Kimの韓国最新PCゲーム事情#620
“Homeworldの父”Alex Garden氏がNEXONに加入(2006/11/7)
Text by Kim Dong Wook特派員
Alex Garden氏
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韓国NEXONは11月3日,Homeworldシリーズや「Warhammer 40,000: Dawn of War」などを手がけたことで知られるAlex Garden(アレックス・ガーデン)氏が,同社に加入したことを明らかにした。同氏は,NEXONがカナダに設立した開発スタジオを率いることになる。
Garden氏がゲーム業界に入ったのは1989年。以来,アメリカのパブリッシャTHQで開発ディレクターやプロデューサーなどを務め,多くの経験を積んだ。 1997年5月にはRelic Entertainmentを設立し,RTSに革新をもたらしたと評されるHomeworldシリーズや,「Impossible Creatures」,そしてWarhammer 40,000: Dawn of Warなどの開発を行っている。
同氏は今後,自身の持つコネクションとゲーム開発経験を生かしつつ,北米地域やヨーロッパ地域をターゲットとするカジュアルオンラインゲームの開発を進めるほか,北米地域でのパブリッシング業務を担当するという。
Garden氏は発表文を通じ,1999年に初めて韓国を訪れて以来,韓国の文化やオンラインゲームビジネスに対して良い印象を抱いてきたと述べている。同氏は2001年からNEXONの顧問を務めており,カナダスタジオの設立を機に,正式に同社に加入することが決まったとのことだ。
ネクソンジャパンのCEOであり,最近までNEXONの共同CEOを兼務してきたDavid Lee氏は,Garden氏の加入について,NEXONのグローバル化にとってとても意義深いことであるとコメントしている。 また,Garden氏の率いるカナダスタジオで,クオリティの高いゲームが生み出されることはもちろん,北米地域でのNEXONのブランドイメージ向上にも期待しているとのことだ。
Garden氏の加入についての詳細は,韓国で開かれるゲームショウ「G★ 2006」会場であらためて明らかにされる予定だ。
ところで,韓国のゲーム業界には,NCsoftが巨額の資金を使ってRichard Garriott(リチャード・ギャリオット)氏を迎え入れたものの,これまで数年の間,同氏の手がけたゲームが1本もリリースされていないという“前例”がある。そのため,海外の開発者の起用は,もっと慎重に行うべきだとの意見は少なくない。彼らを助長させるのか,黙らせるのか。Garden氏の手腕に関心が高まっている。
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