インタビュー
[インタビュー]「ハースストーン」,次期拡張版「暗黒宇宙ドラナイ伝」のコンセプトを開発チームに聞いた。VFXアーティストの仕事についても
「ハースストーン」,最新拡張版「暗黒宇宙ドラナイ伝」を11月6日にリリース。「預言者ヴェレン」がリーダーのミニオン種族「ドラナイ」が登場
Blizzard Entertainmentは本日,デジタルカードゲーム「ハースストーン」の最新拡張版「暗黒宇宙ドラナイ伝」を11月6日にリリースすると発表した。今回の拡張版は宇宙が舞台となっており,新キーワード「宇宙船」が追加される。「宇宙船パーツ」のミニオンが死ぬと,宇宙船が強化されていく仕組みだ。
本稿では,ゲームデザイナーのLeonardo Robles Gonzalez氏(以下,Gonzalez氏)と,VFXアーティストのLuke Mason氏(以下,Mason氏)を対象にしたインタビューの模様をお届けしよう。
Leonardo Robles Gonzalez氏 |
Luke Mason氏 |
宇宙をテーマにした初めての拡張版。開発チーム渾身の新キーワード「宇宙船」が登場
――「暗黒宇宙ドラナイ伝」はどのようなストーリーですか。
今回の拡張版で焦点を当てるのはドラナイです。彼らはアルガスという惑星に住んでいましたが,焦熱の軍団の侵攻を受け,仲間だと思っていた「キルジェイデン」などの裏切りにあい,新たに居住できる惑星を求めて宇宙を旅しています。
――新たなミニオン種族としてドラナイを実装するにあたって,どのようにデザインしましたか。
Gonzalez氏:
種族の繁栄を宇宙空間に託し,希望に向かって突き進む姿を描いています。カードとしては,次にプレイするドラナイを強化する効果を持ったものが多いです。
Mason氏:
また,シャーマンは航海術,ドルイドは歴史の記録というように,クラスごとにテーマを与えています。彼らの歴史の空白を,どのような物語で埋めていけるのかを考えて制作しました。
――新キーワードの宇宙船を紹介してください。
Gonzalez氏:
このギミックはもともと,「ウィズバンのワクワクワークショップ」に向けて検討したもので,巨大なクトゥーンのおもちゃを作るというコンセプトから始まりました。そして攻撃力や体力だけでなく,効果も引き継げば面白いのではないかと発展していきました。
うまく実装することが間に合わず,当時はお蔵入りしましたが,私自身,このギミックに深く関わっていたので,「暗黒宇宙ドラナイ伝」では宇宙船という形で再挑戦することにしたんです。
――どうして専用の宇宙船カードは6クラス限定なのでしょうか。
Gonzalez氏:
宇宙船パーツは,ほとんどが低コストで,いろいろなパーツを組み合わせてスーパーミニオンを作れるようになっています。このギミックはとても楽しいんですが,ゲームデザインが非常に難しいんです。開発チームは早い段階からその難しさに気づいていたので,クオリティを保つため,6クラスに絞ることを決めました。
――専用の宇宙船カードを持つ6クラスは,どのように選びましたか。
Gonzalez氏:
まず,残りの5クラスにも素晴らしいものを提供しなければならないので,それをドラナイのギミックに決めました。そして,ウォークラフトの世界における立ち位置を考慮し,ドラナイのイメージが強いクラスとして,プリースト,パラディン,メイジを選びました。
また,敵の宇宙船はあったほうがいいので,焦熱の軍団側の宇宙船をウォーロックに用意しました。ほかのクラスの宇宙船とは違った仕上がりになっていると思います。
そのほかにも,宇宙船を採用するとゲームの展開が遅くなることなど,さまざまな要素をもとに判断しました。
Mason氏:
私はここで約5年働いています。VFXチームは,レジェンドミニオンのプレイ時など,主にゲームボード上で何かが起こったときのアニメーションを担当しています。私自身は今回,宇宙船のデザインやエフェクト,レジェンドミニオン「アーキモンド」のエフェクトなどを手掛けました。とても楽しい仕事ですよ!
――これまでの5年間で担当したもののうち,印象に残っているものはありますか。
Mason氏:
5年もやっていて,次から次へとカードを作っているので,何を作ったか思い出すのは少し大変です(笑)。私が手掛けたもので,プレイヤーの皆さんが最も馴染み深いのは,複数パックを開封するときのアニメーションかもしれません。稲妻が走ったり,いつもより爆発が派手になったりという演出をしています。
また,最近では新しいヒーロースキン「炎の王ラグナロス」のアニメーションも担当しました。
――今回は宇宙をテーマにした初めての拡張版ですが,こだわった点はありますか。
Gonzalez氏:
私の場合は,やはり宇宙船ですね。これまでのハースストーンで見たことのないような,ユニークな仕上がりになっていて,開発チームの素晴らしい仕事を誇りに思っています。
100コストのミニオン「無窮無辺」にも注目してください! エフェクトはコストに応じて派手さを決める傾向にあるので,100コストに見合ったアニメーションを作りました。プレイヤーにとって,1番好きなアニメーションになる自信があります。
Gonzalez氏:
個人的には,ウォークラフトでおなじみのキルジェイデンとアーキモンドを,ハースストーンの10年以上の歴史のなかで,ようやくカードとして実装できることにも本当に興奮しています!
――今の開発チームが重視していることと,今後取り組んでいきたいことを教えてください。
Gonzalez氏:
開発チームは,プレイヤーに驚きと喜びを提供することを最も重要だと考えています。リリースペースが安定した今だからこそ,予想外で,聞いただけでわくわくするような何かを,各拡張版に入れたいと思います。これからも,かっこいいカードや楽しいカードを作っていきたいです。
Mason氏:
私も同じ意見です! 今後もプレイヤーの皆さんが納得できるようなアニメーションを作っていきたいと思います。
Gonzalez氏:
最後に1つだけ。まだ詳細は言えないのですが,本当に素晴らしい発表を数週間以内に行う予定です。ぜひ期待していてください!
「ハースストーン」公式サイト
「ハースストーン」ダウンロードページ
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(C)2017 BLIZZARD ENTERTAINMENT, INC.
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