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[E3 2005#175]太平洋戦争を題材にしたウォーゲーム「Pacific Storm」
2005/05/25 18:12
 「Pacific Storm」は,日本とアメリカが激突した太平洋戦争をテーマにしたヒストリカルウォーゲーム。プレイヤーは,日本かアメリカかのどちらかを選択して,それぞれの立場から,敵対する軍団の殲滅を目指すことになる。大枠としてはリアルタイムストラテジーゲーム(以下,RTS)に属する本作だが,それに加えて,戦略級ゲームの要素やシミュレーター的な要素(この場合は,フライトシムなどに近い意味)も含まれているのがユニークなところだろう。

 ゲームは基本的に戦略パートと戦術パートに分かれており,戦略パートでは資源の管理やユニットの生産,そして生産したユニットで編成した艦隊のマネージメントなどを行い,また艦隊を各海域に展開させるのもこの戦略パートで行う。ゲーム画面は地図を上から見下ろすような視点。戦略マップにて各艦隊の配置を決定したあと,自分の艦隊が敵艦隊と接触すると戦術パートへと移り変わる形だ。
 戦術パートはリアルタイムで展開され,画面上に現れる艦隊に指示を出していかなければならないわけだが,全体的にかなりゆったりめに作ってあるような雰囲気。目を離している間に一瞬でやられてしまうというようなことはなく,どちらかといえば編成した艦隊の戦いぶりを眺めているといった趣が強いような印象だ。



 またこの戦術パートでは,プレイヤーの視点を"戦闘機のパイロット"の視点に合わせることもでき,「バトルフィールド1942」のようなノリで飛行機を操作できる。艦隊戦の様子を一人のパイロットの視点で眺められるのは,なかなかオツなものといえるだろう。開発者曰く「いわゆる本作の"パイロットモード"のフライトモデルは,さすがに簡単なものでしかない」との話ではあったが,グラフィックス的な部分などはよく作り込まれており,当時の海戦の雰囲気を味わうには不足ない。ちなみに一つの戦域では,最大500ユニットまで展開可能だとのこと。戦闘自体もそれなりに大規模なモノを味わえるようだ。
 戦略パートに話は戻るが,艦隊編成ではどんなユニットを入れ込むかはもちろん,指揮官となる人物も任命できるなど,国産で言えば「提督の決断」などに近いゲームスケールになっている。登場する人物も実在の人物が用意されており,ぱっと確認できた中では,山本五十六や南雲忠一などの名前もあった。提督にはモラル,カリスマ,インテリジェンスなどといったパラメータが設定されており,それによって艦隊全体の能力が上下するという。さらにキャンペーンモードでは,大和や赤城,あるいはエンタープライズなどといった実在した艦艇も登場するとのことだ。

 ともあれ,どちらかといえばじっくりと腰を据えて遊ぶタイプであろう本作。グラフィックスは一級品とは言えないまでも,それなりのクオリティを確保しているし,そもそもヒストリカルな海戦RTSというのは実はあまり聞いたことがないのが本音。そういう意味でも,ミリタリー系歴史ゲームファンならチェックしておくと良いかもしれない。
 ちなみにBuka EntertainmentのCEOであるMaxim Mikhalev氏によれば「日本の代理店に関しては,3社ほどからオファーがある状態」とのことで,国内版の流通はほぼ確定しそうな雰囲気。日本語版で遊べることを願いたい限りだ。(TAITAI)


パシフィックストーム 〜太平洋の覇者〜 日本語版
■開発元:Lesta Studio
■発売元:ズー
■発売日:2006/12/08
■価格:8190円(税込)
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2005.05/20050525181201detail.html