[GC 2007#107]海外ゲームショウ恒例? FFXIプロデューサー田中氏&Sundi氏インタビュー
4Gamerもスクウェア・エニックスも,言うまでもなく日本を拠点とするわけだが,「ファイナルファンタジーXI」プロデューサーの田中弘道氏と,同グローバル オンライン プロデューサー Sage Sundi氏に会うのは,圧倒的に海外のほうが多い。もっともSundi氏によれば,大抵のゲーム業界人は海外のほうが口が軽くなるそうなので,これはこれで,いいことなのかもしれない。 というわけでGC 2007でも,忙しいお二人に時間をとっていただき,色々と話を聞いてきた。ただあらかじめお断りしておくと,E3 Summit 2007でのインタビューから,1か月と少ししか経っていないこともあり,今回は新拡張データディスク「アルタナの神兵」に関する新情報はほとんどない。では,いつ頃新情報が出るのか,といった話や,GCが開催されているヨーロッパの市場について,そして世界展開についてなどを聞いている。また,11月に大阪で行われるオフラインイベント「ファイナルファンタジーXI アルタナ祭りin大阪」(関連記事)についても話に出ているので,とくに関西圏に住んでいる人はお見逃しのないように。
左:田中弘道氏 右:Sage Sundi氏
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■ヨーロッパ市場について
4Gamer: ご無沙汰しております……って,E3 Summit 2007でお話ししたばかりですから,わずか1か月ぶりくらいですね(笑)。ドイツはいかがですか?
田中弘道氏(以下,田中氏): えー,実はまだ何も見られていません……。
4Gamer: 昨年(関連記事)から引き続き,その答えとは。さすがにお忙しいようですね。
田中氏: 明日以降はさらに混むでしょうから,今のうちに見ておきたいとは思っているんですけどね(編注:このインタビューを行ったのは8月23日木曜日。一般の人が参加できるGCでは,当然週末は人でいっぱいになる)。
4Gamer: そういえば,明日と明後日は,2時間延長して8:00PMまでエキスポやるんですよね。見るほうにとっては,少し余裕ができていいかもしれませんね。見られる側にはつらいでしょうけど……。
Sage Sundi氏(以下,Sundi氏): 大谷君(編注:スクエニのブースでイベントを行っていた日本人スタッフ)は,倒れると思います(笑)。
4Gamer: そういえばブースでは,ビシージとツアーを,かわりばんこにやっているんですよね。どんな感じですか?
Sundi氏: かなりいい反応ですよ。今回はちゃんとドイツ語版だし。
4Gamer: 確か昨年のGCのときは,まだドイツ語版がリリースされる前でしたね。
Sundi氏: ええ,前回もテストサーバーでドイツ語版をチラッと見せていましたが,今回は正式に実装していますし,またスターターパックが発売されたばかりというのも大きいでしょう。
4Gamer: スターターパックというのは,確かE3 Summit 2007のときに聞いた,4.99ユーロのパッケージのことですね。いつ発売になったのですか?
これは10ユーロエリア。ほんの少し古いだけの大物タイトルが並んでいる
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Sundi氏: ヨーロッパって,流通に結構時間がかかるじゃないですか。ちゃんとお店に並んで買えるようになったのは,先週くらいからかな。 ドイツのお店には“5ユーロエリア”(編注:廉価タイトルコーナー。文字どおり5ユーロ前後のゲームが並んでいる)というのがあるのですが,そこに並ぶ感じです。
4Gamer: なるほど,ではこれまでとはまた違う客層が手に取ることになりそうですね。
Sundi氏: そうですね。これまでのFFXIファン(MMORPGファン)だけでなく,“FFファン”の人にも見てほしいな,と考えています。
4Gamer: 実際には,どのような層に売れていますか?
Sundi氏: 多いのはやはりFFファンですね。
4Gamer: 年齢層とか,性別とかはいかがです?
Sundi氏: それはそんなには違わないですね。ちょうど入会アンケートの結果が出てきたのですが
(と,おもむろにノートPCの画面をこちらに示すSundi氏。そこにはアンケートの結果のグラフが。さすがに公開はNGだったので,この写真でご勘弁を)
Sundi氏: これが年齢層。やはりこのへん(といって,16〜25歳の層を指す)が30%近くもあり,一番多いですね。26歳から上も,そこそこいるほうかな。
4Gamer: おや,15歳以下が非常に少ないですね。
Sundi氏: 12歳以下はプレイ不可なんですよ。ちなみにアメリカでは,14歳以下はプレイできません。というわけで,これがアメリカのデータ。ほぼ同じですね。
4Gamer: ですねー。やはり16〜25歳が多い。
Sundi氏: はい。ただ,あくまでスターターパックに関しては,ですけど。
4Gamer: FFというと,もっと年齢層が高いかと思っていました。
Sundi氏: 確かにそういう部分もありますね。
田中氏: コンシューマのパッケージタイトルだと,とくにそうですね。
Sundi氏: そして,これが日本のデータです。日本は23歳以上が多いですね。
4Gamer: へー,ちょっと上にずれるんですね。
Sundi氏: 日本だと税込み1980円だから,そのあたりも関係するかもしれません。
4Gamer: 内容は同じなんですか?
Sundi氏: スキームは同じですね。まずはパックを買って,あとでレジストレーションコードをオンラインで買えるわけです。 欧州版内容は,フルパッケージになっています。日本でいうオールインワンパック。レジストレーションコードは1個しか入っていませんけど。あとはオンラインで買ってください,ということです。 北米でも,ヨーロッパの1か月前に,同内容の商品を発売しています。
4Gamer: そういえば,ダウンロード販売は考えていないのですか? 前にNTTと組んで,実験されていたようですが。
田中氏: ダウンロード販売やりたいけど,ファイルサイズが大きいんですよねぇ。
4Gamer: 今何GBでしたっけ?
Sundi氏: だいたい4GBです。切り分けちゃえば1GB分減らせるのですが。
田中氏: それでも3GBだよね。まだ大きい。ちなみに今,圧縮して4GBなんですが,追加要素があるたびに圧縮率を上げているので,どんどんインストールに時間がかかるように……。
4Gamer: ここまでのボリュームに育ってしまうと,ある程度仕方がないんでしょうね。 では話を戻しまして,ヨーロッパでのこの後の展開って,どう考えていますか?
Sundi氏: 今,ドイツ語のサポートをアメリカでやっているじゃないですか。ただ,やはり離れた地域でやっている分,やはりちょっと“現地性”が低いというか。 言語的な問題はとくにないと思うんですね。しかし,もっとローカルな対応度を上げたいとも思っていまして。ヨーロッパ地域にセンターを置くというのも検討はしています。
4Gamer: ヨーロッパの大きいところを束ねるような……?
Sundi氏: 人種がだいたい揃っているという意味で,ロンドンがいいと思っています。まぁ,まだどうするかは分からないですけどね。予定というより,検討です。 アメリカだと,どうしても第二言語でのサポートになりますからね。そういう部分って,お客さんにも伝わると思うんですよ。なので将来的には,ヨーロッパにも置きたいな,と考えています。
4Gamer: ほかにはどういったことを考えていますか?
Sundi氏: あと,強いファンサイトが欲しいところではありますね。
4Gamer: ドイツにはないんですか?
Sundi氏: いくつかあるんですが,ちょっと志向性が違う感じなんですよね。あと,もっと密なものにしていきたい。 ヨーロッパだと,メディアサイトよりユーザーサイトが強いんですよ。メディアサイトもあるけど,メディアに徹していて,いわゆるMMOのファンサイトというと,あまりない。あるけど,ちょっと違う。
4Gamer: ええ,言いたいことは分かります。でもそういうのって,もしかすると現状,アメリカにしかないんじゃないでしょうか。
Sundi氏: はい,確かにそうかもしれませんね。英語が読めたら,向こうに行っちゃうわけですし。 だから,ドイツ語のとなると,なかなかない。
4Gamer: 意外とこちらの人って,英語が分からないんですよね。若い人達も含め。昨日,「Warhammer Online: Age of Reckoning」のイベントでJeff(Jeff Hickman氏)がずっとしゃべっていたんですね。割と面白いことを言っていたんですが,観客の多くが英語を理解できなかったようで,クスリともされていなくて……。割と寂しそうでした(笑)。
Sundi氏: そうなんですよね。だから,せめてドイツ語のフォーラムだけは,どこかにお願いしたいと思っているんです。 そういうことを含め,なるべく地元に密着したサポートなどをやっていきたいと考えています。ちなみに,毎年ここ(編注:Games Conventionへのブース出展)やるときに,現地のFFXIプレイヤーからボランティアを募って協力してもらっているんです。そういう意味で「ベースはある」と考えています。
■ファイナル・ファンタジーXIの世界展開について
4Gamer: これまで,いろんなMMOゲームのプロデューサーやマーケティング担当の方と話をしてきましたが,大抵,“その国独自の仕様”という話題が出るんですよね。ところが,お二人からは,そういった話を一切聞いたことないですよね。 聞いたことがないということは,おそらくその国独特の仕様が,まったくないのでしょう。……まぁ,お二人にとっては,まったくないのが当たり前のことなのかもしれませんが。
Sundi氏: ええ,共有サーバーとして1か所ですからね。
4Gamer: そうなんです。しかしそれって,今時,非常に珍しいことですよね。
田中氏: もちろん内部的にはかなり大きなシステム変更があり,独仏語の文法に関するさまざまな仕様について,言語関係のプログラムを丸々再開発していますので,プログラマーはかなり大変だったようです。 また,どこまで翻訳するかについては,開発の現場でも,結構もめた部分ではあるんですよ。ローカライズをする側からすると,やはり言語にこだわって,「すべてドイツ語化したい」「もっとこういう部分もフランス語化したい」というのがある。 だけど,例えば日本語版でも,英語がちゃんぽんになっているように,プレイヤー間のコミュニケーションって,どのみち英語になってしまう。だから,完全に言語ごとに分けてしまうと,むしろ不便な部分も多いのかな,と。プレイヤーにもそう考える人が多いようです。
4Gamer: どこまでローカライズするべきかというのは,それこそ「Diablo II」の時代からよく議論されてきている問題ですよね。
田中氏: そうですね。昨日も,あるコミュニティから,アイテム名を英語にできないかという要望をいただきました。ゲーム内のNPCのメッセージとかイベントとかは現地の言葉で読みたいが,アイテム名やアビリティ名に関しては,英語のままでよかった,という人もいるんですよ。
4Gamer: 世に出回っている,アイテムのデータベースとか使えないですものね。
Sundi氏: 確か,「EverQuest II」でも同じ問題で,結局両方を用意したんですよね。
4Gamer: そうか,そうでしたね。
田中氏: そういう意味じゃ,できなくはないんですよね。ローカルに両方入っているので。
Sundi氏: 本当はこう,ピッと押したら切り替わる,とか最高ですよね(笑)。
4Gamer: おお,それはいいなぁ。
Sundi氏: コミュニケーションのためには,そうあるべきですよね。「これいきませんか?」の「これ」が出なくて,「えーっと」ってなっちゃっている。
4Gamer: テキスト以外の部分の現地化はいかがでしょう。例えば,絵柄に問題は感じませんでしたか?
Sundi氏: と言いますと?
4Gamer: 大抵のMMORPGで,世界展開をすると,このキャラクターの絵は変じゃない? とか,こんな顔おかしくない? この鎧の色味がおかしいよ,みたいなことがしばしばあるじゃないですか。そこで,タイトルによっては,グラフィックスもローカライズするといいますか,現地の好みに合わせたりしますよね。
Sundi氏: うーん,FFXIじゃあんまり聞かないですねぇ。
田中氏: 聞いたことがないですね。これまで(編注:FFシリーズ全般を指す)もずっと同じ絵ですし。
4Gamer: あぁ,つまり「ファイナルファンタジー」というカテゴリなのか。
田中氏: そうなんですよ。だから受け入れられやすいんじゃないですかね。 最初,タルタルみたいなキャラクターって,どう思われるんだろうと考えていたのですが,結果はOKだった。
4Gamer: なるほど,これはある意味凄いことだと思います。世界中で絵柄が受け入れられるようなタイトルって,FFXI以外には存在しないんじゃないでしょうか。EverQuest IIだって,East版ってのがありますしね。
田中氏: あと,あまりクセがないのでしょうね,海外のものに比べて。EverQuestシリーズも「World of Warcraft」も,なぜあんなにクセがあるんでしょうね。ちょっとバタ臭いと言いますか(笑)。
4Gamer: 確かにそうですね。 FFXIだと,そういう意味でのクセはないうえ,元々FFシリーズという共通概念があるから,どこの国の人にも違和感なく受け入れられている,と。 もはや,共通言語ですものね。たぶんケアルとホイミは世界で通用すると思うんですよ。
■東京,大阪,オースティン。今後のイベントについて
4Gamer: ……そろそろアレの話が出てくるのかなぁ,と想像しているのですが。アレというのは,次のアレです(笑)。
Sundi氏: 次? ああ,次のMMOタイトルですか。ドイツでもちょくちょくメディアから質問されましたが,言えることは以前と変わっていないんですよ。
4Gamer: E3のとき,今は新しいエンジンを準備中だという話がありましたが,その部分に進捗はありませんか?
田中氏: 今は9月末をめどに作っています。逆に言えば,そこまでは何もないですね。
4Gamer: 9月末……,もしや東京ゲームショウ(編注:9月20〜23日開催。20日,21日はビジネスデイ)あたりで,何か出てきますか?
Sundi氏: え,発表するかってことですか?
4Gamer: 御社の場合,なにげにロゴだけ出ていたりするじゃないですか(笑)。
田中氏: あぁ(笑)。でも東京ゲームショウには間に合わないですね。発表は,もう少し先になると思います。
4Gamer: 分かりました。あと,少し先といえば,11月3日でしたっけ。大阪でイベントがありますよね。
Sundi氏: はい,文化の日ですね。「ファイナルファンタジーXI アルタナ祭りin大阪」。
4Gamer: 「入場料高くない?」と噂の。
Sundi氏: なんかそう言われちゃっているようですねぇ。ただ,アメリカで行ったファンフェアが100ドルだったので,それよりは安い。まぁあっちは2日間ありましたけど。
4Gamer: 内容って,もう全部決まっているんですか?
田中氏: だいたい決まってきましたが,発表はしていないですね。もうすぐ特設サイトで発表になりますよ。
4Gamer: どういうことを考えているのでしょう?
田中氏: ミニライブとか……。サプライズをもっていくというよりは,関西方面で1回何かをやりたかった,というのが大きいです。
Sundi氏: 本当にファンのためのもので,発表などを行う場ではないですね。
4Gamer: 内容がよく分からないから,プライスに見合うか分からない,ということかもしれませんね。
Sundi氏: 田中弘道を生で見られる金額,ってことじゃダメですか?(笑)
田中氏: ダメに決まってるでしょ(笑)。ただまぁ,そこそこのおみやげがあるんで,高すぎるってこともないとは思います。
4Gamer: おお,ゲーム内アイテムとか?
田中氏: まあ,そうですね。
4Gamer: ちょっといいなぁ。
Sundi氏: あんまり期待しすぎないでください(笑)。
田中氏: 実はハコ(編注:会場である梅田芸術劇場メインホールのこと)が,結構高いんですよ。だから我々も,これで儲けようなんて思っていません。というか,大赤字なんですよね。なにしろイベント全体で数千万円もかかりますから,いまの入場料ではたとえ満員でも2割も回収できません。
4Gamer: なるほど,あくまでファンサービスの一環だと。関西方面で何かやるのは初めてでしたっけ?
田中氏: なにしろ,ファンフェア自体が国内では初めてです。これまでは,東京ゲームショウやスクウェア・エニックスパーティにくっついて行うものしかなかったので,
4Gamer: そういえばそうですね。どれくらいの人数を見込んでいます?
Sundi氏: うーん,会場が埋まるくらいはほしいですね。
4Gamer: 田中さんのサイン会はやるんですか?
田中氏: いやー,やらないでしょう。
常に人でごった返していたGC 2007のスクウェア・エニックスブース
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4Gamer: 昨年のGCでは大好評だったじゃないですか。そういえば今年は?
田中氏: どうなんだろう。
Sundi氏: やりますよ! もうブースで告知していますから,諦めてください(笑)。
田中氏: 誰が嬉しいんだか。
4Gamer: 昨年,みんな目をきらきらさせながらサインもらっていたじゃないですか(笑)。あと田中さんといえば,今年のAustin Game Conference(編注:アメリカ テキサス州オースティンで開かれる,ネットワークゲーム専門の開発者会議。今年は9月5日〜7日の期間で開催される)で,講演されるとか。
田中氏: もう再来週なんですよねぇ。来週中に講演用の原稿を書かないと……。実は,ドイツへ来る飛行機の中でも書いていたんですよ。
Sundi氏: 飛行機の中ではっと目が覚めて,「書かなきゃ!」って言って書き始めていましたよ(笑)。
4Gamer: どういったことを話される予定ですか?
田中氏: リクエストされているのは,クロスプラットフォームとしての,FFXIですね。FFXIについて,全般的に話そうと思っています。
Sundi氏: FFXIのすべて,みたいな感じの話になると思いますよ。
4Gamer: それは,4Gamerとしても気になりますね。
Sundi氏: うーん,どうでしょう。4Gamerさん的に面白い内容になるかどうか。
田中氏: みなさんだと,もうご存じの話ばかりだと思いますよ。一部数字などアップデートする部分はあるかもしれませんが。 ちなみに一人でしゃべるのはつらいんで,彼(と,Sundi氏を指す)にも出てもらおうかと。
Sundi氏: この部分はよろしくね,とか言われています。普通キーノートは一人だと思うんですけどね(笑)。
田中氏: だって寂しいじゃん(笑)。
Sundi氏: 早く,講演用の項目くださいよ(笑)。
4Gamer: もう再来週のことなんですよね。それ終わったら,すぐに東京ゲームショウと。お忙しいですねぇ。
Sundi氏: お互い様でしょう。
4Gamer: 東京ゲームショウはどんな感じになるんですか?
Sundi氏: FFXIは映像出展のみですが,新情報がありますよ。
4Gamer: おお! じゃあ,新ジョブが明らかにされるとか……。
田中氏: いやいや,それ以上はまだ言えませんよ。
4Gamer: あらら,残念。まぁここで言っちゃったら,新情報じゃなくなりますものね。
■ファイナルファンタジーXIの今後も少し
4Gamer: とはいえ,多くの読者がアルタナの神兵の新情報を求めていますので,ほんのちょっとでいいので,何か聞きたいところです。そういえばE3のとき,開発度は33%とのことでしたが,今はいかがですか?
田中氏: 40%,というところですね。
4Gamer: お,7%進みましたね。まだ日程とかは出ないのでしょうか?
田中氏: ええ,まだ“2007年内”でお願いします。今,マップはほぼできあがっていますが,来週火曜(8月28日)のバージョンアップが終わらないと,本格的な作業に入れないんですよ。それさえ終われば,全力でアルタナに取り組みます。
4Gamer: では,今後開発度が進むスピードも速くなりそうですね。案外,東京ゲームショウで流されるというムービーの最後に,●月●日と,具体的な日付が出たりして……。
田中氏: さあ,それはどうでしょう(笑)。しかし,以前もお話ししましたように,現時点で目標としている日付というのはあり,そこに向けたスケジュールを,1週間,1日単位で,ギリギリで回しています。ただ,実は来週のバージョンアップで予定していた闘獣場が間に合わなかったんですね。
4Gamer: 闘獣場?
Sundi氏: ええ,モンスター同士を戦わせる場所ですね。それが今回間に合わなかった。
田中氏: スケジュールから2週間分遅れてしまったので,……間に合わないかもしれません。
4Gamer: えええ!
田中氏: いやいや,調整しますよ。どっかで休みなし,となるだけです(笑)。
4Gamer: なるほど。……でも休みって,すでにもうあまりとっていないんじゃないですか?
田中氏: 本当は先週も,全社的な夏休みのはずだったんですけどね……。
4Gamer: いやはや,開発チームのみなさんは本当ご苦労様です。そんなお忙しいときに,長々とありがとうございました。では最後に,読者に向けてコメントをお願いします。
田中氏: まずは,28日のアップデートを楽しんでください。そして,東京ゲームショウでの新情報をお楽しみに。
Sundi氏: あと,大阪でお待ちしています。
4Gamer: 何かがある,かもしれない大阪ですね。
Sundi氏: あんまりあおっちゃダメです(笑)。ちょっとした驚きはあるかもしれない,くらいですね。
田中氏: まぁ,イベント自体,かなり濃い内容になると思いますよ。これまではスクエニパーティなど,1日中ずっとやり続けるようなイベントが多かったですが,こちらは,2,3時間の間,ステージで色々なことを行う,という内容になります。座って鑑賞する感じですね。その分,濃いわけです。
4Gamer: エンターテイメントショウを観る感じですか。確かにずいぶん趣が違いますね。
Sundi氏: 開発者によるパネルなどもありますが,試遊台でプレイして,といったような従来のイベントのイメージとは違うものになります。
4Gamer: 分かりました。では,東京ゲームショウも,大阪でのイベントも,楽しみにしています。本日はありがとうございました。
西へ東へと,世界中を飛び回っているお二人。さすがにお忙しく,このときもそれほど長時間は話せなかったが,ヨーロッパでの展開についてや,国ごとの独自仕様のないFFXIが世界中で受け入れられている理由,今後のイベントの予定など,多岐にわたって考えや予定を聞かせてくれた。 どうやら,アルタナの神兵の開発作業もまずまず順調のようだ。東京ゲームショウでどのような映像を出してくるのか,注目しておこう。また,大阪近辺にお住まいの方なら,アルタナ祭りもお忘れなく。サイン会はないようだが,生の田中弘道氏(?)は見放題かもしれない。(Interview by Kazuhisa/Iwahama,Photo by kiki)
(2007年8月23日収録)
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