プレイレポート
[プレイレポ]「ツリーオブセイヴァー:ネバーランド」は戦闘も生活も充実。新生TOSはやさしい絵柄の世界に浸れるMMORPG
本作は,あの「ラグナロクオンライン」を手がけたキム・ハッキュ氏が開発に携わった,PCオンラインゲーム「Tree of Savior」(ToS)シリーズの最新作だ。
原作ToSはクラシカル風な2.5Dデザインと,アクション性の高いシステムが特徴で,2016年から始まったサービスは今も継続中だ。現在はスマホ向けの「ツリーオブセイヴァーM」も提供されている。
そんな状況で送り込まれた新作TOSNは,2.5Dの手描きアートスタイルを取り入れつつ,“水彩薄塗り”技法でさらなるかわいらしさが追求されている。戦闘系と生活系のジョブも複数用意され,それらを組み合わせることで自分だけのスタイルを楽しめるそうな。
美術監督は,ラグナロクオンラインの父ことキム・ハッキュ氏が担当。音楽監督は「スターオーシャン」や「テイルズ オブ」シリーズなどの楽曲を手がけてきた,桜庭 統氏が務めている。布陣に隙なしだ。
今回は,そんなTOSNを実際に遊んでみた感想をお届けしよう。
「ツリーオブセイヴァー:ネバーランド」公式サイト
「ツリーオブセイヴァー:ネバーランド」ダウンロードページ
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世界樹を救う冒険の旅へ!
物語は,魔竜「ファヴニエル」により崩壊の危機にある世界に,あなたが召喚されるところから始まる。あなたの役割は,世界樹「イグ神樹」の生命力を取り戻すべく,イグの種を集めることだ。
要約すると「別世界に召喚され,世界樹を救うため,モンスターと戦いながら世界中を旅する」という王道的な路線と言える。
TOSNにファンが求める“ToSらしさ”は,それぞれ定義が異なるだろうが,筆者としては「水彩風のやさしい絵柄」にらしさを感じる。これについては画面を見て分かるとおり,きちんと継承されていた。
キャラクターの立ち絵や,ストーリーの要所に挿入されるムービーシーンでも,そうした雰囲気を壊さない丁寧なアートワークが味わい深く,よりいっそう世界観にのめり込めてしまう。
初期ジョブは5種類。好みで選ぼう
MMORPGと言えば,「ジョブ」(いわゆる職業,クラス)の選択が遊びのうえで重要だろう。その点,TOSNでは“初期の戦闘ジョブが5種類”用意されており,そこから好みのスタイルを選べた。
まずはこの5ジョブを順番に紹介していく。
「衛士」は,防御力に優れた近接型だ。戦闘時の生存能力が高く,敵の行動を制限することにも長けたタンクである。
「魔道士」は,魔法火力に長けた遠隔型だ。範囲攻撃は優秀だが生存力に乏しいため,味方次第で輝けるダメージディーラーと言える。
「治癒士」は,回復能力を備えた遠隔型だ。火力は控えめだが,チーム(パーティ)貢献度は高い,仲間のために働くヒーラーである。
「銃士」は,遠距離物理攻撃が売りの遠隔型だ。火力以外にも機動性に優れており,スキルもバランスよくて扱いやすい。
「影殺士」は,物理火力と機動性に特化した近接型だ。優れた火力の代償として耐久力に難がある,高難度なアサシンタイプと評せる。実際,影殺士だけは紹介画面で「かなり高難度だぞ!」と注意書きが出ているほどなので,被撃をきちんと避ける動きが要求される。
TOSNでは戦闘ジョブに加えて,「技能ジョブ」が存在する。こちらはプレイヤーキャラクターがLv26になると開放される要素で,現時点では「料理人」「錬金師」「職人」の3種類を確認できた。
料理人は「属性料理」で,一時的にバフを付与できる。錬金師は「ポーション調合」でHP/MPを回復したり,衣装の染料を作ったりできる。職人は「採取効率」を高めるツールや家具を制作可能だ。
どのジョブも戦闘や冒険に役立つ能力を備えており,制作物を他者に贈ることもできる。技能ジョブはこのうち1つのみ習得でき,“再変更には30日間の禊”が必要だった(初回の3日間のみ自由変更可)。
なお,技能ジョブによるアイテム生産は「採取」による素材集めからスタートする。そして生産するほどに“技能経験”が上がり,さらにいろいろな物品を作れるようになっていく流れだ。
馴染みやすい操作性とほどよいアクション
操作はおなじみのバーチャルパッド方式で,スマホ向けMMORPGをよく遊ぶ者としては,とても扱いやすいキー配置と言える。
戦闘時の操作は激しくはないが,大型ボスとの戦闘では,相手の大技時に赤色の警告表示(インジケータ)が表示され,どうにか動き回って回避するという,こちらもおなじみのアクション性がある。
また,回復薬の性能が控えめなため,チームメンバーを回復できる治癒士は非常に重要だと感じた(筆者が生存能力最低の影殺士を選んだせい,という説もある)。とにかく,チームで役割分担し,協力して戦うMMORPGらしさは,短いプレイでもしっかりと感じられる。
自由度の高いスキルツリー
各ジョブには「スキル」が用意されている。しかもスキルツリーは“SP(スキルポイント)でどのスキルを強化するか”が自由なため,自然とほかのプレイヤーとの差別化が進んでいく構造だ。
範囲攻撃に特化するか。単体相手に特化するか。同じジョブでも得手不得手が違い,コンテンツごとの攻略模様も変わっていく。
ちなみに,スキル振りに関しては「自動振り分け」もある。自動振り分けは“プランの選択”もできるので,悩ましい人は自身の好みのプランだけ選んで,取捨選択を忘れて進めることもできてしまう。
考えるのがイヤな人,あるいは最適解を考えすぎて動けなくなるような人は,とりあえずプラン進行にしておくといいのだろう。
装備や「猫霊」を集めてキャラを強化
キャラクターの強化手段は,レベルアップのほかに装備集めや“猫霊”が挙げられる。装備品は,3人以上のチームで挑む協力型ダンジョン「装備の裂隙」で集めていく。人集めが苦手な人にもうれしい自動マッチングシステムも当然のように搭載していた。
各ダンジョンは1日ごとの報酬回数が限られているため,ゲーム序盤は毎日挑み,装備品をコツコツ集めるのが正攻法に思えた。
装備品にはレアリティはもちろん,追加属性というランダムオプション要素も存在するので,“トレハン感”はかなり強めだ。
そしてTOSN独自の装備(?)として,「猫霊」が存在する。こちらはいわばペットであり,キュートな猫の霊を3体までセットして,戦闘中に特別なスキルを発動しよう,といったものだ。
猫霊のスキルはCD(クールダウンタイム)が長めだが,威力も戦闘ジョブのスキルと同等くらいあり,ボス戦ではかなり役立つ。
猫霊は基本,ガチャ入手が中心になっているが,ガチャチケットは有償購入以外に,ゲームプレイでも入手可能だった。
ほかにも珍しい,あるいはなじみ深い装備要素として「カード」があった。こちらは戦闘コンテンツなどで入手可能な装備品の1つで,専用スロットにセットすることでステータス面の恩恵を得られる。
カードの上限枚数は分からなかったが,相当な数をセットできるようで追求のしがいはありそうだった。カード自体,育成することでステータス上昇値が上がり,また同じカードを複数セットすることでボーナスを得られるため,カード収集・育成も楽しみの1つとなっていた。
「ホーム」でまったり生活を楽しもう
「戦闘だけじゃなく生活感も味わおう!」なんて往年のMMORPGたちが歩んできた道と同じく,TOSNは生活系コンテンツも充実している。とくに大きいのは自分だけの土地を開拓していく「ホーム」だ。
ホームでは,農作物を育てたり,動物の畜産をしたりと,気ままな生活模様が楽しめる。「フレンドとチャットしながら生活系コンテンツでまったりしたい」という層には,とくに刺さる部分だろう。
ソーシャル機能は,いわゆるギルドに相当する「騎士団」や,フレンドリストがある。コミュニケーション機能については,テキストチャットのほか,ボイスチャットにも対応している。このあたりは“あればうれしい今どきの機能”が一通りそろっている印象だ。
そして,見た目からしてかわいいキャラクターのための「衣装」の着せ替えも充実していた。衣装はゲーム内素材を用いた「裁縫」で制作したり,衣装ガチャを回したりすることで入手できる。
衣装には“衣装属性”という追加ステータスが付与されているが,TOSNでは外見用の衣装と,衣装属性を適用する衣装を別々で設定できるため,見た目と性能のギャップに対するお悩みは最初からなし。
より高ステータスな衣装が手に入ったときも,キャラの見た目はお気に入りの服のまま冒険し続けられる。とてもうれしい機能だ。
生活系にも力が入った,じっくり堪能型のMMORPG
TOSNは,ToSから受け継がれたアクション性の高いバトルはもとより,生活系コンテンツを充実させてきた点が魅力に感じた。
おかげで,(最低必要レベルを満たしたあとの)ゲーム序盤から,技能ジョブを磨くためにひたすら採取をしてもいいし,ホームの開拓を進めて立派な拠点作りにいそしんでもいい。メインコンテンツを押しつけてこないことから,気軽に脇道へとそれていける。
生活系コンテンツでのんびりしながら,フレンドと世間話をしつつ世界に浸り,気付けば夜を明かして朝に追いつかれ,苦笑しながら「じゃあね〜」と落ちる。これはMMORPGの最高の楽しみ方の1つだろう。
もちろん,そんな気ままな日々を横目に,バリバリ戦って強くなって頂点を目指すプレイもオツなもの。生活系も戦闘系もボリューム満点であることは容易に分かるはずなので,気になる人はさっそく飛び込もう。
もちろんガンガン寄り道したあとは,世界樹を救うのも忘れずに。
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