スクウェア・エニックスとハンゲームの強力タッグ実現! 「クロスゲート」の続編「コンチェルトゲート」発表
NHN Japanとスクウェア・エニックスは本日(1月24日),六本木ラフォーレミュージアムで,新タイトル「コンチェルトゲート」の共同記者発表会を実施した(関連記事)。同作はスクウェア・エニックスのMMORPG最新作で,国内ではハンゲーム上で独占提供される。 本作は「クロスゲート」の正当な続編にあたり,優しげな世界,温かみのあるグラフィックス,シンプルかつ奥深いシステムを特徴とした,「新生&王道MMORPG」だ。 課金システムは基本プレイ料金&クライアント料金無料(アイテム課金を予定)で,本日よりクローズドβテスターの募集(1万名)が開始されており,第1次クローズドβテストは2月26日〜28日,第2次クローズドβテストは3月中旬,オープンサービスは4月が予定されている。課金アイテムは5月以降に登場する予定だ。 速報記事でもお伝えしたように,企画・監修はスクウェア・エニックス,運営はNHN Japan,開発は「クロスゲート パワーアップキット 2」「同3」を担当したポンスビック,キャラクターデザインはフリーイラストレーターの戸部淑氏,音楽は伊藤賢治氏と菊田裕樹氏という陣容だ。
プレイヤーは,ファーレン王国の首都ファンブルグにおいて,「この世界に迫りつつある大災厄の種」を屠るために,異世界からわけも分からず召喚された「勇者候補」達の一人となる。結局は勇者としての試練に合格できず,追放されてしまった「落ちこぼれ」として,「勇者じゃない僕達にも,できること」を追求していくのが,このゲームの物語だ。
■生演奏によって始まった粋な発表会
会場には韓国メディアも取材に訪れており,同時通訳用と思われるイヤホンが支給されていた。過去のNHN Japanの発表会でも見られてはいたが,日本国内のタイトルに対する韓国の注目度というものを意識させる光景であった。
会場入りしたときから,ステージ上に設置されたピアノに「むむっ」と感じたが,発表会の開始時刻である14時になると同時に会場のライトが落とされ,楽団による生演奏が始まるという珍しいオープニングとなった。 続いてアニメ制作会社による,同作をイメージしたアニメムービーを上映。こちらは同じ内容のものが,すでに公式サイトで公開されている。百聞は一見にしかず,まずは実際に観てみることをお勧めしたい。
そしていよいよ,スクウェア・エニックス社長,和田洋一氏が登壇。和田氏は「オンラインゲームという分野はコンテンツのフロンティア」であると語り,自社でもこれまでオンラインゲームの運営は行ってきたが,まだまだ未開拓の分野があると述べた。コンチェルトゲートについては「優しい世界の中で皆様方に楽しんでいただく作品」と説明し,新たな分野で最高の状態でコンテンツを提供するために,実績のあるNHN Japanとパートナーシップを結ぶに至ったという。
続いて登壇したのは,NHN Japan代表取締役社長の千良鉉氏。「コンチェルトゲートを,(NHN Japanで)今年最初にパブリッシングする作品として発表できることを大変嬉しく思います」と挨拶し,「オンラインゲームに関しては,ゲームそのものの面白さと共に,運営力が要となってきます。コンチェルトゲートは,スクウェア・エニックスの高いゲーム開発力と,弊社の運営力のコラボレートにより高品質なオンラインサービスとして提供できると確信しております」と語った。
左:スクウェア・エニックス社長,和田洋一氏
右:NHN Japan代表取締役社長,千良鉉氏
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スクウェア・エニックス
エグゼクティブ・プロデューサー
斎藤陽介氏
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両代表の挨拶が終わると,スクウェア・エニックスのエグゼクティブ・プロデューサー,斎藤陽介氏が登壇。「コンチェルトゲート」の開発経緯についての説明が行われた。氏はコンチェルトゲートについて,「私がかれこれ5年半携わってきた『クロスゲート』の続編にあたる」作品であると説明し,続いてクロスゲートの歴史について解説が行われた。
クロスゲートは2001年7月に日本でスタートした,現存する国産最古のMMORPGであり,中国大陸,台湾,香港,韓国といったアジア地域において累計2347万7097ユーザーを獲得。中でも最も盛り上がった中国での同時接続者数は,11万7100人という実績を残した作品である。 クロスゲートは,まだMMORPGというジャンルが日本に今ほど浸透していなかった頃,どのようにしたら受け入れられる作品になるかと考え,コンシューマライクな作りのMMORPGとして世に出したという。その2か月後には台湾,2002年3月には中国大陸でサービスが開始されるなど,当時としては非常に早いグローバル展開が行われた。 続いて2002年12月にはパワーアップキット1が発売され,以後2003年12月,2004年12月と,計3本のパワーアップキットが発売されるロングランタイトルとなった。 その後,2年ほど大きな動きがなかったわけだが,つまりこの期間,最新作コンチェルトゲートの開発に注力していたそうだ。 斎藤氏は「クロスゲートは私の子供であり,コンチェルトゲートは孫にあたる存在だと思っています。NHN Japanとの強力なタッグにより,コンチェルトゲートを日本で一番のMMORPGにするべく頑張っていきます」と,愛情の深さと抱負について語った。
■現時点で判明したゲーム内容
スクウェア・エニックス
プロデューサー,渡辺範明氏
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そしていよいよ,待望のゲーム内容の説明に移行。まずはデモプレイムービーが上映され,続いてスクウェア・エニックスのプロデューサー,渡辺範明氏が登壇した。渡辺氏はゲーム内容的な特徴について,まず「かんたん,かわいい,奥深い」というコンセプトを発表。「作りは本格的だけど,遊び心地としてはカジュアルなMMORPG」を目標に開発し,「基本プレイ料金無料」という課金システムも併せて,かなり気軽に遊べるタイトルに仕上がったと述べた。
○キャラクター まず34体(男女17種類ずつ)のベースボディの中から気に入ったものを選び,髪や肌の色,目や口の形,等身などをカスタマイズできる。色違いを除いて50〜100種類ほど用意されるという装備アイテムは,キャラクタービジュアルに反映されるため,まったく同じ外見のキャラクターと遭遇することはまずないとのこと。
○グラフィックス パッと見は2Dグラフィックスのようだが,実際は3Dで描かれている。3D空間の中に,手描き調の2Dイラストを配置するという特殊な方式を採用しており,空間的な広がりを実現しつつも,まるでイラストの中を歩いているような,独特の童話的な雰囲気が再現されている。季節や時間の移ろい,波の効果など,「常に動き続ける世界」も意識されている。
○操作方法 マウスの左クリックで「移動」「話す」「調べる」といった基本動作が行える。キーの押しっぱなしでダッシュするなど,MMORPGとしてはオーソドックスなスタイルといえるだろう。操作に関するチュートリアルメッセージも要所要所に挿入される。
○遊び方 難しいことは何もなく,街中でほかのプレイヤーキャラクターとしゃべったり,商売をしたり,パーティを組んで冒険に出かけたりといったプレイスタイルとなる。ストーリー仕立てのクエストやイベントも用意されるようだ。パーティを組むと一列になって歩き,パーティリーダーが操作を担当する。
○戦闘 移動中のランダムエンカウントによって,戦闘モードに切り替わるという「エンカウント式」を,クロスゲートに引き続き採用。エンカウントによってプレイのテンポが損なわれぬよう,戦闘は非常にサクサク進んでいく。戦闘は1ターン=1秒というセミリアルタイムで進行し,基本的には攻撃対象をクリックするだけで進んでいくが,仲間とタイミングを合わせることで連携攻撃も可能。また,敵の姿がマップ上で見えている(触れると戦闘になる)ミッションもあるようだ。なお,パーティ戦闘はプレイヤー5人+ペット各1体の,最大10体で挑める。
○職業 オープンサービス時に用意される初期職業は15種類。戦闘系5種類,生産系8種類,特殊系2種類という内訳となる。戦闘系は,さらに物理攻撃タイプと魔法タイプ,生産系は一次職人タイプと職人タイプ,特殊系は「使い魔」(詳細は後述)と「踊る」といったスキルを持ったものに分けられる。
○マルチキャラクター 1アカウントで複数のキャラクターを“同時に起動”し,「切り替えタブ」を使うことで,いつでも任意のキャラクターに切り替えられる。一見すると複数アカウント用,PL(パワーレベリング)用などにも思えるのだが,そのシステムの詳細部分についてはまだ不明な点も多い。何にせよ本作の注目機能だ。
○テラジェネレーションシステム 生産スキルである伐採,採掘,狩猟などを行っていると,その影響がゲーム内に現れ,生産物なども変化していくという。例えば採掘作業を行っていくと,地面にだんだん穴が空くなどの変化がフィールドマップ上に起こるのだ。
○ペット(使い魔) 登場するモンスターは,すべて「封印」することでペット(使い魔)にして使役できる。なお,この封印は初期職業の「封印術師」というクラスのみ行えるもので,ゲーム内の一要素に過ぎないことから,本作の奥の深さを感じてほしいとのことである。
渡辺氏降壇のあとは,最初のライブでピアノ演奏を行った,伊藤賢治氏が登場。氏は1990年に旧スクウェア入社以後,11年間ゲーム音楽作曲家として活動し,2002年よりフリーの作曲家として活躍している。氏はクロスゲートの音楽も担当しており,今回は菊田裕樹氏と共にコンチェルトゲートの音楽を担当している。 コンチェルトゲートの音楽については,クロスゲートの「明るく楽しい」要素に加えて,ストーリーに関係した「シリアス」な要素も組み込んだという。ということは,コンチェルトゲートではなかなかシリアスな展開も期待できそうだ。 ここで再び楽団が登場し,首都ファンブルグで使用される「ファンブルグのテーマ」の演奏が行われた。この街はホームタウンをイメージした「ふるさと」を思わせる曲とのことで,このようなプレス限定の発表会で聴かせるのは,正直もったいなさすぎる演奏であった。
お次はNHN Japanのマーケティング担当,御手洗達生氏が壇上に登り,コンチェルトゲートのマーケティング戦略について発表した。具体的には,文化放送,Air Impress,インターネットラジオステーション「音泉」での番組放送,ソーシャルネットワーキングサービス「CURURU」やブログ「アメーバ」とのコラボレーション,カプセル玩具「Yujin」でのグッズ販売など,タイアップ中心のイベント連動企画が計画されている。ただし詳細については「今はまだ話せない」ものが多かったのが残念である。 なお,これらは初期アクション(オープンサービス開始直前,インターネットテレビ配信),2次アクション(地上波ラジオ,インターネットテレビ,インターネットラジオ放送開始,アメーバブログ開始),3次アクション(オンラインイベント連動企画開始),4次アクション(Yujinタイアップ開始,リアルイベント実行,Cururuによる参加型キャンペーン実施)として,段階を踏んで実施されていくようだ。
さらにNHN Japanの運営統括,田代克行氏が登壇し,コンチェルトゲートにおいてNHN Japanが果たすべき三つの役割は「ハンゲーム内での提供」「ゲーム運営」「マーケティング」であること,また中心的な顧客層は「ハンゲーム会員」「RPGファン」「オンラインゲームエントリー層」であることを語り,2007年中に登録会員数100万人獲得という目標を明らかにした。 また田代氏はスケジュールについて発表し,その中で2月1日から開始される「シークレット60」について説明。これはオープンサービス開始予定日である4月までの60日間,公式サイト上で1日1個ずつ情報を公開していこうという企画だ。公開される情報にはバックストーリーや開発秘話などが予定されている。
最後にNHN Japan副社長の森川亮氏による閉会の挨拶が行われた。この挨拶の中で,氏は「昨年は多数のオンラインゲーム,そしてゲームのポータルサービスがスタートし,今年はコンテンツのクオリティと運営力が求められる年になると思っております」と述べ,「コンチェルトゲートは日本で開発された,クオリティの高いゲームです。目の肥えたお客さんはもちろんのこと,今までMMORPGに抵抗のあった初心者の方もご満足いただけると確信を持っております」と,本作における自信のほどについて語り,共同記者発表会は終了した。
■発表会が終わって……結局どんなゲームなのか?
さて,閉会のあと,スクウェア・エニックスの岩野氏に軽くお話を伺った。まず何より気になったのは,少々厳しいが,ざっと発表会の内容を見渡した限り,本作には際立った要素がとくにないように思えた点だ。ズバリ,本作のウリは何なのか? といったことを聞いてみたところ,「とにかく“リッチ”になったクロスゲートだと思ってください」とのことであった。当時の「MMORPG初心者」に向けて発表し,成功を収めたクロスゲートというコンテンツを進化させることこそ,次世代のエントリー層に向けた作品となるということだろう。 クロスゲートでは数多くリリースされたパワーアップキットだが,コンチェルトゲートでは,パッケージでのリリースという形はそぐわないように思える。これについては大型アップデートという形で検討しているとのことだ。 なお,海外展開については,前作の最大市場となった中国ではスクウェア・エニックス チャイナが担当し,韓国などについてはNHNと交渉中であるとのこと。日本にとっては関係ないことだと思うかもしれないが,海外での成功による勢いは,日本でのその後のサービスにも大きな影響を与えるはずである。コンチェルトゲートが前作と同様,いやそれ以上に息の長い作品となるよう期待したい。 まずはクロスゲートファンも,MMORPGを敬遠してきた人も,本日より開始されている,第一次クローズドβテスター募集に応募してみてはどうだろうか。(Kawamura)
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