[GC 2006#34]「Counter-Strike」を追い討ち? 新作FPS「Parabellum」が初公開
ドイツを中心とする世界16か国のMODクリエイターで構成されるAcony Gamesが,Unreal Engine 3.0で制作中のFPS「Parabellum」を,GC 2006で初めて公開した。
Parabellumでは,近未来のニューヨークを破壊せんと企むテロリスト組織“ブラック・ノベンバー”と,それを阻止する“デルタ・フォース”の対峙を描き,ニューヨークを住宅街,商業区,工業区の3地域に分けた48種類のマップを用意。クラン戦を意識した6対6のオンライン対戦もしくは充実したBOTプレイを楽しめるようになっており,Acony Gamesの面々からは,長年王座に居座る「Counter-Strike」に引導を渡すくらいの勢いさえ感じられた。
Andre Harbst(アンドレ・ハーブスト)氏
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デモを見せてくれた開発者Andre Harbst(アンドレ・ハーブスト)氏によると,Parabellumとは9mmパラベラム弾から名づけられたとのことだが,ラテン語で分解すると「戦争の用意をしろ」という意味にもなるそうだ。最大で6人のクラン戦に主眼をおいているためか,キャラクタークラスはライト,ミディアム,ヘビーの3種類のみ。武器はゲーム開始ごとに購入する必要はなく,あらかじめ7×6マス程度のキャラクターインベントリに入るだけの好みの武器を用意しておくシステムだ。
アサルトライフルやマシンガンなど,ゲームに登場する12種類の兵器は7パターンにモディファイ可能という。弾丸は通常タイプのほかに,周囲に跳ねることで室内戦に最適なリコシェットや,鉄板も貫通するAP(アーマー・ピアシング)などがあり,マップに合わせて事前に適切な弾丸を用意することになる。 戦略マップでクランの仲間達が事前協議でき,リーダーのみマップに進行経路の矢印をつけて,左右に分かれて挟み撃ちにするなどのプランを立てることができる。ゲームが始まれば,ほかのメンバーの画面には,このプランに合わせた矢印などが表示されるとのことで,より統率の取れたゲーム運びが出来るようになるかもしれない。
MODコミュニティのメンバーが主体で,まだスタートアップしたばかりの会社ではあるが,Epic GamesとUnreal Engine 3.0のライセンスに成功したというのが興味深い。今回のデモで用意されていたのは鉄工所風の工業地帯マップのみだったが,熱そうな溶解鉄などの表現力も高く,かなり洗練されたイメージだった。ガスパイプや燃料タンク,給水タンクなど破壊可能なオブジェクトが各地に配置されており,これを戦略的に利用することも可能だ。
本作にはさまざまなモードが用意されているが,テロリストが核爆弾をマップ上に隠し,それを時間内にデルタチームが発見するというような設定の遊び方もある。デルタチームが時間内にテロリスト6人を射殺できなければ,キノコ雲が遠くに立ち上り,しばらくすると突風がプレイヤーを襲うというような過激な表現も見られた。 48マップすべてを二つのクランで戦い合うこともでき,それらのデータはセーブすることも可能にさせるとのことだ。Parabellumは2007年第3四半期と,リリースにはまだ1年あるわけだが,いわゆるe-Sportsでも活用できるクラン戦用FPSとして,かなり期待できそうな印象だった。(ライター:奥谷海人)
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