[GC 2007#063]ロシア発のゴス風アクション「Tension」は,お色気アリなデートシム?
見ているだけではなかなか内容が伝わってこない,不思議な一人称視点のアクションゲーム「Tension」が,ロシアの新興販売会社ND Gamesに展示されていた。デモを隣から覗いていてまず目を引いたのは,暗い灰色に覆われた世界で,プレイヤーが樹木に蛍光色の物質を塗りたくっている作業を続けていること。しばらく進むと,洞窟の中には半裸のゴシック風の女性キャラクターがいる。これはいったいどんなゲームなのか,興味津々で探ってみた。
Tensionは,プレイヤーの操る主人公が「無」 (void)に紛れ込んでしまったという設定。ここは,樹木など育ちそうにもない闇や霧に覆われた薄暗い場所で,成仏できずに残った魂がHuntersと呼ばれるモンスターとなって徘徊している。このvoidで生命のエネルギー源となっているのが,リンファ(lympha)と呼ばれる物質で,紫やオレンジなど7色に分かれている。
このリンファは,プレイヤーのヘルス値の回復だけでなく,Huntersに対する攻撃や防御など,さまざまなものに利用できる。リンファは枯れ木に塗り付けることで生成でき,あとあと戻ってくると大量のリンファを収穫できる。色の違いによって,移動スピードを上げるなどさまざまな効果があるとデモの担当者は説明するが,使いすぎによる悪影響を,主人公や周囲の環境に及ぼすことにもなるという。 リンファは一定量を体内にある程度溜めておくことができ,画面上にカーソルで記号を描くことで,特定の用途に利用できる。例えば,画面上に大きな円を書くと,プレイヤーの周囲にシールドが発生して,一定時間Huntersの攻撃を防ぐことが可能になる,英語のVを逆にした模様に書くと,このリンファが投げ槍のような形状になって,Huntersに直接攻撃ができる……といった寸法で,ファンタジーゲームにおけるマナと魔法のようなものであろう。
Tensionがほかのアクションゲームと違うのは,このゲームにはデートシミュレーションのような要素が含まれているということだ。Voidには合計で12人ほどの「レディーズ」と呼ばれる女性達がおり,プレイヤーはその中の1人と会話を通じて仲良くなれる。その女性の要求に従ってうまく気配りをしてやれば,最終的には現実世界へと連れ帰ることができるらしいのだ。 ただし,一人の女性を現実世界へと伴うには,そのほか11人のレディース達がいるマップを破壊しなければならない。どの女性にも八方美人というわけにはいかず,プレイヤーも悩んでしまうところだろう。まさに,タイトルどおりの「テンション」な状態になるわけだ。もっとも,エンディングシーンは一人一人の女性によって異なるというから,それを目当てに何度も遊んでもいいだろう。
と,ここまで読んで期待してしまった男性ゲーマーには申し訳ないが,これらレディーズは全裸になることはあれど,大概背中を向けていたりして,リアルなセックス描写は皆無とのこと。ここまでやるならとことんやってもらっても構わないと思ったのは筆者だけではないだろうが,実際にどこか中途半端な印象をこのゲームに受けるのも確かである。 Tensionはシングルプレイ専用で,2008年第2四半期に完成する予定。今のところロシア以外でのリリース予定はないそうだ。(ライター:奥谷海人)
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