5月3日にSony Online Entertainment(以下,SOE)が主催したプレスイベント「SOE Gamer Day 2007」。このイベントでは,オンライン専用アクションゲーム「Kung Fu Hustle」などが発表されたのだが,「FreeRealms」というタイトルの存在も明かされていた。本稿では6月11日(現地時間)に情報が解禁された,FreeRealmsを紹介しよう。
本作は,「どうぶつの森」や「あつまれ!ピニャータ」のような可愛いキャラクター達が登場する,ゲームというよりも「ゲームもできるオンラインワールド」と形容すべきタイトルだろう。イベントでは撮影が禁止されており,その可愛さを画像でお伝えできないのが残念だ。 本作はプレイヤーキャラクターを使って自由に世界を歩き回り,自分で好きなことを見つけて楽しむというゲーム。チェスをしたり,サッカーを楽しんだり,車を使って即興のレース大会を開いたりできる。これらはFreeRealmsの世界から画面を切り替えてミニゲームを遊ぶのではなく,すべてこの世界の中で行うようだ。
SOEの最高責任者であるJohn Smedley(ジョン・スメッドリー)氏によると,FreeRealmsは,これまでSOEが扱ってきたタイトルとはまったく違ったプレイヤー層をターゲットにしているという。基本プレイ料金は無料で,与えられた家を飾る家具やキャラクターモデルの衣装など個々のアイテムを販売するという,アイテム課金方式になる。また,詳しくは語られなかったが,ゲーム内に広告が表示されるという。クレジットカードが必要もないということから,ショップでのゲーム内通貨やウェブマネーの販売なども行われるのであろう。
FreeRealmsはPC版が今冬,PlayStation 3版が2008年夏にリリースされる予定だ。PlayStation 3といえば「Home」構想が話題になっているが,これはSony Computer Entertainment Europe(SCEE)が制作しており,オンラインゲームのノウハウを培ってきたはずのSOEはまったく関与していないという。筆者の想像の枠を超えるものではないが,このSOE自身がグループ内での微妙な立場にあり,FreeRealmsで新たな市場を開拓して,存在感を示しておきたいところなのだろう。2007年末にはβテストも始まるとのことで,近い将来には詳しい情報も出てくるはずだ。(奥谷海人)
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