NVIDIA,ビデオ周りを強化した公式最新版「ForceWare 93.71」公開
NVIDIAは,同社製GPU(グラフィックスチップ)であるGeForceファミリー用のグラフィックスドライバ「ForceWare」の公式最新版「ForceWare 93.71」を公開した。すでに4Gamerの最新ドライバページではリンクを更新してあるので,すぐに入手したい人はそちらを利用してほしい。
主なバグフィックスは下にまとめたとおりだが,これを見ても分かるように,ForceWare 93.71でなされているのは,主にビデオ再生に関連した修正だ。また,同バージョンでは,高解像度ビデオの再生支援技術「PureVideo HD」の新規サポートも行われている。
ForceWare 93.71で解決した主な問題- GeForce 7950 GX2のQuad SLI環境で,「EverQuest」をプレイすると,ゲーム終了時にシステムが停止する問題
- GeForce 7950 GX2あるいはGeForce 6600 SLI環境で「SpellForce 2」をプレイすると,画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 7900 GTXのSLI環境において,8xアンチエイリアシングを適用した状態で「Microsoft Dungeon Siege II」をプレイすると,画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 7900シリーズ,あるいはGeForce 6800シリーズのSLI環境で「World of Warcraft」をプレイすると,一部の画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 7600 GTのSLI環境において,解像度1024×768ドット設定で「TimeShift」をプレイすると,画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 7300 GTのSLI環境で「SpellForce 2」をプレイすると画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 7600 GSやGeForce 6150/6100環境で,PureVideoなどVMR(Video Mixing Renderer)を用いる方法でDVD-Videoを再生すると,画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 6800 GT環境において,「Windows Media Player 10」でビデオ再生を行うと,画面表示がおかしくなる問題
- グラフィックスメモリ容量128MB版GeForce 6600で,Windows Media Player 10からDVD-Videoを再生しているときにディスプレイ解像度を変更すると,システムがクラッシュする問題
- グラフィックスメモリ容量128MB版GeForce 6600でデュアルディスプレイ構成にしていると,NTSC形式のDVD-Videoを再生しているときに画面表示がおかしくなる問題
- テレビを接続してセットアップウィザードを起動するとエラーメッセージが表示される問題
ちなみにPureVideo HDとは,GeForceファミリーのGPUを,Blu-rayやHD DVDの映像コンテンツ(正確にはH.264,VC-1,MPEG-2 HD形式のビデオコンテンツ)の再生支援に用いる技術のことである。 もっとも,ForceWare 93.71以降のWHQL認証済みForceWareがあれば利用できるというわけではない。このほかにも,グラフィックスメモリを256MB以上搭載したHDCP対応のGeForce 7ファミリー搭載グラフィックスカード,デュアルコアCPUと1GB以上のメインメモリ,Blu-rayあるいはHD DVDドライブと対応再生ソフト,HDCP入力対応ディスプレイが動作必須環境となる。これらすべての条件が揃わなければPureVideo HDは利用できないので,2006年11月時点では,映像マニア向けの機能以上でも以下でもないというのが,正しい評価だろう。
その意味においてForceWare 93.71は,これまでの公式最新版であるForceWare 91.47に不満がないなら,自己責任のリスクを冒してまで導入する価値はなさそうだ。 とはいえ,いくつかのゲームで問題が解決しているほか,PCでDVD-Video再生を行っているなら注目すべきバグフィックスが存在するのも確か。SLIの動作や,ビデオ周りに不具合を感じているのであれば,試してみるのも悪くない。(佐々山薫郁)
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