[G★2006#27]開発担当に聞く,三国志MMOアクション「蒼天」の今後
今回のG★では,WeMade Entertainmentブースで同社の三国志MMOアクション「蒼天」が,盛大にプレイアブル出展されていた。韓国では9月に始まった第一次クローズドβテストも終了し,そろそろ第二次クローズドβテストの声も聞こえてくるタイミングといえる。そこで,ChinaJoy出展時と第一次クローズドβ時を比べつつ,開発プロデューサーであるJung-soo Park氏に聞いた,今後の展開をお届けしたい。
4Gamer: 本日はよろしくお願いします。7月末のChinaJoy以来になりますね。第一次クローズドβテストも終わったところで,現在「蒼天」の開発はどういった状況にありますか?
Jung-soo Park氏: 第一次クローズドβテストを通して戦闘の基本形が定まり,テスターのみなさんの意見もほぼ集約して,今後の方向が見えた,そういうタイミングです。早ければ12月の第二週あたりから,第二次クローズドβテストを開始したいと考えています。
4Gamer: おお。それは思ったより早いですね。第二次クローズドβテスト時に盛り込まれる要素は,あとでお聞きするとして,今回の出展は,クローズドβテストと同じバージョンですか?
Jung-soo Park氏: そのとおりです。
4Gamer: 以前ChinaJoyで見たときと比べて,変わっているのはどんな点でしょうか? 触ってみて,動きはスムースに,エフェクトはより派手になったかな,とは感じたのですが。
Jung-soo Park氏: 大きく変わっているのは,キャラクターのモーションと,武器ごとのアクションですね。戦闘については,かなり形になったと思います。
4Gamer: 今回の試遊台では,弓を装備したものがありましたが,弓の使いこなしは少々難しそうですね。狙う,放つのタイミングが。
Jung-soo Park氏: そのあたりはまだ調整中です(笑)。
4Gamer: 弓はどの職業の装備になるのですか? 武士,力士,剣客,侠客のうちで。
Jung-soo Park氏: ほかの武器とは違い,弓はどの職業でも使えるセカンダリーウェポンという位置づけになっています。
4Gamer: なるほど,弓に向いた職業があるわけではないのですね。ところで,今回の出展ではゲームパッドが添えられていて,実際にそれでプレイ可能になっていました。非常にあり得る展開だっただけに逆に少々驚きました。
Jung-soo Park氏: 韓国でもこれからはゲームパッドでのプレイが一般化していくと思います。なにしろキーボード&マウスと違って寝転んだ姿勢でもプレイできますし,意義は大きいと考えています。
4Gamer: PCオンラインのアクションゲームをゲームパッドに対応させるというのは,開発作業的に手間取ったりしませんでしたか?
Jung-soo Park氏: 手間は問題ないのですが,ボタンが無際限にあるわけではないですから,果たして必要な操作が収まるかどうか,最初は不安でしたね。ああ,そうそう。専用のゲームパッドも発表するつもりなんですよ,第二次クローズドβテストの開始に合わせて。
4Gamer: 専用の,ですか。それは面白い話題だと思うのですが,何かこのゲームに特化した作りになっているんでしょうか?
Jung-soo Park氏: いいえ,作り自体は普通のゲームパッドで,ほかのゲームにも問題なく使えます。違いといえば,カッコいい作品ロゴがあしらわれるくらいですね。とにかくプレイに新しい魅力を添えることで,ゲームパッドによるプレイを普及させたいと考えています。韓国ではまだあまり普及していませんから,作品とセットで出すことが重要だと思います。
4Gamer: なるほど,それは正しいかもしれませんね。ところで,第二次クローズドβテストの話題が再度出てきたところでお聞きしたいのですが,そのときに導入される目玉要素は何でしょうか?
Jung-soo Park氏: 魏・呉・蜀の3か国がそれぞれ領地を持っていて,いつでも対戦できる国境フィールドの導入と,「拠点」という施設の導入です。後者は,ふだん持てない量のアイテムを置いておき,そこで戦うときには自由に使えるという施設です。
4Gamer: 拠点は,全員が持てるのですか? 戦って勝ち取るのですか?
Jung-soo Park氏: 戦って勝ち取るものです。守備隊を倒して特定の地点に旗を立てるか,一定の時間占拠し続けることで,手に入る形にしようと考えています。
4Gamer: このゲームの特徴であるミッションについてはどうですか? さらに増えるのでしょうか。
Jung-soo Park氏: ええと,ChinaJoy出展時で3本,クローズドβテストバージョン,つまり今回の出展ではその3本を含めた9本が導入されていますが,第二次クローズドβテストではこれらをいったん省き,まったく新しい8本が導入されます。
4Gamer: ふむふむ,新しいものに入れ替えられるわけですね。通算で17本と考えると,だいぶボリュームが出てきた気がします。では最後に,第二次クローズドβテストを代表として,今後新たに蒼天に期待してほしい要素を,興味を持って読んでくれる読者のために,あらためて聞かせてください。
Jung-soo Park氏: そうですね,第二次クローズドβテストでは,部隊の配置と地形,英雄をうまく利用することで,ひたすら個人の腕が問われる格闘戦から,戦術要素が求められる集団戦へと移行できるはずです。今後の進化を楽しみにしていてください。
4Gamer: 本日はありがとうございました。
オンラインゲームならではの集団戦の実現に向けて,開発の歩みを大きく進めつつある蒼天。このまま順調に行けば,2007年上半期中には正式サービスに漕ぎ着けられそうだという。 海外サービスの可能性について聞いてみると,「中国,台湾,日本での評判は高いのですが,まだ具体的な契約などに移る時期ではないので」という慎重な答えだった。上記の国/地域であれば共通して通用する三国志モチーフに加え,パッドによるゲーム機タイトルのような操作まで実現したとなれば,今後の動向についての注目は,いやがうえにも高まる。年内に始まるという第二次クローズβテストの評判も含め,目が離せない作品といえよう。(Guevarista)
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