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EA Mythicプレスイベントで,「Warhammer Online」の最新情報が公開
2007/03/07 21:42
 1月24日,25日の両日,米国バージニア州フェアファックスで,EA Mythic Press Eventが開催された。このイベントでは,世界各国のマスコミ38社から,40名以上の記者が参加し,同社が開発を手がける「ウルティマ オンライン」(以下,UO)と「Warhammer Online: Age of Reckoning」(以下,WAR)についての発表が行われた。

 上記タイトルのうち,UOについては,2007年にクライアント無料ダウンロードによるサービスが開始されることをお伝えしているが,WARの日本でのサービスについては現時点では未定とのことだ。
 WARは,テーブルゲーム/テーブルトークRPG「Warhammer」の世界観をベースとしたMMORPG。βテストの開始日は未定だが,すでに社内テストは開始されており,順調に開発が進んでいるとのこと。

 今回は,このプレスイベントの中から,日本でのサービスが期待されるWARについて,エレクトロニック・アーツから,本日3月7日に公開された資料に基づいて紹介しよう。
 まず,本イベントのプログラムとプレゼンテーターは,以下のとおり。

■WAR プレゼンテーションプログラム
セクション1:“エンパイア”世界初公開
ブライト・ウィザード(Bright Wizard)で,エンパイア軍のスタートゾーンを35分間体験

セクション2:“ケイオス”世界初公開
ケイオス軍のメイジアス(Magus)を操作し,スタートゾーンを35分間体験

セクション3:RvRシナリオ体験初公開
1時間半超のプレイ時間におよぶ,“Marsh Temple”と“Gates of Ekrund”でのシナリオを体験

■プレゼンテーター
Jeff Hickman:シニア・プロデューサー − 基本情報担当
Paul Barnett:クリエイティブ・ディレクター − エンターテイナー
Lance Robertson:プロデューサー − ゲームツアーガイド
Destin Bales:コンテンツ・ディレクター − スライド担当

 以下に,少々長いが,本イベントのレポートをそのまま引用しておく。“エンパイア”と“ケイオス”の二つの勢力に関してや,それぞれの勢力に登場するいくつかのクラス,本作の特徴の一つであるRvRシステムなど,興味深い情報が紹介されているので,本作に関心のある人は目を通しておこう。(ginger)



#####以下,資料より#####


Empire - Bright Wizard
<セクション1:エンパイア>

短い休憩時間に足を伸ばしたり、ドリンクを楽しんだ後、エンパイア・セクションが始まった。各セクションとも、Jeff Hickman は基本情報を伝え、次にPaul Barnett がゲーム内容により特化して、刺激的に詳細を説明した。

Paul は画面のウォーリア・プリースト(Warrior Priest)を指し「エンパイアはスキンヘッドの人間の軍隊です!」と力強く語った。エンパイアの軍は壊滅状態で人々は絶滅寸前。破壊軍に包囲され存亡の危機に陥っていて、全力を尽くして反撃しなければ、死あるのみだ。

エンパイアの新兵はノルドランドからスタートし、オストランド、タラベックランド、レイクランドへとレベルを上げながら移動する。エンパイアの首都はアルトドルフで、中立地帯Praag の覇権をめぐって、“ケイオス”と争っている。

次に、Jeff とPaul が交代で、エンパイアの4 つのクラスについて語った。このセクションの間に、Jeff は何度もPaul の話を中断した。さもなければ、Paul は何日も続けてそれぞれのクラスを語りかねないからだそうだ。

・ナイツ・オヴ・ザ・ブレイジング・サン(Knight of the Blazing Sun)− 接近戦/タンク
・ウィッチ・ハンター(Witch Hunter)− 接近戦/DPS
・ウォーリア・プリースト(Warrior Priest)− 接近戦/ヒーラー
・ブライト・ウィザード(Bright Wizard) − キャスター/遠隔攻撃-DPS

これからプレイする、ブライト・ウィザード(Bright Wizard) について詳細な説明があった。どうやら、最初はエルフしか魔法を使えないようだ。人間には魔法の力を任せられないとわかっているので、エルフは嘘をつき別の魔術機関があると言った。その後エルフは妙な理由で、人間にだけ火の魔術を教えた。力を制御できない者にはその力の最上級の手段を教えたくはないだろう。でもエルフは教え、こうしてブライト・ウィザード(Bright Wizard)が誕生した。

このブライト・ウィザード(Bright Wizard)はたった一つのことだけに関心を持つ。火である。Paul はこの特徴について、このクラスに着手した当初のデザイナー達との会話を例に伝えた。デザイナー達はウォーハンマーの世界では、ブライト・ウィザード(Bright Wizard)はどういうタイプのキャスターなのかと尋ねたそうである。

デザイナー(以下 D):稲妻を出すのか?
Paul:いや、火で攻撃する。
D:その火には癒し効果が?
Paul:いや、物を燃やすんだ。
D:防御呪文なのか?
Paul:いや、物を燃やすんだ。
D:クラウド・コントロールができるのか?
Paul:いや、物を燃やすんだ。
言い換えると、ブライト・ウィザード(Bright Wizard)は炎の破壊力にしか興味がない。純粋に攻撃的なクラスだ。

ようやく、あらかじめ作成されたブライト・ウィザード(Bright Wizard)としてログインが許された。エンパイアのスタート・エリアから開始後、約30〜45 分かけて初期クエストから、最初のパブリッククエストまでをプレイしてみた。エンパイアとしてプレイすると、彼らがどれほどの苦境に立たされているかがすぐに明らかになった。最初のクエストは、ケイオス・マローダー(混沌の略奪者)を追い払い、攻撃にさらされている村人を救うことである。PvE クエストだが、十分に戦争全体に貢献しているような気にさせてくれる。最初の初期クエストで、ケイオス軍を後退させ続けると、やがて、ケイオス・ジャイアント(ケイオス・ジャイアント(Chaos Giant))が呼び寄せられる。このジャイアント退治が最初のパブリッククエストだ。

このパブリッククエスト・システムには会場全員が興味を示し、質問が出た。パブリッククエストを通して、プレイヤーは他のNPC に影響力(他のゲームの派閥のように)を持つようになる。このようなNPC との関係を築いていくと、次第に良い報酬が得られるようになる。Paul の表現によると、「ジャイアントをただただ憎んでいる奴が町にいると想像してみてください。彼は、この世に存在するすべてのジャイアントを一掃すること以外は何も望んでいないのです。もちろん、この困難な使命を一人で果すことはできません。だから手伝ってくれそうな屈強な冒険家を探しているのです。出て行ってこの男の望みを叶える回数が多いほど、彼はあなたのことを気に入り、もっと良い物をくれるのです。」となる。

パブリッククエストではさまざまな目標がある。もっと典型的なPvE と同じ様に、「コンフリクトクエスト」というものにも参加できるようになる。コンフリクトクエストは、基本的には他のプレイヤーと競い合うパブリッククエストだ。実際に他のプレイヤーを倒す場所はRvR クエストである必要はない。それどころか、達成するべき使命が、相手の使命と相反する可能性さえある。完全にPvE ベースだが、戦争全体に貢献している気分に十分ひたることができる。

パブリッククエストは3つのステージに分かれており、各ステージをクリアすると次のステージに進む。2番目と3番目のステージにはタイマーが付いており、周りの誰もまだ準備ができていないステージでクエストが行き詰まらないようになっている。制限時間内にそのステージを達成できない場合は、ステージ1からやり直すことになる。パブリッククエストを何度も繰り返して影響力を得ることができる一方、最上級の報酬に到達する必要はない。各エリアの多種多様なパブリッククエストには、さまざまな影響力がある。つまり、同じクエストを何度も繰り返す代わりに、すべてのパブリッククエストを行い、必要な影響力を得ることも可能なのだ。




Chaos - Magus
<セクション2:ケイオス>

Paul はカスタードの缶を持ち上げてケイオスのプレゼンを始めた。「これがケイオスです!」最初にウォーハンマーのケイオスのコンセプトをデザイナーやアーティストに説明する上で、難題の1つはケイオスは常に「悪、悪魔、邪悪」を意味しているとは限らないことだったと彼は語った。Paul によれば、焼け焦げたあばら骨でできた木々、浮遊する岩、巨大なまばたきする目玉などを加えるのはまったく成り行き任せだということである。

ケイオスとは何か?Paul の次のスライドでは、悪魔の支配者、ケイオスのエネルギー、カスタード、権力欲、腐敗、カニの爪などが写し出された。ケイオスのエネルギーは領土全体に広がり、触るものすべてが腐敗する。ありとあらゆる奇怪ででたらめな変異が起こり、だからカニの爪なのだ。ケイオスの軍勢はとにかく領土を荒らし、あらゆる物を支配する。

ケイオスの神々、この時点で、WAR ではケイオスを選択したプレイヤーだけがティーンチ(Tzeench)に従うことができるということが広く知れ渡っている。Paul はこの根拠について端的に述べた。腐敗、絶望、疫病などの神ナーグル(Nurgle)だと、ケイオスの人々が「巨大な虫酸の走る『ジャバ・ザ・ハット』」のようなクリーチャーとして駆けずり回らなければならないので、良い案とは言えない。コーン(Khorne) は一途過ぎて、彼の信奉者には実際に4つの明確なクラスを得るためのバリエーションが不足する。コーン(Khorne)の信奉者は、物をめった切りにすることだけに熱くなる傾向がある。そしてスラーネッシュ(slaneesh)だ。スラーネッシュ(slaneesh)はWAR がターゲットとしているティーンエージャーのレーティングには向いていない。ただし、よりプラス面の特徴として、Paul はNPC であるケイオスの三神全員が、ゲームの中では戦闘可能な悪役であると力説した。

ケイオスは国というよりも侵略征服軍なので、ケイオスのスターティング・エリアは標準のものとはやや異なっている。最初のケイオスのキャラクターは作成時に、エンパイアの新兵のように古びた小さな村から始めるわけではない。ドワーフのように石造りの楼閣も石像もない。グリーンスキンのような野営地もない。ケイオスのキャラクターをプレイし始めると、侵略軍の一員として、ノーシャにあるエンパイアの村近くの入口から一歩を踏み出す。ノーシャから、Troll Country、峠へ、そして最後にケイオスの荒れ野に進むことになる。ケイオスの首都は「必然の都市」と呼ばれている。前に言ったように、エンパイアと支配権を争う中立地帯はPraag だ。

次に、ケイオスのクラスについて、Paul とJeff はくどくどと怪しい説明を始めた。いつものように、Jeff はDPS やタンクなどの言葉で基本情報を提供してくれたのだが、Paul はこういった言葉や説明が嫌いで、もっと味のある楽しい表現を好んでいる。

・チョーズン(Chosen) − 接近戦/タンク(盾役)
・ジーロット(Zealot) −- 魔術/ヒーラー
・(Unknown)- 接近戦/接近戦-DPS
・メイジアス(Magus)− 魔術/遠隔攻撃 − DPS

ケイオスクラスのセクションの大部分は、これからプレイするメイジアス(Magus)についてだった。まず全員の目に飛び込んできたのが、その円盤だ。Paul の言葉によれば、「狂気のケイオスの死のサーフボード」である。メイジアス(Magus)のパワーが上がるごとに、この円盤も成長して、もっと印象的な光景になっていく。メイジアス(Magus)は、強大な恐ろしい力の誇示こそがすべてで、その呪文には信じられないような力がある。メイジアス(Magus)は大地と、ついでに自分の周囲もすべて歪め、大地を歪め、破壊し、混沌のまさに本質に陥れたいのである。

プレゼンのエンパイア・セクションと同様、ケイオスの説明後にメイジアス(Magus)としてゲームにログインすることが許された。あらかじめ作成されたメイジアス(Magus)キャラクターで、スターティング・エリアにログインした。もう一度、初期クエストから、最初のパブリッククエストまでをプレイした。ケイオスの場合、前述のように侵略軍の一員としてエンパイアの村近くの入口から始まる。初期クエストでは、村の焼き討ち、横取り、強奪などの行為を行うことで、侵略軍の一員であることがリアルに感じられた。

ケイオスの最初のパブリッククエストは、実際にティーンチ(Tzeench)を呼び出すことで終わった。誰もこのような展開を予想していなかったと思う。パブリッククエストの指示にひたすら従って進んでいると、突然、全員のキャラクターの真ん中に巨大な鳥のような神が現れた。イベント会場の外でも、その映像を見たショックと驚きとそして唖然として息を呑む音が聞こえたことだろう。この鳥のような神は、ケイオス軍に反撃しようと集められている エンパイア軍を踏み潰し、完膚なきまでに叩きのめした。




Scenario - Temple - Shaman
<セクション3:RvR>

最後のセクションは、RvR について。大方すでに知られている内容だったが、シナリオについてはもう少し詳しい説明があった。シナリオはインスタンス化され、均等に組み合わされたRvR 戦闘である。テーマ化され、その現在地であるエリアに基づいたものであり、ゾーン攻略の主要なポイントジェネレーターだ。シナリオの得点方法は、プレイヤーが倒した相手をベースにしたポイントシステムである。

シナリオの詳細:
・さまざまなCTF
・Murder Ball
・Domination
・デスマッチ
・リリース時には40 名以上の参加が可能
・最大で36 名 vs. 36 名の戦闘が可能
・“戦争の犬” (Dogs of War)で差を埋めて均等に組み合わせた戦闘を保証

“戦争の犬” (Dogs of War)はNPC グループの一員で、奇数を偶数にして速く戦闘を始められるようにするものだ。両軍の戦闘員が十分な数になるまで列で待つ必要もなく、WAR ではこの“戦争の犬” (Dogs of War)を使って、両軍の準備を整える。“戦争の犬” (Dogs of War)は必要に応じて自動的に割り当てられ、AI がコントロールしており、典型的なファイター、ヒーラー、または魔術師などの種類がある。シナリオで例に挙げられたのは、Marsh Temple とGates of Ekrund であった。

総括的にもこのイベントは大成功だった。ゲームの最新コンテンツに触れ、何ヶ月も頭の中でくすぶっていた質問をすべてぶつけることができた。次回が待ち遠しいというのが、出席者全員を代表した意見である。


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Warhammer Online: Age of Reckoning
■開発元:EA Mythic
■発売元:Electronic Arts
■発売日:2008/Q1
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2007.03/20070307214250detail.html