韓国,RMTへの規制を本格的に開始。RMT業者には業務停止命令も
オンラインゲーム先進国であり,それゆえ,オンラインゲームにまつわるさまざまな問題も先行しがちな韓国において,RMTを厳しく取り締まる法律が間もなく施行される模様だ。
韓国の文化観光部(日本でいう“省”に該当)は,「ゲーム産業振興法」の改正案が国務会議で可決されれば,来週早々にも施行される見通しであることを明らかにした。 この改正案で規制対象となるのは,「Lineage」(邦題 リネージュ)などのMMORPGで,不正な手段によって取得したゲーム内マネーやゲーム内アイテムを現金と交換したり,あるいはこの取り引きを斡旋する行為である。場合によっては,RMT業者に対して営業停止を命じられるほどに,強制力の強い規制になるという。 なお,ここでいう“不正な手段”とは,作業場(※)や,BOTやバグの利用などにより,ゲーム内マネーやゲーム内アイテムを“生産”する行為のことを指す。
つまりこの改正案がメインターゲットにしているのは,末端のRMT利用者ではなく,RMTによって利益を得ている業者ということになるだろう。韓国内のRMT業者にとっては,死活問題となりそうだが,韓国外に籍を置くRMT業者には,どのように対応していくのか,気になるところである。 国内法である以上,韓国外の業者への強制力は持てないだろうが,韓国内でオンラインゲームを運営している企業に対し,何らかの働きかけをしていく可能性はあるかもしれない。
ちなみにこの改正案では,オンラインゲームのβテストについても,明確な規定が設けられている。 これによると,βテストの期間は30日が原則で2回までの延期が認められる。また,βテストの参加者は1万名までとなる。このほか,βテストを行うときには,βテスターに対して利用方法や注意事項の明示も義務づけられることになる。さらに,ゲームの内容を確認し年齢制限などを行う政府機関「ゲーム物等級委員会」の委員が,βテスト内容の確認過程に参加することも定められた。
ずいぶん細かいところまで政府機関が関与することになるようだが,それだけ,オンラインゲーム産業というものが韓国内で大きな存在感を示しているということなのだろう(輸出財として……という側面も大いにあるだろうが)。 こうした動きが,今後の韓国オンラインゲーム業界にどのような影響を与えることになるのか,今後とも注目していきたい。(TeT)
※作業場 RMTで利益を得るべく,MMORPGなどでゲーム内マネーやゲーム内アイテムを獲得するため,複数人が常時オンラインゲームをプレイできる環境を構築した場所,部屋
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