「『Xbox 360』用ワイヤレス周辺機器をPCで使うアダプタ」を試す
Xbox 360 ワイヤレス ゲーム アダプター。2.4GHz帯の無線を利用し,1種類のXbox 360ワイヤレスデバイス当たり4台を登録できる。PCとの接続はUSB 2.0
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マイクロソフトは,「Xbox 360」向けに販売されているワイヤレス接続型の周辺機器(以下,Xbox 360ワイヤレスデバイス)をPCで利用可能にする「Xbox 360 ワイヤレス ゲーム アダプター」を2007年5月24日に発売予定だ。
2007年4月13日現在,Xbox 360向けとして市場に投入されているワイヤレスデバイスは,ゲームパッド「Xbox 360 ワイヤレス コントローラー」(以下ワイヤレスXbox 360パッド)とヘッドセット「Xbox 360 ワイヤレス ヘッドセット」の2製品。加えて,5月24日にはステアリングコントローラ「Xbox 360 ワイヤレス レーシング ホイール」も投入される。つまり,Xbox 360 ワイヤレス ゲーム アダプターを導入すれば,少なくとも3種類のワイヤレスデバイスがPCで利用可能になるのである。
■このまま日本語版として販売できる? ■インストーラ&ドライバは日本語を含む多言語対応
入手した海外版。ブリスターパッケージには英語のほか,繁体字中国語とハングルが書かれている
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筆者はワイヤレスデバイスに目がなく,しかも最近「Xbox 360」を購入したりもしたので,このアダプタが気になっていたのだが,調べてみると海外では発売済み。俄然欲しくなってきたところで,偶然にも海外版「Microsoft Xbox 360 Wireless Gaming Receiver for Windows」(以下Wireless Receiver)の並行輸入品を見かけたため,思わず購入してしまった。
そこで今回は,国内販売よりも1か月以上早いタイミングで恐縮だが,使った印象を簡単にまとめていきたいと思う。
実測で全長約75mm,幅約40mmと非常に小さい。左の写真で中央付近にあるのが,Xbox 360ワイヤレスデバイスの登録に利用するボタン,右端のほうに見えるのがLEDインジケータだ。底面には滑り止めのゴムが貼られており,設置時の安定性も上々である。「微軟」という文字が見えるが,これは中国語でMicrosoftのこと
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Wireless Receiver概観。ケーブルが意外に太い
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さっそく取り付けといきたいところだが,Microsoft製のUSBデバイスらしく(?),USBコネクタを覆うように「初めにインストールを行ってください」と日本語表記も含む注意書きがあったので,とりあえず従う。付属CD-ROMのドライバは多言語対応で,インストーラは日本語だ。セットアップ後確認したところ,オンラインヘルプ,ゲームコントローラのプロパティなども日本語なので,なんら不自由なく使えそうである。
ドライバのセットアップ後,Wireless ReceiverをPCのUSBポートに差すと無事認識。そこで今回は,Xbox 360付属のワイヤレスXbox 360パッドを使ってみる。 Xbox 360ワイヤレスデバイスをPCから利用するためには,Wireless Receiverに当該デバイスを登録する必要がある。といっても作業自体は簡単で,以下のとおり,たった3ステップだ。- Xbox 360ワイヤレスデバイス側の電源を入れる
- Wireless Receiverの接続ボタンを押す(LEDインジケータが点滅)
- Xbox 360ワイヤレスデバイス側の接続ボタンを長押しする(ワイヤレスデバイス側のインジケータが接続状態になる)
Wireless Receiverから認識されたXbox 360 ワイヤレス コントローラーの様子
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複数のXbox 360ワイヤレスデバイスを登録するなら,それぞれに登録作業を行えばいい。ちょっと面倒かもしれないが,一度登録さえしてしまえば,PC再起動後はXbox 360ワイヤレスデバイスの電源を入れるだけで利用可能になる。 登録したXbox 360ワイヤレスデバイスはゲームコントローラのプロパティから“普通に”確認可能。今回登録したワイヤレスXbox 360パッドに関する設定項目やそのユーザーンタフェースなどは,ワイヤードの「Microsoft Xbox 360 Controller for Windows」(以下ワイヤード版Xbox 360パッド)とまったく同じだった。
ワイヤード版Xbox 360パッドでは機能しなかった,しいたけボタンことXboxガイドボタンだが,Wireless Receiverに接続したワイヤレス版ゲームパッドでは無事動作。何台(何番)めのデバイスなのかを示すリングライトもしっかり機能している(左)。デスクトップ上でXboxガイドボタンを押すと,バッテリ残量表示も可能だ(右,※画面をクリックすると別ウインドウで全体を表示します)
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■入力遅延の心配はまるでなし ■Xbox 360との“共有”はやや面倒かも
さて,接続も無事完了したところで,今回はドライブゲーム「Test Drive Unlimited」(以下TDU)と,Xbox 360 ワイヤレス ゲーム アダプターを正式サポートする「マイクロソフト フライト シミュレータ X」(以下FSX)で試してみた。
懸念される入力の遅延は,結論からいえばまったく心配ない。キーボードや,別途用意した「プレイステーション2純正コントローラ+USB変換アダプタ」とも使い比べてみたが,入力(操作)への反応に違いはなく,無線が途切れて不安定になるようなことも一切なかった。予想以上にいい感じである。ケーブルがもたらすさまざまな制約に煩わされることなく,自由なポジションでプレイできるのは,ワイヤレスならではだ。
左:TDUでは左スティックにステアリング,右アナログトリガーにアクセル,左アナログトリガーにブレーキ。ほかのボタンにさまざまなキー設定を割り振った。アナログトリガーなのでアクセル/ブレーキ操作はしやすい
右:FSXでは左スティックにエルロンとエレベータ操作,左右のアナログトリガーにラダー操作,右スティックに視点移動,方向パッドにフラップ操作などが,自動的に割り振られた。意外にも操作感は悪くない
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スティックやボタンのテスト項目は必要最少限。どこを探してもフォースフィードバックに関する項目は用意されていない
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とはいえ,気になる点もある。納得できないのは,フォースフィードバックを利用できないこと。これには正直がっかりした。ワイヤード版Xbox 360パッドもMicrosoft純正ドライバではフォースフィードバックがサポートされておらず,利用するには有志が公開しているドライバを入手する必要があるが,あの摩訶不思議な状態が今も続いているわけだ。 ワイヤード版Xbox 360パッドで公式の対応ドライバがいっこうに出る気配がない以上,ワイヤレスに関しても有志の活動に期待したいが,一方で「それってどうなの?」という気がしなくもない。
また,これは仕様上の制限なのでやむを得ないのだが,Xbox 360ワイヤレスデバイスを,PC+Wireless ReceiverとXbox 360の両方で共有する場合には,その都度“使いたい側”へ再登録しなければならない。 先ほど,Xbox 360ワイヤレスデバイスの登録に当たっては,当該デバイスの電源を入れる必要があると述べたが,Xbox 360で使っていたワイヤレスXbox 360パッドをPCへ再登録しようとXboxガイドボタンを押すと,Xbox 360本体も起動してしまうのだ。リモコンなりなんなりで(起動してしまった)Xbox 360本体の電源を落とさねばならず,少々面倒である。
ちなみに筆者は,並行輸入版を国内版の定価よりも高い価格で入手している。それにしても,ブリスターパッケージの開けにくさはどうにかならないものだろうか……
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というわけで,いいところとそうでないところを順にまとめてみたが,総じてWireless Receiverは十分使えると感じた。その日本語版として,5月24日に発売されるXbox 360 ワイヤレス コントローラーの価格は2100円(税込)。Xbox 360ユーザーからしてみると,2000円程度の出費で手元のワイヤレスXbox 360パッドなどをPCでも使えるようになるわけだから,悪くない出費だろう。本体を持っていなかったり,持っていてもコアシステムだったりして,ワイヤレスXbox 360パッドを新たに購入するとなると,追加で4000〜4800円くらいのコストがかかるので,ちょっと微妙なラインかもしれないが。
個人的には今後,ゲームパッドを利用するPCゲームではWireless Receiver+Xbox 360 ワイヤレス コントローラの組み合わせを積極的に使っていこうと思う。5月発売予定の「Xbox 360 ワイヤレス レーシング ホイール」も気になるところで,まだまだ楽しめそうだ。(ライター・UHAUHA)
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