[GC 2007#102]「Gothic 4」の開発はSpellboundに決定。Piranha BytesはDeep Silver傘下に
Deep Silverの記者会見に現れたPiranha Bytesの開発陣。長らく育ててきたGothicシリーズを手放すのはつらいだろうが,数年後には新作RPGの発表で我々を驚かしてほしいものだ
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3D RPG「Gothic」シリーズを販売するオーストリアのJoWooD Entertainmentは,Games Convention会期中の8月23日,次期制作予定の「Gothic 4」の開発をSpellboundに委託することを発表した。Gothic 4がいつ頃の発売になるかなど,詳しいことはアナウンスされていない。 ドイツ南部に拠点を置くSpellboundは,アメリカ大西部を舞台にしたコマンドス風RTS「Desperados」などの開発元として知られる会社だ。今回の発表においては,JoWooDがGothic 4の開発元を一般公募するという珍しい展開で話題を呼んでいた。
Gothicシリーズは,もともとドイツのPiranha Bytesが生み出したもので,第3作までの全作品を,このチームが手掛けていた。しかし,版権についてJoWooD側とPiranha Bytesの親会社であるPlute 13側とで激しく対立。5月にはGothicの知的所有権の帰属がJoWooDにあるとの判決が出たために,Piranha Bytesは結果としてGothicブランドを失わざるを得なくなってしまったのである。 欧米では,このような販売元と開発元の版権争いは日常茶飯事。最近では「Far Cry」のCryTekや,「Operation Flashpoint」のBohemia Interactive,「Max Payne」のRemedy Entertainmentも同じ運命を辿り,自分達が生み出した作品を失う結果となっている。 これはヨーロッパではとくに,販売や開発の契約を取り交わすときに,細部までを詰めて文書化しない慣例が残っているからだといわれている。GC 2007に先駆けて行なわれていた開発者会議GCDCでは,「ドイツの開発者はたった紙一枚の契約書を交わすのはやめるべき」との討論会があったほどだ。
さて,Gothicの世界観とは袂を分かつことになったPiranha Bytesだが,こちらのほうはDeep Silverというゲーム販売ブランドを持つ,Koch Mediaとの関係を強化することがGC 2007期間中に発表された。Piranha Byteの開発者達は会場にも姿を見せていたが,実際のゲームの輪郭が見えてくるのは2,3年後のことだろう。(ライター:奥谷海人)
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