このイベントは,いわば東京ゲームショウの中国版のようなものだが,中国政府の各機関や上海市の主催で行われるので,当然ながら中国では最大のゲーム関係のイベントだ。規模的には東京ゲームショウの半分以下というところだが,内容はほとんどがPCゲーム(さらにそのほとんどがオンラインゲームである)ということで,4Gamer的にも,注目すべきイベントだといえるだろう。
現在の中国では,コンシューマゲーム機はあまり浸透していない。PCにしても,長くコピー天国であった歴史を持つため,パッケージゲームでは出してもコピーされるばかりで,実際のところ儲けが出ない。確実に課金できるオンラインゲームが注目されるのもうなずけるというものだ。
ChinaJoyは今回で3回目だが,これまでは中国への売り込みが主で,中国産のゲームの展示は少なかったと聞く。それも「○○を思わせるゲーム」から「○○となにからなにまでそっくりなゲーム」が多くて,まだまだ揺籃(ようらん)の時代にあるようだった。
今回のChinaJoy会場をざっと見て回ったところでは,韓国産オンラインゲームをはじめ,輸入物も多いのは確かだが,純国産(つまり中国産)を謳った製品もあちこちで見受けられた。正直,意外と中国製ゲームが多く展示されているのには,驚いた。完成度という点では全体的に"まだまだ"ではあるものの,3D MMORPGなどもいくつか出展され,熱気と将来性を感じさせている。
この混沌とした様子は,数年前の韓国がちょうど同じような感じであったとも聞く。ほんのひと昔前は,「生首?」と誰もが首をかしげるようなゲーム後進国であった韓国だが,あっという間にオンラインゲームに特化して劇的な成長を遂げた。ChinaJoyで感じられる熱気は,そういった可能性をはらんだ混沌さを秘めている。
また,中国産ゲームに限らず,国際的に大規模なゲームショウということで,E3以降のゲーム業界の進捗状況を確認するにもよいイベントとなっている。明日から本格的にいくつかのゲームを紹介していく予定だが,これからは市場としての中国だけでなく,パブリッシャとしての中国にも注目していくべきなのかもしれない。(aueki)