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“紅忍”を敬愛するポーランドのデベロッパによる新作「BANSHEE: Demon Girl」は,欧州が舞台のステルスアクションだった[TGS2024]
「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」や「天誅」などのタイトルからインスパイアを受けたという「BANSHEE: Demon Girl」は,はだけた桜色の着物に素足という出で立ちの主人公が,ステルスを駆使しながら相手に近付き,血祭りにあげていくというサードパーソンアクションとなっていた。
会場にいあわせたFalse ProphetのCEOで開発者のPiotr Pacynko(ピオトル・パツィンコ)氏によれば,本作の発想の源泉となったのはPlayStation 2の「Red Ninja: End of Honor(邦題:紅忍 血河の舞)」なのだそうだ。「精神的後継作というにはおこがまし過ぎるので,赤じゃなくてピンクにしましたけど」と冗談めかして話してはいたが,トレイラーなどを見るに,かなり本気のようである。
初のプレイアブル出展となる東京ゲームショウ2024に合わせて用意したというデモ版は,まだアルファ版程度のものらしく,作中のアセットも前作である「BEAST」から流用した状態なのだそうだ。しかし,裾の短い着物姿で剣を振り回し,激しいアクションをこなす主人公の姿はなかなかにセクシャルで,昨今の海外産タイトルとしてかなり攻めたビジュアルに感じられた。
基本的なゲームプレイでは,パリィやブロック,さらに回避とスプリントを駆使しながら,弱と強の2種類の攻撃を使い分けて戦っていく,なかなかハードなアクションが展開される。復活も一応可能なようだが,基本はソウルライクな死にゲーなので,何度も何度もキルされながら少しずつ前に進んで行くプレイスタイルになるようだ。
また[LT]キーに「鬼の力」(Demon Power)なる能力がアサインされており,今回のデモでは敵の首筋に食らいついて生き血を吸う,ヴァンパイアのような攻撃も確認できた。
ヨーロッパ風の建物や噴水があるロケーションで,着物姿の主人公が髪を振り乱して戦う様子はなかなかに異様だが,Pacynko氏によると,彼女は戦国時代に日本からヨーロッパに赴いた随行員の一人で,芸者に扮した“くノ一”なのだそうだ。しかし旅の途中に殺されてしまい,その復讐心から死の淵より蘇ることに。死ねない体となった彼女は何度敗れても醜い姿で蘇り,自分を殺した相手を探し出すため,そして何より呪いの呪縛から解き放たれ,心の平穏を取り戻すために戦い続けるのである。
日本に帰るまでの旅路が描かれるのかと氏に聞いてみたが,主人公はすでに地縛霊になっているので,ここ(作中のヨーロッパのどこか)から離れることはないという。となると彼女を手にかけた人物――復讐の相手は,現地のヨーロッパ人もしくは使節団の同行者ということになりそうだが……このあたりの物語は追々紹介されていくことだろう。
なおアナウンストレイラーで流れる,どこか不気味ながらも印象的なテーマソングは,「Halo: Combat Evolved Anniversary」(2011年)や「ソウルキャリバーV」(2012年)などにも楽曲を提供しているニューエイジ系ミュージシャンのJulian Aversa(ジュリアン・アヴェルサ)さんの歌唱によるものだとか。
またBGMシステムにはUnreal Engine 5の最先端サウンドテクノロジーである「Quartz」と「Harmonix」を活用し,プレイヤーのアクションに合わせてリアルタイムで音楽が変化するといったギミックも搭載されている。ボイス周りも日本語に完全対応するそうなので,サウンド面でも注目のタイトルになりそうだった。
さらに今回の出展に合わせ,本作のアーリーアクセスを2025年9月に開始するとの告知が行われているが,これは2025年の東京ゲームショウで初公開したいという,False Prophetの意志の表れなのだそうだ。この辺りからも,False Prophetの日本ゲーム市場への強い思いが感じられる。
1年後に,いったいどんな進化が見られるのか。気になる人はSteamのストアページからウィッシュリストに追加して,今後を見守っておこう。
- 関連タイトル:
BANSHEE: Demon Girl
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