ポスタル(ほぼ)全部入りの「ファッジパック」が3月30日に発売
いろんな意味で世界を震撼させた残酷ゲーム,ポスタルシリーズだが,それをひとまとめに楽しめるという「ポスタル・ファッジパック」(原題 Postal Fudge Pack)が3月30日,ドライブから日本語マニュアル付きで発売される。価格は8190円(税込)。 五つのパッケージにオマケまで付いたこのお得パック。内容は以下の通りだ。
●ポスタル+スペシャルデリバリー(原題 Postal - Classic and Uncut)
初代「ポスタル」。1997年に発売されるやいなや,その残酷かつインモラルな内容が一部のゲーマーに大ヒットし,世間的には大ひんしゅくを買った伝説のタイトルだ。手作り感覚抜群のほのぼのグラフィックスで描かれた主人公が,町のいたるところで無差別殺戮を繰り広げるという奇妙なギャップがゲーム全体を覆う狂気を増幅する。四つのエリアや新キャラクター(および犠牲者),効果音や音声などを追加したアドオン,「スペシャルデリバリー」も同梱。
●ポスタル2 シェアザペイン(原題 Postal 2: Share The Pain)
2003年に発売された「ポスタル2」は,もともとシングルプレイ専用のゲームだったが,それにマルチプレイモードを追加して発売されたのがこれ。アリゾナ州の架空の町“パラダイス”を舞台に,主人公ポスタル・デュード(前作の主人公との関連はちょっと不明)の月曜日から金曜日までの日常生活を描く問題作である。前作の見下ろし型2Dタイプから,Unreal Engine 2を使ったFPSにスタイルが変わり,町の雰囲気もよりリアルになった。 ゲームの目的は,妻に頼まれた“おつかい”ミッションをクリアすることだが,ゲーム内にはイライラするような仕掛けがいっぱいあり,ついにキレて暴れるもよし,耐えて平凡な日常を過ごすもよしという設定になっている。もっとも,放っておいても敵がどんどん増えて,イヤでも撃ち合いをせざるを得ないような状況にはなってくるんですけどね。 ポスタルベイブを奪い合うといったマルチプレイも相当に低モラルだ。
●ポスタル2 ウィークエンド(原題 Postal 2: Apocalypse Weekend)
ポスタル・デュードの週末を描くポスタル2のシングルプレイ専用拡張パックで,2005年3月発売。新しいマップと新しいおつかいが追加されており,彼が土日も平日とほとんど同じことをしているのがよく分かるという問題作。ブーメランやマシェット(蛮刀),スレッジハンマーなど,聞いただけでも使い方が頭に浮かんでくるような武器も登場し,より戦略性が高まったような気がしてならない。
●エターナル・ダムネーション(原題 Eternal Damnation)
ポスタル2のファンが作った力作MOD。お下品シューターのポスタル2がいきなりバイオレンスホラーに変身するという意表を突いた内容だ。過去のトラウマによって精神を病み,病院に入っている主人公ジョン・マレーに襲いかかる無数のゾンビ,またゾンビ。シリーズ初のナイトシーンも登場し,ついでにマルチプレイにも対応している。
●ウィーク・イン・パラダイス(原題 Week in Paradise)
こちらもファンの手によるMODで,ポスタル2 ウィークエンドの機能や武器がポスタル2 シェアザペインでも使えてしまうもの。それだけでなく,登場してくるキャラクターも微妙に異なっており,帽子をかぶっていたり,メガネをかけていたり。本編をすっかりやり込んだ人でも,このMODを導入することでまた新鮮な気持ちでおつかいに励めるだろう。
●おまけ(原題 Extra)
さらに,ポスタル2に登場する怪しいハリウッドスター,ゲーリー・コールマンの独占映像や,あんな格好やこんな格好のポスタルベイブの見逃せない画像,そしてサウンドトラックなどもおまけとして同梱されており,まさしくポスタルワールドの隅から隅まで楽しめるという感じである。
世界中で,発禁処分になったり,発売禁止運動が巻き起こったポスタルシリーズだが,とくに問題もなく買えてしまい,しかもファッジパックまで発売されてしまうと言う我が国のPCゲーム事情に微妙な幸せを感じつつ,ちゃんと作っているんだかいないんだかよく分からない「Postal3」を待つのも一興である。こうしたゲームを,ゲームとして楽しめる大人の方はぜひどうぞ。(松本隆一)
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