[GDC07#34]元Blizzardスタッフが設立したRed 5,GDCに出展。……って,何を?
2005年に設立されたRed 5 Studiosは,まだ一タイトルもリリースしていない……どころか,開発中のゲームのタイトル名さえ明らかにしていない状況だが,その割には何かと話題が多い。 まずその設立が,事件だった。社長兼CEOのMark Kern氏は,今や全世界で800万以上の登録者数を誇る「World of Warcraft」の,元開発統括プロデューサーだ。彼と,WoWのアートディレクターであったWilliam Petras氏,そしてBlizzard Entertainmentのアジア統括取締役であったYoon Tae Won氏という,いずれも重要なポストに就いていた3人が共同で設立したのだから,ゲーム業界に衝撃が走ったのは言うまでもない。 同社は2006年2月,韓国のパブリッシャ/デベロッパ,Webzenとの間で,開発中のオンラインゲームの世界版権契約を締結する。これは,NCsoft&ArenaNet,Hanbit Soft&Flagship Studiosと同じ,韓国パブリッシャ&元Blizzardスタッフによって設立されたデベロッパという組み合わせであり,これまた注目を集める。 その後,Offset Softwareの「Offset Engine」をライセンスしたことが明らかになり,さらに2006年末には,Benchmark CapitalとSierra Venturesから,実に1850万ドル(約21億円)もの投資を受けたと発表した。
……しかし,繰り返しになるが,同社はまだ,開発中のタイトル名さえ明らかにしていない。そんなRed 5 Studiosが,GDCのエキスポ会場にブースを出していたので,ここぞとばかりに取材してみた。 聞いてみたところ,その開発中のタイトルのステータスは変わっておらず,まだ何も言えない,とのこと。曰く,「あまりに早く発表してしまうと,ファンの皆さんをいたずらに待たせるだけなんで」(同社広報)。Red 5とは浅からぬ関係にある,某社や某社への皮肉に聞こえた気もするが,……気のせいだろう,たぶん。 今言えるのは,“ファンタジータイプのMMORPGである”ということだけだそうだ。残念。ただブースには,同作のコンセプトアートが所狭しと並べられていたので,ここに掲載しておこう。当分はこれらを眺め,想像することしかできないようである。
ところで,まだ一つ疑問が残っている。同社は,なぜここにブースを構えているのだろう? これについては,明確な答えが得られた。“求人”である。それが,Webzenとの契約で作っているファンタジータイプのMMORPGのためか,Benchmark Capital&Sierra Venturesの資金提供を受けて作るゲームのためかは教えてもらえなかったが(もし前者だとしたら,同作の詳細が発表されるのは,まだまだ先と見るべきかもしれない),ともあれ「会社を大きくするため」(同広報)にスタッフを求めているとのこと。 なにせこのブースがあるのはGDC会場内,つまりゲームの開発者が集う場所である。筆者が見ている間にも,多くの人が話を聞きに来ていた。早く大きな会社となって,開発作業のスピードアップを図ってもらえればと思う。(Iwahama)
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