インターネット関連の調査会社であるイーシーリサーチは,(カリフォルニアの国際ビジネスコンサルティング会社)Niko Partnersが作成した,「中国のビデオゲーム市場の特徴・規模ならびにその成長とゲーム利用者に関する調査レポート」を発売した。A4レポート63ページで,価格は84万円(税込)。 レポートの概要については同社サイトの「こちら」で公開されており,その中では,中国のオンラインゲーム市場は2010年には21億ドル(約2478億円)規模に成長すると予測されている。ちなみにこれは2006年度のデータではなく,2005年度のデータがベースのレポート。調査時期も2006年2月〜3月とやや昔のものとなっている。 概要を抜粋すると以下の通り。
・2005年の中国ゲーム市場の売上は約6億8300万ドル(対前年23.6%増) ・2005年の中国のゲーム利用者総数の2700万人のうち、 29%がハードコア・ゲーマー ・中国ゲーム市場規模は2010年に約21億ドルへ(毎年24%の成長) ・カジュアルゲームの割合は2010年には40%へ
上記の概要を見てもらえれば分かるが,2005年度の中国のゲームユーザー数は約2700万人とのことで,その大部分がオンラインゲームのユーザーだと考えると,日本のオンラインゲーム人口とは一桁違う状況。ただ市場規模は6億8300万ドル(約806億円)と,まだそこまで巨大というほどではなく(十分大きくはあるが),今後中国自体の経済のさらなる発展に合わせて,急激な拡大が見込まれる部分だといえる。 レポートでは,2010年にはゲーム人口は7000万人に迫る勢いであることや,重厚長大なタイトル(いわゆるMMORPGなど)の割合が大きい現状に対して,カジュアルゲームの割合が大きくなるだろうといったことが予測されている。 カジュアルゲームうんぬんでいえば,市場が拡大し「メジャー化」した段階で,ゲームは一部のマニアの嗜好品ではなくなり,より幅広い層に支持されるという状況になるわけで,よりライトなゲームが求められるというのは万国共通の自然な流れだといえよう。
販売されるレポートでは,以下の部分に関する詳細な調査結果も含まれるとのこと。現在,そしてこれから中国ゲーム市場に関心がある人(主に企業,投資家かもしれないが)は,チェックしてみるとよいかもしれない。(TAITAI)
・インターネットカフェ:265,000 店のインターネットカフェ(無免許営業店を 含む)に設置された約2000万台のPCからオンラインゲームを楽しむ ゲーマーは、1日当たり平均4時間をオンラインゲームに費やしている。 これら、インターネットカフェに設置されたPCのほとんどは、 ブロードバンド回線や常時接続回線で接続されています。 ・ブロードバンド回線の家庭への普及:ゲーマーの増加に寄与する1つの要因 は高速なブロードバンド回線が家庭に普及したことです。それによって、 より多くのゲーマーがオンライン・ゲームにアクセスすることができました。 ・カジュアルゲーム利用の増加:パズルやボードゲームなどをはじめとした カジュアルゲームは、2005年の中国オンラインゲーム市場では全体の 20%にしか過ぎませんが、2010年には中国オンラインゲーム市場の ほぼ40%を占めるまでに成長すると予想されます。 ・ハードコア・ゲーマーの増加:2004年には全ゲーマーの20%だった ハードコア・ゲーマーは2005年に全ゲーマーの29%に達した。
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