インタビュー
「勝利の女神:NIKKE」のキム・ヒョンテ氏とユ・ヒョンソク氏にインタビュー。2周年は昨年以上の規模に。「Stellar Blade」とのコラボも準備中[TGS2024]
4Gamer:
本日はお時間をいただき,ありがとうございます。2022年11月4日のサービス開始から間もなく2周年を迎えますが,現状のグローバルや日本での反響はいかがでしょうか。
ユ・ヒョンソク氏(以下,ユ氏):
これまでアニバーサリーのタイミングでは,いろいろなコンテンツやアップデートを準備してきましたが,プレイヤーの皆さんが,2周年もそれに相応するものがあるだろうな,と期待してくださっていることを感じています。オンラインコミュニティなどで,ストーリーやキャラクター,ミニゲームがどういったものになるのか想像されているのを,よく見かけるようになりました。
それを見て,面白いなと思うと同時に,皆さんのご期待にお応えできるように準備しなければ,という気持ちにもなります。
キム・ヒョンテ氏(以下,キム氏):
私は今まで,日本を含むグローバルのプレイヤーの皆さんからの反響というのは,データ上でしか接することができませんでした。しかし6月,ファンミーティングにユと一緒に参加して,皆さんのものすごい熱量を直接感じられ,とても感動したんです。これからは,反応を数値的に分析するのではなく,皆さんの熱い気持ちに応えなければならないと,気持ちを新たにしています。
4Gamer:
ファンミーティングのような,直接触れ合える機会はこれからも続けてもらえるのでしょうか。
ユ氏:
はい。できる限り増やしていきたいと思っています。
4Gamer:
お話しできる範囲で構いませんので,2周年の施策について教えてください。
ユ氏:
毎回,アニバーサリーのコンテンツを作るにあたり,満足していただけるものにしなければと心に負担がかかります(笑)。一方で,がんばろうとモチベーションも上がるんですけどね。
2周年で何があるかについては,ネタバレになるので具体的なことは言えませんが,その規模は過去のどの周年イベントより大きなものになります。ミニゲームについても,1周年や1.5周年より力を入れて作っているところです。キャラクターのビジュアルも素敵なものに仕上がっていますので,ぜひご期待ください。
4Gamer:
2周年以降の長期的な方針はいかがでしょう?
ユ氏:
これまでの方向性からガラリと変わることはないと思います。NIKKEのコアになる部分はやはりシナリオですから,サービスを2年,3年,それ以上と続けていくために,これからもしっかりと描いていきます。すでに2年分ぐらいの準備はできていますね。
シューティングやミニゲーム,迎撃戦といったコンテンツについては,より多彩に楽しめる要素を作りながら,皆さんが満足されているのか,改善点はないのか,持続的にチェックして見直していくような運営を続けていきたいと考えています。
4Gamer:
2年先のシナリオまで決まっているということは,そのあいだで実装するニケもだいたい固まっているんですか?
ユ氏:
大筋は固まっています。ただ,プレイヤーの皆さんの声やニーズを見ながら,少しずつ調整すると思います。登場頻度の高い,いわゆるメインキャラクターの設計も終わってはいますが,頻繁には出てこないキャラクターについては,柔軟に変わるかもしれません。
4Gamer:
ニケの戦力バランスの調整は,どういった方針で行っているのでしょうか。
ユ氏:
強化の方法自体は,現在行っている宝ものだけでなく,いくつか方法があると思います。今後は,シナリオに合わせて別バージョンを出したり,シナリオに多様なニケを出して手を入れる機会を作ったりといったことも検討しています。
ただ,調整が入るスピードが遅すぎるとプレイヤーの皆さんをお待たせしてしまいますし,逆に早すぎるとニケの使い方のサイクルが早く回りすぎてしまうので,皆さんの声に耳を傾けつつ,スピードを調整していくことが重要だと考えています。
4Gamer:
NIKKEは,戦闘のやり応えも魅力だと思うのですが,スマホ版とPC版では操作性や画面の視認性の違いで,難度に差が生じているように感じています。スマホ版が,よりプレイしやすくなるような調整は予定していませんか?
ユ氏:
その問題は,こちらとしても認識しており,ボスが登場するコンテンツを中心に改善を図っていこうと考えております。
まだアイデアを出し合っている段階なので,実装が確定しているわけではないのですが,例えばボス戦で攻撃阻止のマークが出ますよね。これを縦画面でプレイ中でも確認できるように,なるべく画面の中央に配置する。
あとは,縦画面基準でやむをえずに画面の外に表示しなければならないとき,「外にありますよ」というのが分かる表示をするなども,案として出ています。
4Gamer:
なるほど。改善に向けて議論されているというのは安心しました。
ユ氏:
私も普段はスマホで遊んでいて,気持ちは分かりますので……。ちゃんと直します。
4Gamer:
スマホで遊ばれているんですね。個人的には,ニケの後ろ姿は大きな画面で見たいです。まぁ,戦闘中は忙しくて見ている暇がないんですけど……。
ユ氏:
実際,「戦闘中にニケの後ろ姿を見ている暇がない」という苦情は届きます(笑)。そういうときは,オート戦闘を使っていただけると……。
キム氏:
でも,オート戦闘を使うと機械的な動きになってしまって,見たい後ろ姿とは違うんですよねぇ。
4Gamer:
こだわりが(笑)。本作ほどキャラクターの「背中」に注力して描く作品はなかなかないと思うのですが,この2年間さまざまにデザインしてきた中で,この子は楽しかった,難航したなど,印象深いニケがいたら教えてください。
キム氏:
誰が好き,と1人決めるのは難しいですね。ニケのそれぞれの背中には,それぞれのストーリーがあって,みんな魅力的だと思っています。ただ,あえて選ぶとしたら,今年の夏の水着イベントで登場したサクラやロザンナの後ろ姿が気に入っていますね。
あと後ろ姿で思い出しましたが,今はもう見ることのできないシフティーの後ろ姿をまた見たいですね。見たいですねぇ(ユ氏を見ながら)。
ユ氏:
なにかしら準備しておきます(笑)。
ユ氏:
苦労という点では,コラボキャラクターですね。原作のキャラクター性を大切にしないといけませんから,バランスの取り方が難しいですね。
4Gamer:
それはそうかもしれませんね。コラボ元のキャラクターは,背中を見せることに注力してデザインされているわけではないでしょうし。
ユ氏:
我々にお任せしていただければ,うまく表現してみせます(笑)。
あと印象深いのは,やっぱりマリアンです。ストーリーで初めて出会うニケですし,本作の第一印象を決める役割があります。そして,彼女が持っている性格や多様な設定を,見た目にどのように落とし込めばいいかに苦労しました。
4Gamer:
確かにマリアンは,プレイヤーにとっても特別なニケですからね。あの最初のストーリーはけっこうなダメージを受けました……。
ユ氏:
ポストアポカリプスの世界を描くにあたって,暗い一面もお届けしたかったんです。本作はこういうゲームですよ,というのを早めに皆さんに示しておく必要もありましたし,そうすることで魅力も伝わるのかなと。
4Gamer:
先ほど,本作はシナリオがコアとお話しされていましたが,それがまさに伝わる構成だと思います。
キム氏:
開発初期のころ,私もシナリオの設計に関わっていて,最初にインパクトを与えられるものを作ろう,という議論をしました。
その途中で,別の仕事があったので私は一時的に一歩下がったのですが,戻ってきたら今のかたちになっていて,私も驚かされました。いや,ほんとヒドイよ!
4Gamer:
(笑)。プレイヤーも皆同じ気持ちになったと思います。
ユ氏:
でもそれこそがNIKKEなんですよ!
4Gamer:
コラボキャラクターの話があったので聞いてみたいのですが,これまでのコラボは日本のIPと実施されてきました。違う国のIPで行う予定はないのでしょうか?
キム氏:
あります! なんと近いうちに,韓国の大作タイトル「Stellar Blade」とのコラボが予定されています(笑)。
※「Stellar Blade」はキム氏率いるSHIFT UPが開発しているタイトル
4Gamer:
それは大作とのコラボになりますね(笑)。
NIKKEのコラボは,かなりの手間がかかっているように見えるのですが,一度実施するのにどれぐらい準備しているんですか?
ユ氏:
その時々で違いますが,1年ぐらいだと思っていただけると。
4Gamer:
やはりかなりの準備期間になるんですね。コラボ先は,どういう基準で選んでいるのでしょう。
ユ氏:
以前は,ユーザー層が被らない人気IPを選んで,NIKKEに興味を持っていただくことが良いのではないかと考えていました。ただ,最近は考え方がちょっと変わりまして,NIKKEと面白い化学反応が起きるIPが良いのではないかと思っています。お互いがうまく融合してなじみ合う,もしくは予期せぬとんでもない方向にいくようなコラボにしたいです。
キム氏:
数字的な利益よりも,シナジーを作りたいですね。
4Gamer:
最後に,日本のNIKKEプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。
キム氏:
東京ゲームショウに来たのは2年ぶりなんですが,以前きたときは,皆さんにNIKKEを紹介する場でした。今回はファンの皆さんにお会いする場だと思っています。NIKKEを愛してくださる皆さんにお会いできるのは,貴重な機会です。これからもお会いできる機会も増やしていきたいです。
この2年間,皆さんからは予想を超える大きな愛をいただきました。それは我々に対しても,ゲームに対しても,ニケ達に対してもです。この場をお借りして,あらためて感謝の言葉をお伝えさせてください。ありがとうございます。これからも,愛され続ける素敵なゲームを作っていきます。
ユ氏:
2年間,おかげさまでサービスを続けて来られました。皆さんに一番お伝えしたいのは,やはりありがとうございます,の一言です。皆さんがNIKKEを楽しんで遊んでくだされば,それ以上に望むことはありません。2周年のコンテンツもぜひご期待ください。
この先3年,4年,10年とお付き合いいただけるようがんばっていきますので,これからも末永くよろしくお願いいたします。
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