現地では旧正月の10日前に当たる2月8日から12日にかけて,台北市にあるTaipei World Trading Centerで,Taipei Game Show 2007が開催されている。今年で15周年となる同ショウには,国内外からコンシューマ機,アーケード機,PCを問わずゲームデベロッパ/パブリッシャが集まってPRと商談に当たる,台湾最大のゲームショウとなっている。
各国で開かれるゲームショウの中でも,Taipei Game Showは商談的な色彩が薄く,ファンサービスとしての性格が強い。各ブースのステージではしきりに,コンパニオンのお姉さんが観客にノベルティグッズやお菓子を投げているし,物販コーナーを併設したブースも相変わらず多い。ゲームソフトの純然たる販売店ブースともども,このショウの来場者のなかには,そもそも買い物を一つの目的としている人も多いようだ。
そうした,いわば台北スタイルに拍車をかけるのが,今年の出展企業にMicrosoftを除いて大手海外勢がほとんどいないことである。昨年出ていたSCEや,韓国のNCsoft,Webzenもいなければ,Nexonもいない。会場では「World of Warcraft」や「Hellgate: London」といった海外ローカライズ作品の巨大なブースが展開されているのだが,前者はGame First,後者はFun Townと,どちらも現地パブリッシャによるブース展開で,これらのステージからもイベントの合間合間には,お菓子が飛んでくる。
そんなわけで必然的に,今年のTaipei Game ShowはUserjoy TechnologyやSoftstarといった台湾在来のゲームメーカーの作品に注目が集まる。粒の大きさでいえば,いま一つ読みきれないところもあるが,例えば大陸・台湾双方でゲームや映像作品としてヒットした「仙劍奇侠傳」のオンラインゲーム版など,今後注目しておくべき作品がそれなりに出展されている。台湾ゲームシーンの名物である,双六タイプやカードタイプのカジュアルゲームタイトルにも,なかなか工夫された作品が見られるものである。
そうした作品の情報を中心に,Taipei Game Show 2007のレポートをお届けする。日本との共通点も多い台湾のゲームシーンを,興味深く見てもらえれば幸いだ。(Guevarista)