2013年 冬の特大プレゼント」はこちら


 なお,集計の対象となっているのは,現在も絶賛応募受け付け中の「2013年 冬の特大プレゼント」のアンケートに答えてくれた25623人(1月10日時点)のうち,多重投稿や無効と思われるデータを取り除いた17987件。あれだけ多くのアンケート項目があったにもかかわらず,応募してくださった読者の皆様に,そして,たくさんのプレゼントを提供していただいたメーカーの皆様に,あらためて御礼を申し上げます。ありがとうございました。


平均年齢は28.9歳。4Gamer全体の読者属性から


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 毎回恒例ではあるが,まずは4Gamer全体の読者属性から紹介していこう。4Gamer読者の平均年齢は,28.9歳とほぼ例年通り。一昨年(29.1歳),そして昨年の夏(28.7歳)と比べても,ほとんど変化はなしといって差し支えない。年齢分布的には,だいたい高校生くらいからグラフが立ち上がり,20〜30代を中心としている。いわゆる小中学生の読者はほとんどいないのが4Gamerの特徴。マニアックな記事が多いサイトだから――というのもある一方で,PCで情報を得る層の中核が,20〜30代が中心(自分のPCを持っている年代)になっているという側面もある。逆に言えば,若い層を開拓するには,スマートフォンなどへの対応/特化が必要になるわけで……えーと,はい,頑張ります。

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 ちなみに,今回の結果でこれまでと変化があった部分としては「男女比」が挙げられるかも知れない。2012年夏が「94.2:5.8」,2013年夏は「93.6:6.4」ときて,今回(2013年冬)の結果は「91.7:8.3」と,女性の比率が大きく上がっているのだ。めでたい。え,2%しか変わってないって? でも,女性の読者数だけでいったら30%増です。特盛り状態ですよ? ちなみに,なんで女性比率が増えているのかについては,よく分かっていません。密かに女性向けのタイトルをキチンと扱うように頑張っているだとか,そうした編集方針が効いているのでしょうか。なお,女性の比率が増えても,独身率の高さは大して変わっていません。これはつまり……!

 ともあれ,4Gamerというメディアは,このように「偏った媒体」ではあるので,今回の集計結果も,そういう“偏り”を踏まえたうえで参考にしてほしいところ。いわゆる“世間一般”が行っている普通の統計データとは,少々ズレている可能性がある点には注意されたい。
 とはいえ,ネット界隈のゲーマーの動向を分析するという意味では,適切で過不足ないデータでもあるはずなので,上記の注意点を加味したうえで,ぜひこのデータを活用して頂ければと思う次第である。

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ゲームを遊ぶ機器として,着実な伸びを見せるスマートフォン&タブレット


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 4Gamer読者のゲーム用機器の所持率および稼働率のデータから見ていこう。まず,値下げ効果も手伝って,2012年冬〜2013年夏にかけて大きく躍進したPS Vitaだが,今回のデータを見ると,伸びが鈍化している様子。2013年の10月には,新型となる「PCH-2000」の発売もあったのだが,新たな起爆剤となり得るほどの効果は得られなかったようだ。購買力のあるゲーマー層を中心に,一定の足場を築いているPS Vitaだが,ここから先シェアを伸ばしていくには,より多様性のあるタイトルラインナップが求められているのかもしれない。
 ちなみに,苦しい様子がうかがえるのが任天堂のWii Uである。もともとファミリー向け志向が強く,4Gamerの読者と相性が良いとは言えない側面もあるが,それを差し引いても所持率が1%も伸びていないというのは,良くない意味ですごい。Wiiの普及率と比較してみても,何かしら大々的な展開が無い限りは,これ以上の普及は難しいかもしれない。
 そして,ゲーム機の苦戦を尻目に,じわりじわりとその勢力を拡大しているのがスマートフォン&タブレット。こうした状況に対して,2月22日に発売されるPlayStation 4がどういった展開を見せるのか。今から注目が集まるところだろう。

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どこまで伸びるのか。勢いが衰えないLINEの強さ


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 「ゲーム機」としての存在感を増すスマートフォン&タブレットだが,その利用状況はどうだろうか。昨年末からの推移を見てみると,やはりゲーム用途のグラフは微増ながら右肩上がりだ。ゲーム用途の内訳としては,GREEやDeNAといったプラットフォームがシェアを落とす一方で,ネイティブアプリやLINE GAMEが伸びているのが見て取れる。いわゆる「パズル&ドラゴンズ」以降の「ブラウザからネイティブへ」という動きが,さらに進んだと解釈してよいだろう。
 ゲーム以外の用途については,TwitterやFacebookなどが伸び悩むのを横目に,LINEがさらに勢力を強めている点がポイント。この勢いがいつまでの続くのか,その結果,LINE GAMEのシェアがどうなっていくのか。ゲーム業界としても,LINEの動向は注目せざるを得ないだろう。そのほかの項目では,電子書籍のシェアが伸びているのも見逃せない部分かもしれない。実際,筆者も電子書籍で漫画や小説を買うことが増えて来た。


ダウンロード販売の伸びに陰り?


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 定点観測的に,ゲームの購入場所を調べているデータがこちら。今回もダウンロード販売が着実に伸びていくのかと思いきや,横ばいの推移に留まっている点が大変興味深い。ここに来て踊り場に来たのか,それともたまたま遊ぶタイトルがなかっただけなのか……。正直,しばらくは順調に伸びていくと思っていただけに,この結果は大いに気になる。
 ダウンロードでゲームを購入するプラットフォーム別に見てみると,スマートフォンでの利用は伸びている一方で,ゲーム機やSteamなどのプラットフォームがシェアを落とす傾向にある。ゲーム機では,唯一,ニンテンドー3DSだけが大幅な伸びを示しているが,これは「モンスターハンター4」や「ポケットモンスターX・Y」の影響だと推測される。――ということは,他のゲーム専用プラットフォームが伸びていないのは,魅力的なタイトルが不足しているから,そもそも買われてない(ダウンロードされてない)ということになるのだろうか。なんにしても,面白い結果だ。


見事に“再生”を果たした「ファイナルファンタジーXIV」が首位。「艦これ」の強さも相変わらず


 こちらは,4Gamer読者が最近遊んでいるオンラインゲームの上位20タイトル。今回は,プラットフォーム別に分かれているタイトルを統合しようかどうか迷ったが,結構遊んでるプレイヤーの傾向が違っていたりするので,今回も分けて集計している。
 「艦隊これくしょん -艦これ-」の強さは相変わらずだが,PC版とPS3版を足すと,実質的には「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」がトップだろう。そのほかにも,「バトルフィールド 4」「World of Tanks」など,いかにもゲーマーが好みそうなタイトルが居並ぶあたりは4Gamerならではといったところか。まだ日本での展開がないにも関わらず「League of Legends」が上位にきているあたりも要注目だろう。
 一方,現在国内でも最大規模のプレイヤー数を誇るであろう「ドラゴンクエストX」は,4Gamerのアンケートでは下位に。良くも悪くも,4Gamerの偏り具合が反映されている結果といえよう。

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まとめ


 以上,駆け足気味に集計結果を紹介してきたが,今回の分析はここまで。ゲーム機の所持率の変化や稼働率,ゲームの購入に関する調査結果などといった定点観測が中心の分析となったが,全体としてみれば,据え置き機がちょうど移行期だとはいえ,ゲーム機の元気の無さが感じられる結果だったかもしれない。
 その横で,着実に「ゲーム機」としての地位を強めつつあるスマートフォン&タブレットが,このまま伸びていくのか。それとも,ゲーム機がその価値を守り抜くのか。今年の2月に発売されるPlayStation 4が,日本市場でどういった動きを見せるかなど,混迷期ともいえる現在のゲーム業界の動向には注目していきたいところだろう。

全世界の累計実売数が,2013年12月28日時点で420万を超えたPlayStation 4。ライバルのXbox Oneも同時期に300万台を超えているなど,次世代据え置き機は好調なセールスを記録している
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 4Gamer読者のようなゲーマーにとって心配なのは,スマートフォンやタブレットが勢いを増すなかで,“ゲームらしいゲーム”や“コアなゲーム”が減ってしまうのではないかという点だが,それについて言うならば,スマートフォン向けゲームの市場も,近年はカジュアル一辺倒から「ミッドコア〜ハイコア向け」への動きが活発であり,今後は,コアなゲーマーにとっても楽しめる作品が増えていくはず。その意味では,ゲーマーとして悲観する必要は無いはずだ。
 さらに,海外ですでに発売されているPlayStation 4がことのほか好調な様子を鑑みても,“コアなゲーム”の需要そのものは堅調であり,市場の動向がどう転ぶにせよ,新しいワクワクする作品は続々と出てくるだろう。あらゆる意味で,次世代へと移り変わりつつある2014年のゲーム市場。まだ見ぬ“革新的なタイトル”の登場に期待したいところだ。

 ともあれ。文頭でも述べているように,今回紹介したデータはあくまでも4Gamer読者(≒コアゲーマー)に絞った結果であり,かなり偏ったものだという点には注意してほしい。例えば,4Gamer読者には小学生以下の層がほとんどいないことから,子供向けのゲームの動向はなかなか追うことができないなど,4Gamer上からは“見えないカテゴリ/ユーザー層”も確実に存在するのだ。数値の持つ意味や背景を考えたうえで,データを参考としてもらえれば幸いである。

 最後に。今回のデータのベースとなっている「2013年 冬の特大プレゼント」は,1月27日(月曜日)まで応募を受け付けている。PlayStation 4やPC本体など,非常に豪華なプレゼント内容となっているので,まだ応募していないという人がいたら,ぜひ応募してみてほしい。

「2013年 冬の特大プレゼント」はこちら

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