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    【島国大和】ゲームの快感とは何ぞや
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    印刷2010/05/01 08:00

    連載

    【島国大和】ゲームの快感とは何ぞや

    島国大和 / 不景気の波にもがく,正体はそっとしておいて欲しいゲーム開発者

    画像集#002のサムネイル/【島国大和】ゲームの快感とは何ぞや

    島国大和のド畜生 出張所

    ブログ:http://dochikushow.blog3.fc2.com/



     ビデオゲームの快感は,能力の拡大だと思います。

     皆様またお会い出来ました。島国大和でございます。
     唐突に持論ブチかましから始めましたが,今回は「ビデオゲームの快感としての能力の拡大とは何ぞや」についてを,ちょろちょろと書いてみたいと思います。

     別にゲームの全部が全部,能力の拡大が必須だとか可能だという話ではありません。そうじゃないゲームも沢山あります。

     それはさておき,本題へ入りたいと思います。


    「能力の拡大」とはなんぞや


    「ときめきメモリアル4」
    画像集#006のサムネイル/【島国大和】ゲームの快感とは何ぞや
     普通の人生を歩んでいれば,「英雄」と呼ばれるようになることはまずないと思います。プロ野球選手やサッカーの監督,レーシングドライバー,格闘家なども,大半の人には縁が無く。まして自分が音速ハリネズミや,怪獣になることは絶対にありえません。あるいは,何人もの女の子にモテてモテて仕方がない!というのも,現実ではなかなか難しいわけです。
     でも,ゲームの中なら大丈夫。あなたは何にでもなれるし,何だって出来る。

     これは「現実逃避」とは違いますよ。

     貴族がラグビーを好むのは,何の得にもならない事に汗水ながすのが,貴族のたしなみだからです。スポーツハンティングもそう。日々の糧を得る為の狩猟じゃないからこそ楽しい。魚釣りもそう。ただ魚を捕まえるだけなら地引網でいいんですよ。日常とは違う尺度での競争や作業は,楽しいものなわけです。

     人間は,楽しみのためならば,無駄な事に一所懸命になれる。

     ただまったく無駄な事だと,イマイチ何が面白いのか理解出来ません(理解の問題です)。
     スポーツは起源を遡ると,戦争の遊戯化だったり,狩猟の遊戯化だったりします。ゲームもそうですね。戦争や狩猟,物語をデフォルメ化する場合が多いです。

     というわけで,やること自体はまったく無駄なんだけど,理解しやすいように現実風味をまぶします。
     
     例えば,縦スクロールシューティングゲームなんて,レバーとボタンで戦闘機が操作出来るんですよ。スタートしたらもう飛んでるし,ゲームが終わっても着陸なんかしない。でも簡単に遊べて理解もしやすいから面白いわけです。
     カードゲームの「大富豪」なんて,ただの数字合わせゲームですが,あの数字に貧民の苦悩と富豪の有利,革命の危険をはらむからこそ理解しやすいわけです。数字合わせで革命の英雄ですよ。「人生ゲーム」もルーレット回して億万長者か一文無しの人生です。

     現実のカリカチュアライズ(滑稽化)というか,ゲーム的システムに現実のガワを被せたというか。なんでもよいのですが,普段の自分には届かない所まで「自己の能力」が伸びるのは,原則として気持ちが良いわけです。
     で,ゲームは,現実以上の事をプレイヤーにさせてくれるわけですね。場合によっては現実に対する学習効果もありますが,これには今回触れません。

     この辺を「能力の拡大」と勝手に呼んでいます。


    画面の向こうの快感とこっちの快感


    「スーパーストリートファイターIV」
    画像集#005のサムネイル/【島国大和】ゲームの快感とは何ぞや
     ビデオゲームにおいて,能力の拡大とは,すなわち“画面の向こう側”の出来事です。
     格闘ゲームであれば,パンチボタンとキックボタンを押せば格闘家として振る舞えるし,コマンド入力をすれば必殺技だって繰り出せます。RPGなんかは,コマンド選択でファンタジー世界を救っちゃうわけですよ。これは,カーレースで優勝してもいいし,軍隊を指揮して敵を制圧してもいい。

     で,画面の向こう側での大活躍は,画面のこちらでは簡易な操作です。デジタルパッドというのは,押せば「on」離せば「off」という非常にシンプルなものです。これ以上わかりやすい操作はありません。
     ですから,「如何に画面の向こうに没頭できる操作」であるか。そして「画面の向こうでは楽しい世界を用意」してあるか。ずっとこれが重要なファクターでした。

     ただ一方で,“画面のこちら側”でプレイヤーが苦労する類のゲームもあります。
     思えば,ダンスダンスレボリューションは衝撃的でした。何が衝撃だったかって,あれはゲーム部分が全部“画面のこっち側”だったんですよね。画面の向こうは,出題と採点に特化している。
     これもしかし,能力の拡大による快感の一つです。プレイヤーは,確かに“画面のこっち側”で踊っているのですが,“実際のダンスとして見事に踊ってるわけではない”のですね。画面の中の採点の方が,実際のダンスより高い採点を与えて,「俺ってすげえ!」と錯覚させるわけです。「Wii Sports」のゴルフやテニスも原理は同じですね。

     アナログコントローラーや,Wiiのリモコンコントローラーなどは,その構造から“こちら側”の仕組みになりやすいです。

     しかしこの手のゲームは,一般的に操作が難しい。だから入力の読みとりやゲーム側の判定自体を甘くするという,ある意味で捻じれた設計になっているゲームが多いです。でも,だからこそ上手い人と下手な人の差が付きにくく,結果,パーティーゲームとしては遊びやすかったりもします。

     ちょっと話がそれましたが。そんなわけで,ビデオゲームの面白さと,能力の拡大を感じさせる(錯覚させる)部分は密接な関係があります。全部が,じゃないですけれども。


    行きつく先はどっちでしょ


     シューティングゲームの黄昏という状況があります。格闘ゲームの黄昏でも構いません。
     要するに,行きつき過ぎちゃったゲームは,コテコテのファンやマニアしか遊べないというものです。もうすぐFPSの黄昏も来るんじゃないかなと思います。
     能力の拡大がゲームの快感なのに,「能力の拡大が超難しい。やってらんねー。気持ち良くねー。」という感想を抱いたら,ゲームなんざやってられません。先ほどの,画面のこっち側で遊ぶゲームとかは,そういった問題に対する一つの解答なわけです。

     また,昨今流行している携帯電話向けのゲームサービス(モバゲータウンやGREE)では,そのあたりが大変良くできています。ゲーム専用機ではない携帯電話では,ゲーム的にも操作的にも大したことはできません。ですから,ほとんどくじ引き程度のゲーム性しかないものが多く,あとはコミュニティ的なもので間を持たせます。一部のブラウザゲームもそういう構造になっていますね。

     コアなゲーム愛好家からは「そんなものはゲームじゃねー!」という意見もあって,正直いうと私もちょっとそちらに賛同したい所はあったりするのですが,これもまた,かつてゲームが友人との共通言語であったように,コミュニティの維持という部分にスポットライトを当てれば,そんなにゲームの本道から離れた物にも見えません。

     ゲームを介してコミュニティ能力が拡大しているわけですし。

    2D縦スクロールシューティング「RAYSTORM HD」は,5月6日配信ですってよ奥さん
    画像集#004のサムネイル/【島国大和】ゲームの快感とは何ぞや


    ゲームがゲームである限り


    画像集#003のサムネイル/【島国大和】ゲームの快感とは何ぞや
     正直,最近のゲームは作っていてキッツイですよ。
     何十億とかけたエゲツないゲームか,カツカツで安く作ったゲームか。その間のゲームを目指すつもりが,見た目はエゲツない方を求められ,でも制作単価は安い方寄りだとか。いやいや……。
     遊ぶ方としてもキッツイです。自分は,短時間で燃焼できるようなゲームが好きなのですが,仕事で求められるのは専ら長いゲームばかりです。理由は単純で,短時間で遊ぶようなゲームの売上が芳しくないからです。いやいや……。

     そんな風になにかと困ってはいますが,それでもデジタルのエンターテイメントというのは,まだまだ色々と隙があるわけです。
     ちょっと前までは,携帯機でこんなにゲームをするようになるとも,ブラウザでゲームをするようになるとも思わなかったでしょう。MMOの隆盛だって,FPSの浸透(昔は,本当にマニア向けでしかなかった)だって,ほんのここ数年の出来事です。

     こんな事をやりたい。こんな能力を拡大したい。知育ブームやソーシャルゲームが新しい可能性(脳が活性化したっぽい,知り合いが増えたっぽいという面白さなど)を示したように,面白いゲームが発明される余地はまだまだあります。

     そんなわけで,半ば無理矢理にでも希望を持ちつつ,今日も私は,寝る前にゲームでも遊ぼうかと思うわけです。そーです。現実が超キビシイんですよ!

     あ,これは現実逃避です。


    ■■島国大和■■
    有名ゲーム系Blog「島国大和のド畜生」の管理人で,不景気の波にもがく,正体はそっとしておいてほしいゲーム開発者。つい先日,「スーパーストリートファイターIV」を遊び始めたという島国氏だが,長いブランクがあったせいか,なかなか苦戦している模様。私も昔は,ゲームセンターでぶいぶい言わせてた(死語)んですけどね。最近は,すっかり俺より強い奴に3回くらい当たると心が折れちゃうヘタレです。いやしかし,スーパーストリートファイターIVは本当にそそられますよねぇ

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