ECS,国内グラフィックスカード市場へGeForceで再参入
製品ボックス。サイズは実測で321(W)×88(D)×480(H)mmと,とにかくデカい
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台湾の大手OEMメーカーで,国内ではマザーボードが一定の人気を集めるECS。同社が単体グラフィックスカードビジネスへ再参入するという話は2006年5月8日の記事でお伝えしたとおりだが,このたび,日本の販売代理店を通じて,日本市場にも再参入することが明らかになった。
ECSのWebサイトでは,ハイエンドからローエンドまで,ラインナップがずらりと並んでいるが,ECSの日本法人である日本エリートグループの鈴木経義氏によると,第1弾となるのはGeForce 7900シリーズ。2006年11月時点では貴重といえるかもしれない,グラフィックスメモリ512MB版のGeForce 7900 GT搭載カードなど,以下のラインナップが,2006年末までに登場する予定という(ラインナップは若干の変更がなされる可能性あり)。
●ECSの国内再参入第1弾製品(予定)- N7950GT-512MX(GeForce 7950 GT搭載)
- N7900GT-512MX(GeForce 7900 GT搭載)
- N7900GS-256MX(GeForce 7900 GS搭載)
N7950GT-512MX
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さて,ECSというと,コストパフォーマンスを特徴としたマザーボードを思い浮かべる自作派も少なくないと思うが,国内グラフィックスカード市場への参入に当たり,ECSはその特徴として「静音」を謳っている。実際,第1弾製品では,APACK(エイパック)という韓国メーカーのGPUクーラーを搭載。これは,ヒートパイプとアルミ製フィンが一体になった2スロット仕様で,冷却周りの騒音減少に一役買っている。
一見,同じ韓国メーカーであるZalman Tech製のクーラーに似た雰囲気だが,APACKの資料によれば,Zalman Tech製クーラーよりも冷却力は高く,そして動作音は静かだとか。ECSとはとくに関係のない国内代理店から,クーラー単体が発売される可能性もあるようだ。
単体製品そのままなのかECS向けのカスタムモデルなのかは不明だが,「GX-700」と名付けられたクーラーを搭載。これにより,カード裏面にはスクリュー分の突起が生じる。なお,メモリチップにヒートシンクは用意されないようだ
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GX-700シリーズの優秀性を訴えるスライド。銅製フィン,あるいは金メッキ済み銅フィンを採用するバリエーションモデルも存在する模様(出典:APACK)
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ちなみに気になる店頭価格については「安価になるよう努力したい」(鈴木氏)とのこと。当面は,いたずらに最安値を狙ったりするのではなく,ファンレスのGeForce 7600 GT搭載カードなど,静音モデルのラインナップを拡充する方向での国内製品展開がメインとなるようである。 とはいえ,ECSのビジネスからすると,大口のOEM出荷が決まれば価格は大きく下がるはずで,将来的には期待が持てそうだ。グラフィックスカードの選択肢が増えることを,まずはゲーマーとして素直に歓迎したい。(佐々山薫郁)
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