2007年末にリリース予定の「Call of Duty 4: Modern Warfare」で,いよいよ現代の戦いに突入することになるCoDシリーズだが,CoD3の舞台となるのは,従来作と同じ第二次世界大戦下のヨーロッパだ。プレイヤーは,アメリカ軍,イギリス軍,カナダ軍,ポーランド軍の兵士となってドイツ軍相手に獅子奮迅の戦いを繰り広げるわけだが,この“マルチ主人公システム”はPC版でも変わらない。PC版CoDシリーズはいずれも,アメリカ軍パートで中隊規模の戦闘を,またイギリス軍パートで特殊部隊の潜入工作や小規模戦闘を,そしてロシア軍パートで雲霞のごとき兵士による大規模戦闘を楽しめるという,三色アイスのようなスタイルが大きな特徴であり,そこへさらに爆撃機の後部銃座から見た空中戦,対空砲を使った敵機の撃墜,戦車同士の戦いといった多彩な戦闘を散りばめ,目もアヤな「まるで戦争映画の中に投げ込まれたような」とよく形容される演出でやたらと盛り上げていくのである。 CoD3もそれにならっているわけだが,こちらはいささかメリハリに乏しい印象を受ける。戦場がすべて西部戦線,それもフランスだけなので,PC版にあったアフリカの砂漠地帯やソ連の廃墟のような都市,ドイツ沿岸砲台といったロケーションの豊富さに欠ける。またすべてのミッションが順ぐりに続いており,PC版CoD2のように自分で好みの国のミッションを選べるわけではない。
ゲームシステムは,PC版のCall of Duty 2とほぼ同一だ。基本的には「撃って撃って進んで進んで」なのだが,一人で行動することはなく,戦場には常に仲間がいる。戦友に命令を下せはしないが,彼らは自律的にドイツ軍に反応して砲火を開く。敵が迫り,こちらは弾切れ。やられる,と思ったときに仲間の銃弾が敵兵を撃ち倒すといったシーンに多く遭遇するのである。ただし,プレイヤーが何もしないでいると,敵味方がバリバリ撃ち合うだけでゲームはちっとも進展しない。プレイヤーは危険を顧みず,なんとかしてチェックポイントに到達しなければならないのだ。 PC版初代CoDは,スクリプトを多用した演出にその面白さがあった。開発者が想定したストーリーに沿って戦うことで次々にイベントが発生し,それがまるで映画の登場人物になったような気分を与えてくれたわけだ。だが,筆者自身はなんとも思わなかったものの,それに対して「自由度が低い」という意見が多く出たらしく,続くCoD2では広いマップを好きなように攻められるシステムに変更されている。プレイヤーがどう動くのか予測できないためにスクリプトは廃され,プレイヤーの移動につれて周囲に敵が次々に出現するというシステムになったのだ。どんどん現れる敵を全部倒しているわけにはいかないのでランボースタイルのプレイ性も改められ,敵の全滅ではなく,銃火をかいくぐってチェックポイントにたどり着くことが目的に変わったのである……みたいなことは,CoD2のレビューにも書いたような気がしてきたので,ぜひ参照していただきたい。
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