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昼夜の存在する遺跡の島が,ついに実装。MMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」の大型アップデート「SAGA 6:新生の扉」,先行プレイレポート
2007/07/19 23:47
 ガンホー・オンライン・エンターテイメントが運営中の国産MMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」(以下,ECO)では,大型アップデート「SAGA 6:新生の扉」の実装が迫っている。
 SAGA 6の第一弾アップデートは明日7月20日に行われる予定で,内容としては新マップ「マイマイ島」「バオバブの森」「マイマイ遺跡」が実装されるほか,各テクニカルジョブに4種類以上の新スキルが追加される。またテクニカルジョブのレベルキャップが40から50に,キャラクターのレベルキャップが90から95に拡張されることも明らかになっている。

 今回4Gamerは,ガンホー・オンライン・エンターテイメントにお邪魔して,第一弾アップデート相当のバージョンをテストプレイしてきた。本稿ではその模様をレポートしているので,SAGA 6の実装が待ち遠しいというプレイヤーは,ぜひチェックしてみてほしい。



■新マップ「マイマイ島」
 新マップ「マイマイ島」へは,ECOの舞台となるアクロニア大陸の南東に位置するトンカ島から,飛空庭に乗って行くことになる。テストサーバーで確認したところ,料金は200Gだった。トレーダーの「例のスキル」も役立ちそうだ。
 飛空庭を降りた先は,マイマイ島の西岸沿いにある巡礼者のキャンプ地。その北西には復活の戦士,薬屋,武具屋,食料品店などがあり,小さな村落を形成している。
 キャンプ地には空のテントも用意されており,中に入るとファーイーストのモーモー草原にある宿屋と同じく,「寝ない」「寝る」の選択肢が表示された。

 このマイマイ島には,キカイ時代の古代遺跡とされる「マイマイ遺跡」が残されており,大陸のほかの場所には生えていないバオバブの木が全島を覆っている。マイマイ遺跡を信奉する多くの巡礼者や観光客が訪れているという。
 またマイマイ遺跡の入り口付近には,ギルド商人に加えて物々しい兵士達が駐屯している。東西南北にある各国から派遣された,アクロポリス混成騎士団の「マイマイ遺跡調査隊」だ。各国の騎士団に入団している者は,ここで彼らから「マイマイ遺跡」の調査を行う,特別なクエストが受けられる。
 このクエストをクリアすると,所属した騎士団から「遺跡調査報告書」というアイテムがもらえる。これを,クエストを進めながら“個人単位”で提出していくと,各国軍の調査状況が進展。進展状況次第で,キャンプ地の各商店でのアイテム販売価格が安くなったり,所属軍から特殊なアイテムがもらえたりするのだ。もちろん,世界観と物語性が重視されているECOだけに,NPC達の会話内容も徐々に変化。自分の行動でゲーム内世界の物語が進展していく楽しみも味わえるはずだ。

 なお,マイマイ島の登場人物としては,ECO恒例のプレイヤー参加型企画“みんなで作ろうキャンペーン”第9弾で名前が募集されたNPCのうち,「仮面をつけた少女」達が,重要人物として登場する。ECOの世界にどのように関わりを持ってくるのか,そのストーリーの流れにも注目したい。

 ちなみに各国の騎士団へは,マイマイ島にいる隊長NPCに話しかけることで入団できるが,無所属のプレイヤーは,混成騎士団より先に遺跡内部の兵器を発見/破壊することを目的とした遺跡調査クエストを,アクロポリス評議会の派遣した諜報部員から受けられる。 無所属のプレイヤーは無所属チームとして,同様に調査報告書を集め,収集数に応じた恩恵を得ることができるので安心してほしい。

 この一連のクエストには,「鬼切りガドゥ」など,これまでに登場してきたNPCも再登場し,よりストーリー性を高めている。なお,SAGA6に入って変化を見せていたのがトンカシティだ。マイマイ島へ渡る冒険者達の新たな中継地点として,トンカシティの都市機能が大きく向上している。その一環として,トンカの飛空庭発着場に,従来のアイアンサウス行き,今回のマイマイ島行きに加えて,中央都市アクロポリスへの直行便も配置されていた。

アクロポリスのギルド評議会が派遣したコマンド「毒蛇のアメリア」(上段左),調査隊西軍代表(上段中央),巡礼者の占い師(上段右),森のギルド員(下段左)。彼らは昼のマップでのみ出現する。飛空庭の発着場(下段中央)はトンカのもので,アイアンサウス行きの航路に加え,アクロポリス行きとトンカ行きの2航路が追加された。なおマイマイ島(下段右)は,世界マップを見てのとおり,アクロポリスの南東にある


■大木に覆われた秘境「バオバブの森」
 さて,このマイマイ島キャンプ地だが,ここからはダンジョンである「マイマイ遺跡」と,新モンスターのうろつくフィールドマップ「バオバブの森」に向かうことができる。 バオバブの森は,アクロニア大陸ではすでに絶滅している巨大な樹木で,飛空庭の土台にもなる“バオバブの木”が,唯一自生している原生林である。この大森林は“森のギルド”によって守られているほか,東方の一部に環境保護地域があり,世界で唯一飛空庭を建造できるトンカ政府の組織するマリオネット部隊“ドールズ軍”によって管理されている。

 森の中には昆虫タイプや動物タイプを中心とする危険なモンスターが多数棲息している。テストプレイでは,南国風の鳥や暗色の虫達,ヒョウに似た野生動物や,巨大カタツムリなどが確認できた。物理攻撃ダメージがほとんど効かないモンスターや,非常に素早いもの,強力な毒や催眠といった状態異常を使うものなど,危険なモンスターが棲息する地域だった。 またバオバブの森には,マップの随所に宝箱や古い壷などが置かれており,果樹や草,本来伐採するには許可がいるはずの“バオバブの木”などの素材モンスターも自生している。
 バオバブの木を倒しても,パーツ作成に必要な材料の一部を除き,飛空庭関連のアイテムは入手できないとのことだが,その代わりに,バオバブの木を利用した何らかの面白い仕掛けが検討されているという。
 このバオバブの森を越えてさらに島の北端の崖上に向かうと,森番達の山小屋があった。ここでは,頭アクセサリーのシニヨンキャップの染色が行えるほか,バオバブの森に関わるクエストを受けることができる。

キャンプ地からバオバブの森に入ると,モンスターが徘徊するフィールドマップに(上段左)。「バオバブの木は無闇に切らないこと」と入り口で注意されるが,素材モンスターとして倒せる木も存在する(上段中央/右)。なお,森の途中にはトンカ軍の保護地域が,森の最奥には森番の小屋がある。小屋には,森から遊びに来るシャーマンの子供達がおり,クエストが受けられる(下段左)。しかし,すでに遺跡調査などのクエストを受けてしまっている場合,それが済んでからでないと引き受けられないので注意


■マイマイ島の昼と夜
 前述した森番の小屋では,「寝ない」「寝る」の選択が可能だが,さらに「夜中に起きる」という選択肢も用意されていた。夜中に起きると,地形とマップの場属性はそのままに,生き物達や風景が大幅に変化する「夜」のバオバブの森を探索するできるようになる。
 この「夜」へのマップ変化はキャラクター単位で判定されるため,例えばパーティ単位で夜マップを楽しみたければ,メンバー各自が「夜中に起きる」必要がある。その点は注意してほしい。
 また,特殊なアイテムを持っていれば「曇り」のマイマイ島を見ることができるかもしれない。天候の反映が今後のECOにどのような変化をもたらすのか楽しみなところだ。

【CAP 01~07】
昼間には,鮮やかな色をした鳥やかたつむりが多く徘徊するマイマイ島。青空の広がる視界の良いマップだ。コガネグモやシャインビーは,昼にはあまり目立たない,地味な色合いをしている


 なお,先にも挙げたとおり,夜のマイマイ島のフィールドマップでは,地形属性はそのままに,登場するモンスターが大幅に変化する。まず,デス系の“オルクス”など,昼間には見られなかった強力なモンスターが出現。プレイヤーキャラクターの騎乗ペット,赤/青のドラゴより一回り巨大な“ワイルドドラゴ”なども見られた。
 バーニングロードなど炎のスキルを使って攻撃してくるこのワイルドドラゴは,この島に「太古の生命」が残されていることの証明といえるだろう。ノーザンシティのNPC「途方に暮れている商人」が語る,「キカイ時代よりさらに昔の地層からドラゴの卵が見つかっている」という話からも,彼らの血筋がどれほど古いものかを読み取ることができる。

 夜マップでは,昼間に出現していたものと同じモンスターも見られるが,その中でもコガネグモやシャインビーは,夜間になると“発光”する面白いモンスターだ。昼のマップでは地味に見えたモンスターが,夜になると電飾が施されたように輝くのである。ちなみにこれらは,外見が変化するだけでなく,属性そのものも変化する点が,興味深い。
 加えて,夜マップでのみ登場するモンスターの退治を依頼されるクエストなども用意されていたので,同じ場所でも,昼と夜で異なった狩りが楽しめるというわけだ。

 ちなみにマイマイ島では,夜になるとNPCの多くが眠りにつき,姿を消す。マイマイ遺跡の入り口を案内するNPCも消えるため,夜マップ状態では遺跡に立ち入ることができない。また各国の騎士団代表も,夜になると寝てしまい,代わりに歩哨の兵士が出現する。トンカとマイマイ島を結ぶ飛空庭発着場も,夜間には整備のために閉ざされてしまう。この夜のマップは,森番の小屋に戻って「寝る」を選ぶと,昼のマップに戻ることができるので,覚えておこう。

 これまでタイニーアイランドや,クリスマス期間のノーザン地方など,期間限定での夜のマップは実装されていた。しかし,同一マップ上で,常時昼夜の区別があるケースは見られなかった。花火や手持ち花火といったアイテムや,エフェクトの美しい魔法/スキルを,夜マップで存分に観賞してほしい。

森番の小屋で「夜中に起きる」ことを選択してから「寝る」と,「夜」のマップに変化する。夜の森はかなり暗いため,季節イベントのみで見られた「きらきらハーブ」も,美しく発光する虫達と共に姿を見せてくれる。なお,「みんなで作ろうキャンペーン」の第9弾で名前が募集されたNPCの一人,仮面の少女(下段右)は,夜にのみ姿を見せる


■新たなインスタンスダンジョン「マイマイ遺跡」
昼間のキャンプ地には,案内人NPCのとなりにワープポイントが出現している。これを使うと,マイマイ遺跡の入り口に移動できる。入り口は遺跡の頂上部分にあるが,最初は閉じられているので注意。まずは,調査に参加するプレイヤーが協力し,入り口をこじ開けなければならない
 一方,新たに実装される新マップ「マイマイ遺跡」は,「翼のある甲虫」といったイメージの外観を持つ,古代遺跡だ。設定画を見てみると,斜め上方へ突き出している2本の「羽のようなもの」が確認できるし,遺跡が飛行するイメージ(!)もスケッチされている。この不思議な形状の遺跡の正体については,本アップデート以前から,すでに重要なヒントが明かされており,新規キャラクター作成時のチュートリアルとなる「オープニングイベント」を見ると,その謎の一端が垣間見られるようになっている。5月25日に新サーバ「Zinnia」がオープンしているので,すでにキャラクター枠を使い切っているプレイヤーも,そちらでキャラクターを作成して確認してみてほしい。

 マイマイ遺跡は最初,入り口が塞がれているため,遺跡内に入れないようになっている。その入り口は,ペットが順次実装されていく“キチン募金”や,飛空庭の作成が開始された当初のように,多くのプレイヤーが一丸となって解決するイベントとなっている。具体的には,特定のアイテムをプレイヤー達で集め,それが一定個数集まると,入り口が開くという仕組みだ。一度入り口を開放してしまえば,キャンプ地から遺跡内に直行できるようになる。

 マイマイ遺跡の内部は,最初のフロアが通常のダンジョンとなっており,それ以後のフロアは,クエストを受けることで個人/パーティ単位で生成されていく「インスタンスダンジョン」だ。

 ダンジョンのイメージは,“キカイ文明の古代遺跡”といった雰囲気。壁に金属質のコードがはしっていたり,床に緑色のネオンが輝いていたりする。また床には,上に乗るとキャラクターのHPが少量回復する装置も設置されていた。
 既存のインスタンスダンジョンクエスト「巣食う魔物」と同様に,行き止まりの部屋では室内のモンスターをすべて倒さないと先に進めないなど,なかなか手強い仕掛けも用意されていた。基本的には,上級者向けのマップといえるだろう。

 ダンジョン内に登場するモンスターとしては,光の塔などでおなじみのハーピーをはじめ,マイマイ遺跡で初登場となる,クリスタルアーチン系の緑色のディトライテスや,キカイ系のホログラフなどが確認できた。それらを倒しつつ,プレイヤーキャラクターは各種クエストをこなしていくのである。

上段左/中央/右/下段左:遺跡の第1フロアは,比較的見晴らしのいい中央部から,四方に向かって通路が延びている構造だ。遺跡調査クエストを引き受けると,この最初のフロアから特定のワープゲートを使って,先に進めるようになる。光の塔に出現するものと同系統の,強力なモンスター達が棲息しているため,ソロでの攻略はあまり現実的ではないかもしれない 下段中央/右:緑色に光る装置の上に乗ると,HPが回復されることがある。行き止まりの部屋では,室内にいるモンスターをすべて倒すと,新たなワープゲートが開かれるようになっていた


■今度のスキルのテーマは「派手」!
 SAGA 6では新マップ追加だけでなく,職業関係のアップデートも行われる。これまでエキスパートジョブよりも低かったテクニカルジョブのジョブレベルキャップが40から50に上昇するほか,特殊なスキルが多いため高度なテクニックを要する「テクニカルジョブ」に,職業ごとに異なるスキルが4種類以上追加される。また「エキスパートジョブ」でも,ブラックスミス,アルケミスト,ソーサラーの3職に,1種類ずつスキルが追加される。
 今回の追加スキルは,“派手”がテーマ。高レベルスキルにふさわしい,派手なエフェクトが画面に広がり,使用時の爽快感を高めてくれる。また,前方3方向中距離に攻撃するマシンナリーの「火炎放射」など,職業の特徴をより強く打ち出すスキルも嬉しい。全般的に,これまでのスキルの上位版,あるいは広範囲版が多く見られるように思えた。
 レベルに応じて,男女いずれか(または男女双方)の味方を呼び出せる,コマンドのスキル「応援要請」や,ギャンブラーの名にふさわしいエフェクトが表示される「猪鹿蝶」などは,ぜひ一度は自分の目で確認してほしい。
 なお,スペルユーザー系に比べてどうしても地味になりがちだった,バウンティハンターやダークストーカーなどのファイター系も,威力/視覚効果ともに派手なスキルが用意されている。その点にも注目しておこう。

上段左:バウンティハンターの「斬撃無双」 上段中央:ダークストーカーの「ダークネスオブナイト」 上段右:コマンドの「ワイルドダンス」 下段左:ガンナーの「散弾」 下段中央:セージの「ラストインクエスト」 下段右:エンチャンターの「エレメンタルラース」
上段左:バードの「ラウドソング」 上段中央:ネクロマンサーの「死神召喚」 上段右:マシンナリーの「ラビッジカノン」 下段左:マリオネストの「マリオネットキング召喚 水」 下段中央:トレジャーハンターの「ソニックウィップ」 下段右:ギャンブラーの「猪鹿蝶」


 冒頭でもお伝えしたとおり,7月20日に実装されるのは,SAGA 6の第一弾アップデート。8月中には第二弾のアップデートが予定されており,その折には2006年の一周年記念イベントで発表された新職業「ブリーダー」の実装に加え,ネコマタ「杏」と深い関わりを持った新たなネコマタ「空」が追加されるという。また,現在のウィスパーとは異なる新コミュニティシステムも導入されるそうだ。
 まずは,第一弾アップデートを楽しみつつ,第二弾アップデートの続報を待ちたいところである。(ライター:美緒)


エミル・クロニクル・オンライン
■開発元:ヘッドロック
■発売元:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■発売日:2005/12/09
■価格:1500円(税込)/30日間
→公式サイトは「こちら」

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