[GDC07#04]Microsoft,GDC参加者に「Games for Windows Live!」へのゲーム開発を促す
XNA担当エンジニアのIan Lewis(イアン・ルイス)氏
|
GDCにおける毎年恒例の行事として「Microsoft Game Developer Day」(以下,MGDD)があるが,このMGDDが2007年もGDC2日めに開催された。これは,Microsoftのエンジニア達が,ゲームやハードウェア開発者達に対して,DirectX APIの解説やXNAといった開発ツールのテクニカルデモを行う,GDCにおけるスポンサー型セッションである。 本来,MGDDはプログラマ向けの内容ではあるのだが,中にはPCゲーマーとして興味深い話題もある。2007年の場合は,Xbox 360とWindowsのオンライン環境に互換性を持たせる新機能「Games for Windows Live!」がそれに当たる。
「Games for Windows-Live! Essentials」という講義で壇上に立ったのは,XNA担当エンジニアのIan Lewis(イアン・ルイス)氏。氏は,まず“Live!”サービスがフレンドリストやボイスチャットを含めたソーシャルネットワーク型のサービスであり,単なるオンラインサービスではないことを成功した理由としてあげた。また,Live!内で“Achievements”と呼ばれる,ゲーム成績の足跡を残せるような細かいシステムも,ゲーマー達への宣伝効果につながっているとした。
ルイス氏は,“Live!”サービスをショッピングモールにたとえ,「皆が集まるところに出店することで大きな経済効果を生む」とし,セッションに集まったゲーム開発者達に向かって,2007年7月からβ版で運営される予定になっている,Games for Windows Live!に向けてゲーム制作をするように促していた。 ルイス氏のセッションからは,Games for Windows Live!がPC用オンラインゲームのプラットフォームとして,確固たる地位を確立できるのは間違いない,という自信が感じられた。これには,Xbox Live!の運営を通して,すでにノウハウが蓄積されていることもあるのだろう。
まだ正式にサービスの詳細が公表されたわけではないが,Games for Windows Live!においても,Xbox Live!同様,完全無料で楽しめるアカウントと,メンバーシップ料を支払うことでさまざまな特典を受けられる有料アカウントが用意される模様だ。 今回のセッションでは,Live!を使ったWindowsとXbox 360でのクロスプラットフォームでの対戦モードを備えたFPS「Shadowrun」のデモも行われた。ただ,クロスプラットフォームでゲームを楽しむには,Xbox Live!同様,Games for Windows Live!でも,有料の“Gold Account”(日本では「ゴールド メンバーシップ」)が必要になることが明らかにされた。PC同士での対戦は無料だが,クロスプラットフォームでの対戦は有料,ということなのである。
クロスプラットフォームでの対戦モードは非常に楽しみなのだが,無料のオンラインサービスに慣れているPCゲーマー(しかもPC同士ならGame for Windows Live!でも無料)に,クロスプラットフォーム対応の有料アカウントはどれだけ浸透するのだろうか? Microsoftには,このあたりの危惧を払拭してくれるだけのサービス体系や運営法を,今後明らかにしてくれることにも期待したい。 (ライター:奥谷海人)
|
|
|
|
|