「アリアスストーリー」チェックアップテストプレイレポートを掲載
ハイファイブ・エンターテインメントが6月22日から28日までの期間でチェックアップテスト(クローズドβテストに相当)を行った「アリアスストーリー」は,中国の北京光宇維思科技有限責任公司が開発するファンタジーMMORPGだ。 同作は,この夏には正式サービスの開始が予定されているが,果たして現在の完成度は,どの程度のものなのだろうか。まだまだ開発中のタイトルではあるが,現段階のアリアスストーリーがどのようなMMORPGなのかを,本稿でお伝えしていこう。
■選べる種族は4種類,クラスは2種類だが ■キャラの成長パターンは実に豊富
アリアスストーリーには,ティア族/アスター族/マイン族/サンディア族という四つの種族が登場する。プレイヤーキャラクターを作成するには,種族,性別,職業を選択することになるのだが,性別は男/女,職業は剣士/魔法使いとなっている(もちろんそれらの組み合わせは自由だ)。 最近のMMORPGとしては,キャラクターのバリエーションが若干少ないようにも思えるが,プレイヤーが任意に取得/強化していけるスキルシステムや,一次転職から三次転職まで存在する転職システムなどを考慮すると,むしろ自由度の高いキャラクター育成が楽しめそうだ。 本作では,選んだ種族によってスタート地点が異なり,また魔法使いを選んだ際の,使用可能な魔法の種類も違ってくる。しかし今回のテストでは,地理的/戦闘能力的にどの種族が有利なのか,という点までは調査できなかった。一通りプレイしてみたところでは,あまり大きな差は感じられなかったので,基本的に好きな種族を選んで問題ないだろう。ただし,次回のテストでは,そういったバランス面の調整が行われる可能性もあるので,その点はご了承を。 なお,各種族の拠点の間には広大なフィールドが存在し,さらに好戦的なモンスターが徘徊しているが,各拠点にはすべての村をつなぐ有料のテレポートNPCが設置されている。つまり,キャラクターをある程度まで育てたり,ゲーム内通貨を貯めたりすれば,(種族によってスタート地点は異なるが)他種族との交流は可能ということである。
上段左:ティア族。極寒の土地に生まれ,寒さに強く強靭な体力と精神力を持ち合わせた種族 上段右:アスター族。森の奥地に住む種族。自然の力を扱うことに長け,治療魔法が得意 下段左:マイン族。鉄や鉱石の扱いに長けた種族。地中に含まれる鉱石を利用した魔法を得意とする 下段右:サンディア族。褐色の肌に強靭な体が特徴の種族。雷・雨・雲を操る強力な攻撃魔法が得意
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■スキルの成長はプレイヤーの好みで
アリアスストーリーでは,モンスターを倒すことで経験値やゲーム内通貨が得られるほか,「生命の光」という特殊なエネルギーも入手できる。生命の光は,アイテムの生成やスキルの習得など,さまざまな場面で用いることになる。生命の光とその使い方は,本作の大きな特徴といっていいだろう。 スキルは,村にいるスキルストアNPCを通じて習得する。その際に必要となる生命の光はスキルの種類よって異なり,またスキルのレベルによっても変化する。スキル習得のルートはツリー構造になっており,前提となるスキルのレベルを一定値まで上昇させることで,より強力な上位スキルを学べるようになっているのだ。 今回のテストで確認したところ,現状のスキルツリーはかなりシンプルなものだった。しかし,より高レベルなスキルを習得していけば,徐々にスキルツリーが複雑になっていくだろう。次回のテストでどう進化するのか,非常に楽しみだ。
左:モンスターを倒すと,そのモンスターが持っていた「生命の光」が飛び出し,自分のキャラクターへ吸い寄せられる。この光を溜めていき,生産やスキルの習得に利用するのだ 中央:スキルは,村にいるスキルストアNPCを通じて習得する。スキルを習うには,モンスターとの戦闘で獲得できる生命の光が必要 右:スキルにはレベルがあり,生命の光を消費して成長させていける。スキルレベルがある程度上がれば,新たなスキルを習得できるようになる
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■武器の持ち替えを駆使して ■スキルを使い分けよう
アリアスストーリーの操作系統は,MMORPGファンにとってはおなじみのクリックタイプが採用されている。移動したい地点をクリックすればキャラクターがそこへ移動し,モンスターやNPCといった対象をターゲットしつつ,再度クリックすると攻撃/会話などが行えるといった具合だ。スキルは,スキルをショートカットパネルへ登録し,それに対応するキーを押すことで発動できる。操作系統としては,実になじみ深いものといえるだろう。 しかしアリアスストーリーの戦闘は,単純に見えて少々面白い工夫が盛り込まれている。本作で習得できる戦闘用のスキル/魔法は,装備している武器のタイプが使用条件になっているのだ。例えば,剣を使うスキルと斧を使うスキルは完全に別系統となり,剣を装備しているときに,斧のスキルを使うことはできないのである。 そこで活用したいのが,「武器の持ち替え」だ。本作では,インベントリウィンドウ内の武器/盾の装備スロットが,二つずつ用意されている。先の例のように剣用/斧用のスキルを習得しているなら,片方に剣を,もう片方に斧を装備して戦うことで,スキルのクールダウンタイムを気にせず,連続的にスキルを繰り出せるというわけだ。ちなみに武器は,装備スロットの横にある切り替えボタンを押せば切り替えられる。 もちろん,戦闘中に武器を切り替えて別系統のスキルを活用していかなくても,モンスターとの戦いには勝利できる。しかしその場合,スキルを再使用するためのクールダウンタイムがネックになり,習得スキルの少ないゲーム序盤では,攻撃力不足が感じられるケースもあるだろう。 面倒だと思う人もいるかもしれないが,筆者個人としては,柔軟なスキルシステムにマッチした,面白い仕様だと感じた。今後のバージョンでは,さらなる操作性の向上に期待したいところだ。
左:インベントリウィンドウを開くと装備画面が現れる。手の部分のスロットの脇にボタンがあるのが分かるだろう。これをクリックすることで,上下にセットされた武器の切り替えを行い,異なる系統のスキルを使用可能にするのだ 右:魔法も,装備している武器によって使えるものが異なる。剣と同様,使う武器を切り替えて,クールダウンタイムを気にすることなく魔法を発動できれば,火力は大幅にアップする
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■モンスターは同種でも2タイプが存在
アリアスストーリーに登場するモンスターは,同種のものでも非好戦的なタイプと,名前に「狂暴」とつく好戦的なタイプが存在する。基本的なグラフィックスはどちらも同じなのだが,凶暴タイプは派手なエフェクトをまとっており,通常タイプよりもワンランク上の戦闘能力を持っている。 通常タイプと凶暴タイプのモンスターは,基本的には群れをなしているが,凶暴タイプのほうはいわゆるアクティブモンスターとなっており,キャラクターがある程度近づくと襲いかかってくる。凶暴タイプの存在により,序盤からスリリングな戦闘が楽しめた。
また今回のテストでは,キャラクターが死亡したときのペナルティとして,その場で復活をした場合に限り,経験値が2%ロストした。その場合,HPが半分の状態で復活するので,周囲を凶暴タイプに囲まれているような状況だと,再び力尽きてしまうことも考えられる。 一方,その場で復活せず,ホームポイントに戻って復活すれば,経験値へのペナルティは課されないので,状況に応じて復活方法を選ぶのが無難なようだ。例えばクエストをクリアし,村に戻ろうとしている最中に死んでしまったなら,ホームポイントに戻って復活するほうがいいだろう。 総じていえるのは,現段階でのデスペナルティは,それほど厳しいものではないということ。この程度のペナルティであれば,「その場復活」を繰り返して,かなり遠くまで旅することができるだろう。今後のバランシングに注目しておきたいところだ。
左:狂暴モンスターのグラフィックスは,通常のモンスターに派手なエフェクトが付与されている感じ。その違いは一目瞭然だろう 中央:プレイヤーキャラクターの体力が尽きかけると,画面が赤くなる。こうなったらポーションを飲むか,一目散に逃げ出したほうがいい 右:キャラクターが死んでしまった場合,その場で復活するか,村で復活するかを選択できる。その場で復活する場合は2%の経験値がロストする
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■守護精霊と契約し,自動支援の恩恵を受けよう
プレイヤーキャラクターのレベルがある程度高くなってくると,守護精霊との契約が結べるようになる。アリアスストーリーの守護精霊は,プレイヤーキャラクターを支援してくれるペットのような存在だ。その守護精霊に行動を指定することで,戦闘に参加してくれたり,ポーションを使ってくれたり,アイテムを拾ってくれたりする。 守護精霊の行動パターンは,ゲーム内通貨を支払って「機能を購入する」ような感覚で入手する。機能を拡張するにはお金が必要だし,行動を実行させていると契約時間が消費されていく(つまり時間制)ので,守護精霊の機能を長時間発動し続けることはできない。しかし,機能を発動していなくても,自分のあとを追いかけてくる守護精霊の姿には,案外いやされるものだ。 今回のテストでは,残念ながら守護精霊のすべてを確認することはできなかった。このあたりについては,今後のテストで重点的に調べてみたいと思う。
左:守護精霊には,デフォルトのもの以外にも,さまざまな種類が存在する。種類によって,金額や機能が異なるので,プレイヤーの好みや用途に応じて使い分けるといい 右:守護精霊を使用するには,それと契約する必要がある。契約したら残りの契約時間が表示されるので,それを確認しつつ,うまく活用したい。
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■フィールドに点在するダンジョン
村の外には広大なフィールドが広がっているが,各地にダンジョンも存在する。今回のテストでは,低レベルキャラクターを操作して「ロックダンジョン」というダンジョンに無理矢理飛び込んでみた。 これは,ティア村から6エリアほど離れた「ロックバレー」という土地にある,レベル30台中盤以上のキャラクターを対象とするダンジョン。こちらのキャラクターは低レベルだったので,何度も「その場復活」を利用しつつ,ほうほうの体でたどり着いた。 ロックダンジョンは,いわゆる洞窟的なダンジョンではなく,隔離された渓谷のようなフィールドになっていた。パッと見た限りでは,通常のフィールドでは見かけなかった,かなり強そうなモンスターがポップしていた。 その奥で,次の階層へ移動できる場所を見つけたのだが,そこに立っているNPCに行く手を阻まれ,進めなかった。どうやら,なんらかのクエストをクリアするか,キーアイテムのようなものを入手しなければ進めないようなのだが……,なにせ低レベルキャラクターを操作していたので,検証は不可能だった。
左:ダンジョンに入ってみたが,洞窟のようないわゆるダンジョンという感じではなく,隔離されたフィールドのような雰囲気だ 右:通常のフィールドと同じように,狂暴タイプとノーマルタイプの2種類のモンスターが群れている。うまくすり抜ければ,ある程度奥まで進むこともできるだろう
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■今後の進化が大いに期待できるタイトル
今回行われたチェックアップテストでは,序盤のクエストもそれなりに完成しており,クエストをこなしながらじっくりキャラクターを育てることができた。 また,「その場復活」を利用して,村から村へと強引に冒険してみたのだが,マップは広すぎず,狭すぎずといった印象。エリアごとに切り替わるBGMも非常に凝ったものが用意されており,世界を旅する楽しさが味わえた。 とはいえ,本作はまだまだ開発中のタイトルだ。キャラクターを操作していて感じるちょっとした違和感や,キャラクター移動のぎこちなさなど,筆者も多少の不満を感じた。そういった意見や要望を,ハイファイブ・エンターテインメントがしっかりと聞き入れ,ゲームに反映してくれれば,かなり楽しめるタイトルになりそうだ。今後のテストでは,より進化したアリアスストーリーをプレイしたいものである。(ライター:Chun)
左:キャラクターを作成するときには,性別と職業のほかに,髪型も選べる。バリエーションは少なかったが,今後増えていく可能性もありそうだ 中央:フィールドには,大小さまざまな村が存在する。装備品の売買が行えるだけの小規模なものから,各種NPCが揃った大きな村まで,多種多様な拠点があるのだ 右:拍手や挨拶など感情表現を表すエモート機能も実装されている
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