[GC 2006#98]ナチスドイツの大量殺戮兵器の秘密を暴く,クリック&ポイントタイプの3Dアドベンチャー「Undercover」
ドイツ語圏(ドイツ,スイス,オーストリア)で発売されるアドベンチャーゲームの40%以上を取り扱っているのが,ドイツのパブリッシャ dtp Entertainmet。今後発売が予定されている9タイトル中,5タイトルがアドベンチャーゲームというスペシャリスト系パブリッシャだ。
そんなdtp Entertainmentが,9月に発売を予定しているアドベンチャーゲームがこの「Undercover: Operation Wintersun」。本作は,1943年,第二次世界大戦下のドイツが舞台。プレイヤーはイギリス人物理学者John Russellとなり,ナチスが極秘裏に開発している大量殺戮兵器の秘密を探るというのがメインストーリーとなる。 一応JohnはMI6の諜報部員という立場ではあるが,特殊な訓練などは受けておらず,物理学に詳しいという意外はフツーのおじさん。片っ端から出会った美女といい関係になることもないし,秘密兵器が満載された車を乗り回すこともない。
ポイント&クリックタイプのオーソドックスな3Dアドベンチャーゲームで,フルボイスで進み,要所要所でパズル的要素を含んだ謎解きや,ストーリーを楽しんでいくというのが基本的な流れだ。 パズル部分はストーリーにリンクした自然な形で用意されている。どう考えても毎日人が行き来しているような場所で,銅像などを所定の位置に動かして鍵を出し,その鍵で奥の部屋の扉を開ける,なんていう現実感のないパズルはないようである。実際,ちょっと高い窓から,部屋の中へ進入するシチュエーションでは,建物の脇にあったパイプを使ってよじ登って潜入できた。 あまりにも現実感のないパズルが多いと,ストーリーに没頭できなくなるという人もいるのではないだろうか。本作は,現実感があり,そしてストーリーとも関連性のあるパズルを用意することで,プレイヤーが自然にパズルを解くようにし,ストーリーに集中できるようにしているようだ。
ちなみに,ブースでは実際にプレイできるものが出展されていたので,早速遊んでみた。……が,ドイツのゲームショウであるGCで展示されているのは,当然のごとくドイツ語版。多くのメッセージを理解できず,残念ながらストーリーを楽しむことはできなかった。 ただ,ブースにいた女性スタッフが,時折携帯電話で誰かにパズルの答えを聞きながら教えてくれるという,親切とも,おせっかいとも取れる対応をしてくれたので,なんとか先に進められた。 基本的にムービーには切り替わらず,ゲーム内でキャラクターがしゃべりながらストーリーは展開していく。話が止まりキャラクターを動かせるようになると,画面内にあるオブジェクトを見ながら先に進む方法を考えて,それを実行する。この繰り返しで,ストーリーを進めていくようだ。
画面内にあるパズルを解く鍵は,大抵クリッカブルになっていたので,一か所で詰まってしまうということはそれほどなさそうに感じた。どちらかというと,謎解きよりもストーリーを楽しむタイプのゲームなので,ぜひ日本語で遊びたいところだ。(noguchi)
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